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【競馬ゲーム感想記事④】ダビつく5


最初に

 競馬歴20年、寝ても覚めても競馬の事ばかり考えている人間による競馬ゲームの感想記事となります。
 つまり、競馬初心者やちょっと競馬見ているだけの人間がやった時に分かりにくい内容がある・・・という点については問題点としないものとして扱います。(ゲームの内容そのものが分かりにくいといった場合は問題点として扱う)

ゲーム概要

ジャンル:競馬シミュレーションゲーム
発売日:2006年1月19日(木)
対応機種:PlayStation®2
開発元:ランドホー
販売元:SEGA
中古価格:2500円ぐらい

馬が走ることによって、それに関わる人間が何らかの感情を持つのが競馬。その関わり方は人によってさまざまで、ファンとして関わる、馬主として関わる、馬を育てる人として、ジョッキーとして関わる、お金を賭ける対象として関わる。

……そういういろんな関わり方を、できる限り多くシミュレーションゲームの中に盛り込んでるのが 『ダビつく4』 なんですよ。

SEGA VOICEより

ここまで2作目までドリームキャストで、PS2で3,4,5作目を出している(3のみGC版もあり)。
SEGAのサッカーチーム経営シュミレーション「プロサッカークラブをつくろう!」のシリーズスタッフが制作。
内容としては2000万と1頭の初期繁殖牝馬を渡されて、生産育成を行うという典型的なダビスタフォロワー作品。
ダビつく初代は2000年発売と多くの競馬ゲームが作られてきた中では最後の方に生まれたシリーズである。

プレイ内容について

5自体は2年前に買って30時間程度のプレイだとは思う。
ただし、3はおそらく500時間以上はプレイしている。
最強馬育成とかは興味ないしそもそもイベントもあまり起こせてないため、その辺はあしからず。

評価点

・レース中の脚質の指示が細かくできる

これが他の競馬ゲームと異なる大きな評価ポイント。
通常の競馬ゲームなら逃げ先行差し追い込みマークぐらいしか指示ができないが今作ではこれに加えて道中の位置取り(先行の中でも逃げ馬の後ろにつけろだったり気持ち抑えめに等)、コーナーでの仕掛け位置、直線の仕掛けタイミング、直線でのライン取りの指示ができる。
また、内が荒れてるか外が荒れてるかという要素もあるため、道中外を回すかといった駆け引きも生まれることになる。

・ホースパークシステムにより自分独自の牧場が作れる

ホースパークシステムというのは30×30といったような広さの土地に様々な施設(施設の大きさはさまざま)を建てていくものである。
当然施設を建てることにより様々な施設効果が付与されることとなる。
しかしながら、この施設は土地を全て広げても全部建てることができないため、取捨選択が大事となってくる。
なおかつ、施設の形ははめやすい(奇妙な形をしていない)から入れやすいものもあれば、7×2の逍遥馬道のような非常に入れにくいものもあったりとパズルゲームのような要素も持っており、どうやって効率的に入れるかどうかを考えるのも楽しい。

・とてもよくできている音声実況

ダビつくには3(2003年発売)から音声実況が追加されているのだがそれが非常によくできている。
これまでの音声実況というのは道中の音声こそあるものの馬名は馬番で読まれる(ドリームクラシックはCPU馬は実名で呼ばれる)というものであった。
後年の音声実況にしても前回挙げたダビスタなんかは2019年(携帯機でずっと作品を出していたという事情はあったが)になってようやくなので遅すぎる。ウイポは7(2010)から音声実況が導入されたがそもそも新作の10ですら自分の馬のアクセントはちょっと読みにくい名前になるとまともに読み上げてくれないというとんでもない不具合がある。
しかしながら、今作の音声実況はCPU馬は勿論自分の馬もアクセントをちょこっと変えるだけで全く違和感のない実況を行う。
なおかつ、実況の声はラジオNIKKEIの山本直也アナなので当然声にも文句はない。
2003年に作られたシステムではあるが歴代の競馬ゲームでも実況音声システムについてはNo.1といってもいいレベルである。

・レースバランス

プレイヤー同士だとどうなのかまではわからないが一人で楽しむ分には大きな脚質による優劣は無いように感じた。(追い込みだけは多少きついが)
なおかつ、このゲームはなぜかCPUの強力な馬も凡走するのがままあるため競馬ゲームには必須である乱数要素も申し分ない。

