何見て逃げる
気づいたら 1 月が終わってしまいました。年初の三カ月は "行く・逃げる・去る" なんて言いますが、本当に毎年驚くばかりです。
それでいえば、今月は "逃げる" 月。それにちなんでそうな、そうでもなさそうな雑談。
鬼も逃げ出す
そういえば、先日は節分でしたね。恵方を向いて海苔巻きを食べた方も多いのではないでしょうか。
僕には恵方巻を食べる習慣はありませんが、その代わりに毎年、豆まきをしています。片づけるのが大変なので "まく" といっても、ちょっとその辺に放るくらいですけどね。鬼は空気を読んで、出て行ってもらえると嬉しい。
ところで、豆まきと聞いて ↓ のどちらを想像しますか?
大豆を思い浮かべたあなたは、落花生に対して "???" だと思います。節分でまく豆、メジャーなのは大豆ですが、北海道や東北・信越地方などの雪国では、代わりに落花生をまく文化があります。
由来は諸説あるようですが、節分の季節は外に雪が積もっているので、投げた後に拾うとき、大豆より簡単だから、というのが一つの理由だそう。
僕は東の地方が出自なので、今でも落花生を撒いていますが、室内に撒くにしても拾いやすいですし、殻がついているので、投げたあとは殻をむいて食べてしまえば無駄もない。これぞ SDGs …… かは分かりませんが、結構おススメですよ。
亀はなぜ逃げ延びる?
節分は鬼が逃げる日ですが、逃げるといえば "アキレスと亀" という話があります。
アキレスという男が、カメと徒競走をすることになりました。
そのまま走り競べをしてはカメに分が悪いので
アキレスは、カメの少し後ろからスタートすることになります。
しかし走り始めてみると、アキレスはカメに追いつくことが出来ません。
アキレスがある時点でカメがいた場所 A に着く頃
カメはカメで前に進んでいるので A ではなく B 地点にいます。
では、アキレスが B に着いたときには?
カメはまた、少し先の C という地点にいます。
この競争はこれが延々と繰り返され、結果アキレスはカメに追いつくことができないのだといいます。ただ、現実がそうでないのは明白ですね。
有名なパラドックスであるこの話、数学的には説明のつく形で解き明かされているようですが、これを言葉で説明するのが難しく、間違った理屈なのはわかるが、具体的な反論が難しい事への例えとしても使われるようです。
都度設定されるアキレスのゴールが "さっきまでカメがいた場所" だから、話の中でアキレスがカメに追いつくことがないのかな、と漠然と思いますが……きちんと説明しろと言われると、やはり難しいですね。
動く石
さて、今度は亀よりもっと足の遅い "石" について。
"遅いも何も、動かないだろう" と思いきや、アメリカはカリフォルニア州、そしてネバダ州にまたがる "デスバレー国立公園" にある石たちは、地面に跡をつけながら、勝手に動きまわるのだといいます。
スライディング・ストーンと呼ばれるこの動く石。重いものでは 300kg を超えるといいます。そんなものが、一体どうやって動き回っているのでしょうか。
スライディング・ストーンがあるのは、デスバレー国立公園内のレーストラック・プラヤという区画。そこは干上がった広大な湖なのですが、雨が降ると全体が浅い水たまりになるそうです。
それが寒い季節であれば水たまりは凍結し、一面が氷に覆われます。そして気温が上昇するにつれて、それらはひび割れ、沢山の薄い氷塊になるのだそう。すると、その氷塊は風に煽られ、レーストラック・プラヤを移動するうちに、そこかしこに点在する石の元へ流れつきます。
そうして吹き溜まった氷塊はさらに風を受け、まるで帆掛け船のようにして、石を前に前にと押していくのだそうです。
あとは湖が元通り干上がると、まるで勝手に動いたかのような、不思議な石だけが残される、という仕組みだそう。自然ってすごい。
おわりに
自然の凄さといえば、今年は随分と冷え込みますね。暖房の効いた部屋が苦手なので、冬場はエアコンを使わない人間なのですが、今年はちょっと心が揺らいでいます。
といいつつ、そんな季節も悩んでいるうちに、あっという間に逃げていってしまう事でしょう。これは願望です。
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