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不可視刃あれこれ

目にも留まらぬ達人の居合!ではないですが、世の中には目には見えない鋭い刃物が色々あるそうです。

これはそんな感じの雑談。

カマイタチ

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漢字で書けば "鎌鼬"。言わずと知れた、 鎌を持ったイタチの妖怪です。

その姿は諸説ありますが、有名なのは三匹が一緒になって行動をするという形態。一匹目が人を転ばせ、二匹目が鎌で斬りつけ、三匹目が薬を塗ってすかさず治癒、というチームプレイをする妖怪です。

鎌鼬は人の目には見えないそうなので、出会った際には "突然転んでしまったかと思えば鋭い切傷ができ、しかし出血は無い" という不思議な体験を通して存在を認識することになるのでしょう。

また、寒い地方の鎌鼬は一匹で行動する姿で描かれることも多いようです。こちらは気温の低い乾燥した外気によって起こる、一種の "あかぎれ" がモデルになっているとされています。こっちにこそ薬塗って欲しい。

それが由来か "鎌鼬" は冬の季語なのだそう。たしかに冬のスンとした空気にはそんなイメージも感じます。

起き抜けに窓を開けると、氷の匂いの混じる風に目が覚める、というのが冬の朝の一コマ。さしずめ......

夢祓い窓開け招く鎌鼬

なんてね。

口の中の斧

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言葉は刃だとたまに聞きますが、古くはお釈迦様の教えにもそのようなものがあるそうです。曰く

人は実に生まれながらに、口中に生じた斧をもっている。
人は悪口を言っては、その斧で自分自身を斬る
ーーウダーナヴァルガ より

口内炎ですら勘弁してほしいのに......と思ってしまいましたが、この斧というのは、どうやら舌のことを指しているらしく、確かに雄弁に語ることを "舌を振るう" なんて言いますね。

教えによると、その斧で悪口を言っては自分を斬るとのこと。これは心からの悪意をもって放った言葉だけではなく、振るい方を間違い、結果として悪口になった言葉も指しているのじゃないかなと思います。

もちろん一番辛いのは言われた方ですが、そういう時って、自分自身すごくバツが悪い気持ちになります。それくらい簡単に何かを斬ることのできるものが、生まれた時から口の中にある、ということなのかなぁと。

今は時間も空間も越え、いろんな人や物に言葉をぶつける事ができますね。気をつけてはいるものの、日々失敗と試行錯誤です。精進したい!

ハンロンの剃刀

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とはいえ時には、本気で斧を振るわねば我慢ならない事もあるでしょう。しかし、それは本当に斧を振るうに値するのか?という話もあったりします。

物欲センサー、またはマーガリン側から落ちるトースト。後者は理由があるという説もありますが、何者かの意思を感じたくなる "上手くいかないこと" ってありますね。

同じように人から不利益を被ったとき "わざとじゃないか?" とそこに悪意を見出してしまうことがありますが、それに対して "ハンロンの剃刀" と呼ばれる考え方があるそう。それがこちら。

Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity.
(愚かだということで説明のつく事柄に悪意を見出すな)

つまりは、"相手はただ無能なだけで悪意なんてない"  ということですね。結構辛辣......

けれど、悪意を持ってやられたと感じたら、こっちも仕返しを......なんてちょっと考えちゃいます。それなら "あぁ、ただ愚かなんだな" と納得できれば、心の負担はすこし減る気がしますし、面倒な仕返しの算段もしなくて済むのは良い事ですね。

おわりに

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突然ですが Suica ってありますよね。お上りホヤホヤだった頃、あれを切符の挿入口に差し込んで、凄まじい音とともに自動改札を機能停止させてしまった事を思い出しました。

笑って対応してくれた、いつかの駅員さん。
ナイス !ハンロンの剃刀!




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