サッカーにおける試合の見方について(初心者用)
毎度毎度4年に一度リアルで「サッカー教えてくれや」と仰られるご新規様に私なりの個人的な試合の見方を極力単純化しお伝えするようにしています。
サッカーの歴史的に戦術や戦略は時代によって都度アップデートはされますが基本的に同じことを繰り返しています。
この記事においては新規のご友人などを誘ってサッカー観戦する場合等見方の一つとしてご提案出来ればと考えております。
まず見るべき点
試合の流れを理解するところが必要になります。
攻守がシームレスで展開するサッカーにおいて
昨今では試合の流れを四要件として解説されている場合も多く国によって多少相違点もありますが大まかには
ボールを持ってる攻撃時
ボールを奪われ攻撃から守備に移行した時
ボール奪う守備時
ボールを奪ってから攻撃に移行した時
と解説されます。
私がよく説明する試合展開の注目点としては
ボールを奪ってから攻撃に移行した時
を見るべき点としてあげています。
応援している自チームが相手からボールを奪ってから攻める時どのように振舞うかということになります。
守備のやり方も重要となりますが「卵が先か鶏が先か」と言う話になるので別の機会にしたいと思います。
どういうときにゴールが生まれるか
サッカーというスポーツは得点を奪い合うスポーツです。
攻めが重要なファクターであり、実行する際のセオリーがあります。
ちなみにどの様な時にチームは得点していますか?
得点は主にシュートする選手の周りに相手DFが追いかけていたり
隙間があったり様々なシチュエーションがあると思いますが
シュートを打つ際に大まかに
相手DFが周りにいない
相手DFがボールに触れていない
味方のシューターがゴールを向けている
シュートを打てるだけの余裕がある
という状況が生まれていると思います。
動画を見ると分かりますが、
「如何に味方がシュートを打ちやすい状況を作るか」
これが大事になります。
得点を取るための攻め方を物凄く広く解釈していくと、そのパターンは3つに分類されます。
カウンター
ダイレクトプレー
ビルドアップ
この3つになりますがあくまで大まかな分類でありハッキリした色分けがあるわけではなく試合状況に応じて変化しますし、カウンターで攻めていたと思っていてもポゼッションに切り替えたりもあります。
グラデーションがかかっていると思っていただければ大丈夫です。
最も効率的な三つ
この三つは「最後に相手ゴールを奪う」という点で共通しており、如何に相手の空けたスペースを効率的に突けるか、スペースを空けて味方がシュートを打てる時間を作れるか、シュートする際にゴールの前に敵を如何に躱すか考えると、試合中をみていけばこの三パターン以外にないと思えるようになります。
相手のあるスポーツでもあるため相手次第で実際の試合で最適なやり方が出来たチームが勝利するという側面があります。
どのスタイルが至高なんてものはありません。
状況に応じて3つのどれかを適切に行えるチームが一番すごいのです。
カウンターについて
指導者がサッカーチームを構築する上で基礎的なものになります。
いわゆる必須科目となりカウンターが出来ないチームは選手or監督orフロント&GMの力量を疑う事になります。
よくロングカウンターやショートカウンタ―などに分けて解説している方も居ますが要点として基本的にボールを奪ってから相手チームの守備陣形が崩れてスペースが空いているところめがけて素早く前進し攻撃しゴールに迫ることです。
相手の対応が必然的に後手に回り空いたスペースを突きやすいというメリットがあります。
個人が圧倒的な走力で迫る場合やチームワークで華麗にゴールに迫る場合など様々なパターンを見て欲しいです。
代表的なチーム:ブラウブリッツ秋田
参考動画
動画を見て頂くと分かりますが、チームとして相手のいない所若しくはスペースが空いているところをめがけて選手が走っているのが分かります。
弱点
相手の守備陣形が崩れない場合や相手が高いレベルの場合は個人能力とポジショニングで差があると能力が低い方は攻め手が無くなってしまう場合があります。
ダイレクトプレーについて
攻めの選択科目となり有力選手が居ればいる程良いという考え方になります。
「手数をかけず、よりシンプルにゴールへ向かう」プレーを差す攻撃になります。
プレイ自体もアメフトのタッチダウンパスに似ています。
参考動画
ダイレクトプレーはオランダの フランク・デブールからベルカンプへのパスからゴールになったシーンなどが有名です。
素早く攻撃するという点ではカウンターと似ていますが、こちらは選手の力量と相手の力量差に左右されます。
ダイレクトプレーの場合は相手の守備が崩れていない場合でも直接前線の有力選手にボールを渡し突破口を開くことができます。
