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イタリア語の基本動詞(Polygotへの道Ⅳ)

今回は必須25の動詞とイタリア語の動詞変化の基本、そしてその法則を伝える。

(今回紹介する動詞25個の解説動画by Italiana in English)

イタリア語の動詞六つの変化を持つ。これは「格変化」と呼ばれるもので、欧州言語に共通する特性の一つだ。英語にも三単現のs、例えばact(s)といった形でその名残が見られる。

これが他の欧州語を学ぶ際のネックだ。だがイタリア語の場合にはコツがある。
例えばイタリア語だと「私がやる」=Faccioで、その語尾は"o"だ。Vado(I go)も"o"で終わる。
{
Vedo(I see), Penso(I think), So(I know), Credo(I belive),も然り。}

つまり「第一人称(I)の時は、常に"o"で終わる」のだ。
そして「二人称(you)の時は"i"」、「三人称(it, he, she)の時は"a"”e"」で終わる。
以上のようにルールさえ覚えてしまえばあとは経験で動詞の不定形から簡単に変化させられる。

オススメは単数系三つ例えばfare(do)ならFaccio, Fai, Fa, の三つだけを覚えて、そこからまた複数形三つに派生させていくことだ。
主語に合わせて、am, are, is,とする英語の拡大版と考えてほしい。


1. Essere(be)=〜は〜である

役割は英語のBe動詞と同じ。受動態にも使う。
Sono, Sei, E',
Siamo, Siete, Sono,
以上六つの変化がある。英語のam, are, is,に複数形の変化を更に三つ追加したようなものだ。

そして最初に書いたように、基本一人称単数は'o'、二人称は'i'で終わる。
Sono un studente=(I)am a student(私、学生)
Sei un studente?=Are(you)student?(君、学生?)
そして三人称の時はa, e,で終わる。
E’ difficile=(It) is difficult

とりあえず以上単数三つ、Sono, Sei, E', 私、君、彼(それ)、だけ覚えておけば何とかなる。
この後にSiamo, Siete, Sono, と私達、君達、彼等と続くが、これも他の動詞と共通した語尾変化をするので、とりあえずこの動詞の変化だけでも覚えておいてほしい。

2. Avere(have)=持つ

次に重要な動詞はAvereだ。これは英語のhaveと同じ意味で、起源も共通。
イタリア語ではHを落とすということを考えながら、次の変化を見ていただきたい。
Ho, Hai, Ha,
Abbiamo, Avete, Hanno,
Hが復活したり消えたりしている。だが発音しないので音としては結局みんなaで始まり、一人称の時だけHo(o)と言う。

Avereには色々な使い方があるが、ここでは三つに分けて述べよう。
1.持つ」という意味。
Ho fever=I have a fever,
Ho compito=I have homework.

2.  「年齢」、「状態」を表す。
Ho ventidue anni= I have twenty two years old→I am 22 years old.
Ho fame= I have a hungry→ I am hungry.
つまり英語のBe動詞の代わりを担う時がある。上の例文で言われるのは、「イタリア人を見習え、年齢なんて気の持ちようだ(because they have years and old)」みたいな話だ。これはフランス人もスペイン人にも言えること。

3. 過去形のパーツ
Avereは過去形を作る時にも使う。これは英語の現在完了系(〜していた)と見た目全く同じだが、イタリア語では単純過去(〜した)の意味になる。
Lo ho fatto=I have done it→I did it

Lo=It、Ho=I have, fatto=fare(do)の過去分詞だ。
もしYou did it?と言いたいなら、Lo hai fatto?とavereだけ変化し、~ato(ed)と動詞を過去分詞にして付け加えるだけ。そして過去分詞の変化は一つしかない。
つまりavereの格変化六つをマスターすれば、イタリア語の過去形をマスターしたも同然となる。


3. Fare(do)=やる

次に汎用性の高い動詞はFareである。正直これさえあれば他の動詞を覚えなくてもいいかもしれない。
Faccio, Fai, Fa,
Facciamo, Fate, Fanno,

変化はこれまでと同じ。
1. やる(do)の意味
Lo faccio=それやるよ。
Cosa fai?=何する?
Facciamo=やろうぜ!