・充実したプレイヤー記録

メモリアルホールというプレイヤーの記録及び勝利した重賞の記録、電動ルームが見れると言った競馬ゲームには必須といってもいい施設があるのだが、ここで見れる記録は多岐にわたる。
牧場の年表、馬券成績や基本成績、育成の成績、重賞の制覇一覧、殿堂馬一覧は普通の要素であるが、その他にも各競馬場ごとの成績や持ち馬の獲得賞金やクラフィケーション(今でいうレーティング)だったり所有馬の最多記録だったりといったような面白い記録が見られる。
更におもしろ記録としてはこのようなものが見られる。

・調教師への指示が細かくできる

おまかせで任せるにしても調教だけ任せるといったこともできる。なおかつ調教もコース中心で選べたり得意を伸ばすだったり苦手を無くすと言った調教をおまかせで指示することも可能。自分でやるにしても併せの際に馬なり・長め・強め・一杯の他に単走2頭併せ3頭併せだったりと結構指示の内容が豊富にある。

・新人騎手の育成要素がある

このシリーズには何年か経過すると新人騎手4人が登場する。この新人騎手には減量の要素もあり、最初は減量目当てで乗せていく事となる。経験を重ねていく事でパラメータが成長していき、徐々に信頼できる騎手になっていく。この育成要素というのもまあまあ楽しく新人騎手を気楽に乗せたら重賞勝った時なんかは嬉しい。

・スタートで落馬する

お前は何言ってんだと思うかもしれないが実際の競馬では月1ぐらいで起きている事象が競馬ゲームでは起きないのが大半ではあるが、このゲームでは実装されている。こういう細かいものを再現するのは競馬ファンにとっては嬉しいものである。

・イベントが多い

ライバル牧場が作られて成長及び没落していく姿が描かれたり、新人が現れたり、クイズで賞金を貰えたり、謎のメンコを貰えたり、普通に庭先取引があったりと多岐にわたる。

問題点

・夏場に準OP戦が極端に少ない

4歳の夏にOP馬が準OPに降級するというのに夏(7月と8月の合間にこの季節がある)、8月に行われる準OPは新潟で3鞍、小倉で1鞍のみである。
しかも新潟が1000、1600、2000(すべて芝)、小倉が芝1200と見事にダート馬が走る居場所がない。
他場にはありあまる500万下、1000万下のレースがあるのだから少しは割り振れなかったのだろうか。

・持てる競走馬の頭数が少ない

持てる頭数は初期厩舎5頭×4+追加の新人厩舎2頭のみである。
牝馬の扱いに長けている厩舎に入れたくても5頭しか入れられないというのはなかなか窮屈である。
また、繁殖も日本6頭、米国欧州で2頭持てるため毎年馬を入れていたら3年でパンクしてしまう。

・ホースパーク全拡張が非常に難しい

ホースパークの面積は徐々に広げることが出来るがその条件が厳しい。
まずライバル牧場のノゾミ牧場が潰れるところまでもっていかないといけないがそもそもそこまで行ったことがない。
そのため、後は攻略サイトの情報で話します。
まず没落のきっかけはプレイヤーのダービー制覇。
ここまでは問題なく行けるのだがこの後が問題。
全G1制覇しないと牧場が潰せない上にそこから更に全重賞制覇しないと土地を買えないらしいのだ。
流石にそこまでやるのは相当骨が折れる。

・一部名馬が直線で短縮馬名で呼ばれてしまう

例を挙げるとメジロドーベルがドーベル!とだけ略されて直線は呼ばれてしまう。この略称で呼ぶ際音声が途切れるような感じになってしまうので違和感が凄い。

・パドックでBGMがなくなってしまった。

3では緊迫したパドックBGMがあったがそれがなくなり、無音の中井崎の解説が喋られるだけとなってしまった。

・自家製種牡馬を作る条件が厳しい

G1を4勝させなければならないのは流石にきつい。
星岡厩舎なら能力値さえあればいけるらしいが自分は3から一度も種牡馬入りをさせられたことがない。

・新人のスランプ解消がめんどくさい

新人騎手は連敗数が重なるとスランプとなりアビリティの発動なし+成長もなしといったことが起こるのだがこの解消がめんどくさい。
勝利する、特別レースを勝つなら安いもんだが重賞を勝たないと解消しないとなるのはなかなかめんどくさい。アビリティのない騎手に重賞を乗せようとは思わないため解消するには時間経過による自然治癒を待つしかなくなる。

総評

おすすめ度 95点
ダビスタの一つの完成形といってもいいゲーム。
イベントも豊富で番組表も地方海外と揃っているため(準OP問題以外は)申し分ない。
レース面での演出もしっかり行っており、開発者からの競馬への熱い思いが感じられる。
ほんと6出してくれねえかなあ・・・



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