得点を取るためには前線のプレイヤーが相手守備より優れている必要があり、強靭な身体であったり圧倒的スピードとテクニックを有していることが多いです。
最もよく見るシチュエーションはゴール前のフリーキックやコーナーキックなどで空中戦が強い選手があわせるなど一つの戦術として確立しています。
メリットはなるべく自軍の守備陣形を大きく崩さずに個人の力で打開できる
これがダイレクトプレーによるメリットです。
そのため前線FWやサイドの活躍がポイントとなる場合が多々あるため分かり易いです。
弱点
自軍の守備陣形を崩す攻撃をされた場合ボールを奪えずにサンドバックになる場合があります。
そのためカウンターと併用し得点を狙うことが多くなります。
また前線の選手は高い能力が求められるため
相手のDFの能力が高くカバーなどがしっかりしている相手には中々攻め手が見いだせなくなる傾向にあります。
ビルドアップについて
こちらもチームにおいては選択科目となります。
便宜上ビルドアップというけったいな名前をつけておりますがボール支配率が高い事を是とするわけではありません。
味方同士でポジションを入れ替えたり、元のポジションから意図的に遠い位置に動くことにより相手のマークを引き出し陣形を崩させてスペースを自ら作っていく動きをいいます。
ポジションチェンジを繰り返しパスを回しながら攻撃するためチームワークで崩す為見ていて小気味よい攻め方です。
代表的なチームとしては監督がスペイン系のチームに多く
ペップ・グラウディオラのマンチェスターシティなどのチームが代表的です。
参考動画
アヤックスビルドアップ
弱点
自らフォーメーションを崩す為ボールを奪われた際の対応が大事となりカウンターに晒されるとそのまま相手に得点されることが往々にある戦い方になります。
(カウンターの項目参照)
三すくみ
これらの3パターンの関係はじゃんけんのような三竦みとなっており
カウンターに強いダイレクトプレー
ダイレクトプレーに強いビルドアップ
ビルドアップに強いカウンター
多くのチームが履修するスタイルとしては
カウンター+ダイレクトプレー
カウンター+ビルドアップ
と言う形で選択する場合が多いです。
3つを習得しているチームは強いですが、11人プラス交代選手が同じイメージを共有している必要があり、能力の高さを要求され、尚且つ相手の力量に左右されるため毎試合100%遂行できるチームはほぼいないといえます。
チーム編成については資金力のあるスポンサーと編成に強いスタッフなどがいる強豪チームを見ると弱点をいかに塞ぎチームの長所を伸ばすかというところに腐心している海外ニュースではよく見かけますが、
この3竦みを理解しながらみると面白いかもしれません。
2022大会においての事例では
日本vsドイツ
日本vsスペイン
ではポゼッションを志向するドイツとスペインに対して効果的な三笘選手を投入しカウンターを発動させた日本が勝ち
日本vsクロアチア
においてはクロアチアのペリシッチ選手ヘのダイレクトプレーで同点にされてしまい打つ手がなくなり最終的には敗退してしまった。
と説明できると思います。
あくまで一つの切り口としての解説です
だけど…
ここでの説明はあくまで一部分です。
初心者に対しあまりにも小難しいところから説明する場合が多くあり
あまり多くの情報を伝える必要は無いと考えております。
この記事の目的として
私がなぜこの記事を書いたかというと自称海外通だったり自称サッカー通の方が良く勢いに任せて言うことが多くそれを真に受けてしまう。
所謂「監督交代すればすべて解決する」と思っている初心者の方が多い点が気になっていたためでした。
うまいこと行くこともあればそうでない時だってある。
日本国内だろうが欧州のトップトップのチームだろうがこの3つを上手に使い分けて勝ってるチームなんてなかなかいません。
トーナメントだと組み合わせの妙だったり運の要素だったりもある
リーグ戦だともっとも勝てると思われるやり方をチームそれぞれが工夫してシーズンを迎えます。
だからこそ安易に間違った批判をすると大変なことになってしまいます。
いちインフルエンサーの間違った声に扇動されてチームが崩壊だってあるしバカにできないです。
最低限の知識としてここに記させていただきました。
個人的オススメ解説者、ライター
サッカーキング ライター 三島大輔氏
https://twitter.com/Futebol_BR19
Jリーグの各カテゴリなども詳しく選手の論評も的確であり、特にブラジル人の情報などを詳しい方です。
元サッカーマガジン編集長 北條聡氏
サッカーオタク
Youtubeにて戦術の歴史について講義してくれています。
知識が膨大な方です。
参考:蹴球予備校
今後続きかくかどうかは私もわかりません。
要望があっても気が向かない限り書かないと思います。