2. 慣用句
後ろに名詞をつけて慣用表現を取る。
Faccio la colazione=(Do a breakefast→)I take a breakfast.
Faccio la doccia=(Do a bath→)I take a bath.
Faccio fotografia=(Do a photograph) I take a photo.
英語だとtakeで表現されていたものを、fareに置き換えれば良い。

ちなみにイタリア語の現在系は未来も表すので、現在系さえ覚えてしまえばもう未来時制もマスターしたも同然である。

そう、実はここまでで過去、現在、未来、と日常会話に不可欠な時制は頭に入っていることになる。未来系の変化もあるがそれは「やるかもしれない」という「不確定未来」について述べる時なので、まあ余裕があったら覚えるくらいで良い。

4. Dire(say)=言う

Dico, Dici, Dice,
Diciamo, Dite, Dicono,

意味は「言う」だ。英語とかけ離れているように見えるが、元はDicereというラテン語から来ていて、一部英語にもPredict(予言)という形で共通部位が残っている。
Non ho detto niente=何も言ってない
Dimi=Tell me
Che cosa vorrei dire e'=What I would like to say is.

5. Potere(can)=できる

Posso, Puoi, Puo,
Possiamo, Potete, Possono,

こちらは英語のPotential(可能性)と起源を同じくする。
Posso avere questo?= Can I have this?
これは注文する時に使うフレーズだ。Per favore(Please)だけで指差しても意味が伝わらないことがあるので覚えておこう。

6. Volere(want)=欲しい

Voglio, Vuoi, Vuole,
Vogliamo, Volete, Vogliono,

WがVから派生した文字であるということを踏まえれば、覚えるのはそこまで難しくないと思う。Voglio teと言ったらかなり強い意味になるので、注文には使わないようにしよう。
Che vuoi?=何が欲しい?
Vuol(e) dire~= It means~
Voglio imparare l'italiano!= I wanna learn Italian!

7. Sapere(know)=知る

So, Sai, Sa,
Sappiamo, Sapete, Sanno,

Suspicious(英)がSapereと関連しているかはSuspicioso(伊)だが、いずれにしろ「知る」という意味だ。
Non lo so!= I don't know!
そして能力を表す時には上のpotereではなくこのsapereを使う。
So parlare l'italiano= I know speak Italian→I can speak Italian.
(Parlare=話す)

8. Stare(stay)=〜という状態にある。

Sto, Stai, Sta,
Stiamo, State, Stanno,

Stareは直訳だとStayだがBeingやBe動詞、特に「状態」を表す意味で使う。
Sto studiando l'italiano=I am studying Italian.
Come stai?=How are you?
Sta male=It is bad.

Stare+動名詞(~ando)で現在進行形の意味になる。Come sto faccendo.(今私がやってるみたいに)

9. Dovere(must)=すべき

主に英語の"must"や"should"として使うが、起源としては"dutyや"due"が近い。いずれにしてもコアの意味は「義務」だ。
Devo, Devi, Deve,
Dobbiamo, Dovete, Devono,

Devo studiare molto!=I have to study more!
Devi andare a casa=You should go to home.
Deve essere vero=Should be true.

またDue toのように原因を表すのにも使う。
Puo essere dovuto a errori= Could be due to errors.

10. Prendere(take)=取る

Takeの意味で使うが、take a bathのような英語の慣用句を直訳できない
Prendo, Prendi, Prende,
Prendiamo, Prendete, Prendono,

Prendo la lecture=I take the class.
Lo mi prendi?=Take it to me?

11. Vedere(see)=見る

「見る」という意味。
Vedo, Vedi, Vede,
Vediamo, Vedete, Vedono,

Scusi, Non posso vederlo= Excuse, I can not see it.
Vedi?=(You) see?
Come abbiamo visto= As we have seen.

ただし"I see"の意味ならCapisco(capire)を使おう。

12. Andare(go)=行く

「行く」という意味だが、この動詞は「歩く」という動詞とごっちゃになって二系統に分かれた変化をする。
Vado, Vai, Va,
Andiamo, Andate, Hanno,

上三つはVadere(行く)というラテン語
下三つはAmbulare(歩く)というラテン語から来ている。こちらは何と
Ambulance(歩く病院=救急車)の元ネタだ。

Vado a scuola= I go to school.
Vai a casa!= Go to home!
Va bene= Goes well=OK.
いずれにしても日常で絶対に使う表現なので覚えておいて欲しい。
Andiamo=行こうぜ!

13. Venire(come)=来る

「来る」という意味。
Vengo, vieni, venga,
Veniamo, venite, vengono,

Vieni a qui=Come to here.
Benvenuti=Wellcome

14. Dare(give)=与える

「与える」の意味。
Do, Dai, Da',
Diamo, Date, Danno,

Lo ti do=I give it to you.
Dai=寄越せ

15. Parlare(speak, talk)=話す

「話す」の意味で、英語のようにspeakとtalkで分けたりしない。

Parlo, Parli, Parla,
Parliamo, Parlate, Parlano,

No so parlare l'italiano=I do not know(how to) speak italian.
No parli l'italiano?=Don's speak Italian?
Parliamo=Let's talk!

