人間に入っているもの
パンドラの箱の底にはエルピス、金の脳にはメロンパン、テーマパークのマスコットには現実が入っています。それでは人間に入ってるのはどんなものか、というような雑談。
外側は同じだけれど
僕はまだそんな目にあったことはないですが、世の中には身の回りの親しい人間が、突然、姿形が全く同じ偽物とすり替わってしまうことがあるそうです。
姿形が全く同じなのに、なぜ偽物だとわかるのか疑問に感じますが、それを経験した人は、他人にはわからない違和感を感じとり、目の前にいるのは間違いなく偽物だと確信するのだそうです。
入れ替わりが本当かどうかはさておき、そういった確信には "カプグラ妄想" という名前がついています。
例えばとある入院中の女性のケースでは、夫と、夫と全く同じ姿形の別人が、代わる代わる面会にくるのだというのです。曰く、二人の姿形が同じでも "感じ" ですぐに判別がつくのだとか。
外見が全く同じなのですから、"感じ" というのは、相対する人間の内側にあるものに由来するのでしょう。外見を無視して個人を判別できるなんで、人間には一体どんなものが入っているのでしょうね。
ちなみにカプグラ妄想は、心身の異常から起こることもあるそうなので、もし身近な人がそっくりな他人に入れ替わってしまったら、本物を探しに行くついでに、ちょっと医者に立ち寄ってみるのもよいかもしれません。
人の中身?
人間に入っているもの。場合によっては個人を判別できるほどのものですから、胃腸の中に入っているものよりは上等であってほしいですが、さて、どうやったら確認することができるのでしょうか。
実は一部の霊能者は、それを口や鼻から取り出すことができるのだそうで、これがその写真。
なんてこった。思ったよりしっかり出ている。
この、布とも煙とも形容される(僕は餅に見える)白い物は "エクトプラズム" というのだそうです。霊能者がこの世のものではないものを、この世に存在できる形に固定するための触媒なのだそうで、これを取り出せるのは霊能者だけですが、エクトプラズム自体は全ての人が持っているのだとか。
エクトプラズムは、こういった写真の形でいくつか残されていますが、近年は写真に収められることもなくなってしまったようです。
エクトプラズムは現代のカメラが捨てた機構でしか捉えられないのか、はたまた現代の人間はエクトプラズムを失ってしまったのか。
どちらにせよ、これは人間に入っているものであっても、"中身" と呼ぶようなものではないのかもしれません。
魂の証明
さて、遠回りをしてきましたが "人間の中身" が何かと問われれば、いうまでもなかったですね。それは "魂" です。
しかし魂というのは一体どんなものなのでしょうか。人間の中身というからには、例え目には見えない物だとしても、それは熱のようなエネルギーの仲間ではなく、空気と同じく確かな物質であるはず。
物質なのかそうでないのか、判別する物差しの一つに "重さの有無" があります。つまり、魂の重さを計測することができれば、それは少なくとも、確かな物質であると証明できるわけです。
昔、それに取り組んだ医師がいました。彼は、巨大な秤として機能する病床に末期の患者を横たえ、息を引き取るその瞬間の秤の動きを観測しようとしたのです。それによって観測された、患者が息を引き取る瞬間に失った重量は 21g 。そこから、この実験は "21g の実験" と呼ばれてます。
21g という重さが与えられたのですから、これはもう確かに存在する物質であって、間違いなく人間の中身と呼んで差し支えないはず!
しかし残念ながらこの実験は、サンプル数の少なさや実験内容の正当性の観点から、意味のある実験だと受け入れられてはいないそうです。
我々の中身らしき、魂と呼ばれるものは一体何なのか、わかるその日が待ち遠しいですね。
おわりに
そういえば筋肉少女帯に "少年、グリグリメガネを拾う" という歌があって、そこに出てくるメガネは物の中身が透けて見えるメガネだったな、なんて思い、改めて歌詞を見返してみると "何か嫌なものが見えても、それは人生の修行だ" とのこと。
確かに、良いものが入っているとは限らないですね。いうなればパンドラ人間。
グリグリ眼鏡、落ちてても拾うのはよしておこうと思います。
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