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転職の落とし穴

~「理想の会社」と思ったら…そこは地獄だった~

転職は人生の一大イベント。より良い環境を求めて職場を変えるのは勇気のいる決断です。けれども、その転職先が「思っていたのと全然違う」となったらどうでしょう?

今回は、とある男性・翔太さん(仮名)の体験談をもとに、転職の際に注意すべきポイントをお伝えします。

華やかなホームページに潜む罠

翔太さんが転職を決意したのは、前職の環境に限界を感じたからでした。納期に追われる毎日、頻繁なトラブル対応、そして休日も呼び出されることが当たり前の職場。「もっと自分の時間を持てる会社で働きたい」と思った翔太さんは、求人サイトで理想の職場を探し始めました。

そんなとき目に飛び込んできたのが、ある企業の求人広告。洗練されたホームページには、「社員満足度No.1」「完全週休二日制」「家族のような職場」といったキャッチフレーズが並び、笑顔で働く社員たちの写真が掲載されていました。「ここなら、自分ももっと幸せに働けるかもしれない」と思った翔太さんは、迷わず応募。面接でも担当者の熱心な説明を聞き、入社を決めました。

ところが、実際に働き始めてみると、状況はまったく違いました。確かにオフィスは綺麗でしたが、社員同士の関係は冷たく、朝から晩まで黙々と作業するだけ。ホームページにあった「家族のような職場」はどこにも見当たらず、実際にはただの個人プレーが求められる職場だったのです。

「作り込まれたホームページは、会社の現実を隠していることが多い」と、このとき翔太さんは思い知りました。

求人票と雇用契約書のギャップ

さらに、翔太さんはもう一つの落とし穴に気付きます。それは、求人票と雇用契約書の内容が違うという問題でした。求人票には「月給28万円」「残業は月10時間以内」と記載されていましたが、実際の契約書を見ると「基本給22万円、残業代別途支給」と記載されており、想定していた月収よりもかなり少ない金額になることが判明しました。

さらに、残業時間も求人票とは大きく異なり、月20時間を軽く超える状態。面接で「残業は少ないと聞いていたのですが」と尋ねても、「忙しい時期はどうしても仕方ない」と濁されるばかりでした。

求人票はあくまで「企業の広告」であることを、このとき翔太さんは痛感しました。そこで提示される条件が、必ずしも実際の契約書に反映されるわけではないのです。

職場の雰囲気を軽視してはいけない

もうひとつ、翔太さんが失敗したポイント。それは「職場の雰囲気」を軽視してしまったことです。

翔太さんは面接時、職場の見学をさせてもらいました。オフィスは整然としており、社員たちは黙々と仕事をしていました。その様子を見て、「集中しやすい環境なのかな」と安心したそうです。

しかし、いざ働き始めると、そこには重苦しい空気が漂っていました。上司は常にイライラした様子で部下に厳しく当たり、社員同士の雑談や相談はほとんどなく、ただ業務をこなすだけの毎日。翔太さんが「もっと良い環境で働ける」と期待していただけに、そのギャップは大きなストレスとなりました。

職場の雰囲気を知るには、ただ「見る」だけでは不十分です。面接官や社員たちの態度、やり取り、そして自分がその空間に入ったときに感じる直感――これらを総合的に観察することが重要だと、翔太さんは後悔の念を込めて語ってくれました。

転職を成功させるために必要なこと

翔太さんの経験から学べることは、「表面的な情報に流されないこと」です。転職を成功させるためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

ホームページや広告を鵜呑みにしない
写真や言葉に惹かれてしまう気持ちはわかりますが、それだけで判断せず、実際の社員の声や口コミ、さらに会社の評判を調べましょう。
求人票と契約書を徹底的に確認する
求人票に記載された条件が、雇用契約書や労働条件通知書に正確に反映されているかどうかを確認することが大切です。少しでも疑問に思う点があれば、遠慮せず質問を。
職場の雰囲気をよく観察する
面接時には、職場の空気感をしっかり感じ取るよう心がけましょう。社員同士のやり取りやオフィスの活気、さらには自分がその空間で違和感を覚えないか、慎重に判断してください。
おわりに

翔太さんはその後、失敗を教訓にして、ようやく自分に合った職場を見つけました。焦らず慎重に情報を精査し、面接でも積極的に質問を投げかけた結果です。転職は人生の新たなスタートですが、焦りや表面的な判断は禁物です。

次に転職を考えるとき、この記事の内容を思い出してみてください。翔太さんのような失敗をせず、自分に合った理想の職場を見つけましょう。

#転職
#就活

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