16. Trovare(find)=見つける

Trovo, Trovi, Trova,
Troviamo, Trovate, Trovano,

Devo trovare lavoro= I have to find a job.
Lo trovi!=Find it!
Troviamo!=試してましょう!

17. Sentire(hear)=聞く

これはsenseから来ていて「聞く」の意味がある。(「聴く」listenはascoltare)
Sento, Senti, Sente,
Sentiamo, Sentite, Sentono,

Sento il rumore= I hear the sound.
Senti?=聞こえる?
Seintite=聞きなさい。

18. Lasciare(leave, let)=〜させる、放っておく

主に"Leave"の意味だが、letと同じように使役動詞としての使い方もある。
Lascio, Lasci, Lascia,
Lasciamo, Lasciate, Lasciano,

Lasciatemi da solo= Leave me alone!
Lasciarmi farlo = let me do it.

19. Guardare(watch, look)〜観る

「観る」という意味。
Guardo, Guardi, Guarda,
Guardiamo, Guardate, Guardano,

Sto guardando TV= I am watching TV.
Guardami=look at me

20. Mettere(put)=置く

Metto, Metti, Mette,
Mettiamo, Mettete, Mettono,

Posso mettere la mia borsa?= Can I put my bug?
Certo, puoi metterla qui= Certainly, you can put it here. 

21. Pensare(think)=考える

Penso, Pensi, Pensa,
Pensiamo, Pensate, Pensano,

Penso che sia vero= I think that (it) is true.
Che cosa pensi di~?= What do you think of~?
Spesso pensiamo come~= Often, we think as~.
Pensate!= (君達)考えて!

22. Passare(pass)=渡す、通過する。

これは英語のpassと全く同じ。

Passo, Passi, Passa,
Passiamo, Passate, Passano,

英語と同じく「私を通して」「試験をpassした」の意味でも使える。

Non ho potuto passare la esame!= I could not pass the exam!
Passami la carta!= Pass the paper to me.
Lasciarmi passare!= Let me pass through! 

23. Credere(belive)=信じる

「信じる」の意味。

Credo, Credi, Crede,
Crediamo, Credete, Credono,

Credit cardの"Cred"と起源は同じ。(イタリアだとCarta di credito)

Credimi!= Trust me!
Non credo che sia vero!=I don't belive that is true!
Non e' credibile= It is no credible.

ただし英語のI belive that=「私もそう思います」のようには使えない。この時はPenso cheが正解。

24. Portare(bring, port)=運ぶ

「運ぶ」(Port)という意味。

Porto, Porti, Porta,
Portiamo, Portate, Portano,

英語でもTransport(送), Import(入), Export(出), という風にラテン語からの名残が見られる。
イタリア語ではもっとカジュアルにBring(持ってく)として使う。

Portami a casa!= Take me to home!
Devo portarlo a te?=Should I bring it to you?

25. Mangiare(eat)=食べる

「食べる」という意味。多分イタリア人の魂を表す動詞の一つ。

Mangio, Mangi, Mangia,
Mangiamo, Mangiate, Mangiano

Non ho mangiato niente oggi!= I did not eat anything today!
Che peccato! Mangi subito!!=What a pity! Eat soon!!

ちなみにイタリア人を表す特徴の一つに「お喋り」は欠かせない。
そしてil chiacchierone(お喋りな奴)という名詞まであるが、同じ意味の慣用表現で以下のようなものがある。
Parla come mangiare=Speak like eating=(食べるように)よく喋る。
つまり食べることも喋るのと同じくらい大事ということだ。常に喋ってるか食べてるかで落ち着きがない。

締め: Altre cose utili

以上長かったが基本動詞25個とその使い方を大雑把に紹介した。

最初に貼ってあった動画の方で使い方と発音を確かめておくと良い。
だが一々動画を見に行くのも面倒だろう。
そこでスマホで気軽に動詞の格変化を学べる便利なアプリを紹介したい。

辞書と違って的確に動詞の形を引っ張ってこれるので重宝する。
大体の動詞は入っているし、時制別に六つの格変化がそれぞれ載っている。
文字の部分を押せばしっかりと発音も聞けるのでオススメだ。
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参考Studiare(studyの変化)


(現在形)




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