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【競馬ゲーム感想記事①】Winning Post10 2024
最初に
競馬歴20年、寝ても覚めても競馬の事ばかり考えている人間による競馬ゲームの感想記事となります。
つまり、競馬初心者やちょっと競馬見ているだけの人間がやった時に分かりにくい内容がある・・・という点については問題点としないものとして扱います。(ゲームの内容そのものが分かりにくいといった場合は問題点として扱う)
ゲーム概要
ジャンル:競馬シミュレーションゲーム
発売日:2024年3月28日(木)
対応機種:PlayStation®5 / PlayStation®4 / Nintendo Switch™ / Windows®
「ウイニングポスト」シリーズは、プレイヤーがオーナーブリーダー(馬主兼生産者)となり、競馬世界に生きる馬や人々とのドラマを体験する“本格派競馬シミュレーションゲーム”だ。
PS5とPS4に登場の『Winning Post 10 2024』では、美しきサラブレッドたちによる大迫力のレースシーンや、超満員のスタンドに鳴り響く大歓声をよりリアルに表現し、競馬ファンを興奮の渦に巻き込んできた空前の競馬ブームをより熱く感じることができる。また、名馬の軌跡を多彩なイベントで辿る“競馬ヒストリア”では、楽しく日本競馬史を追体験可能に。
さらに、2024年から始まるダート3冠や、能力エディットの追加など、ファン待望の要素も充実し、ウイポシリーズ史上最高の熱気で、かつてない競馬体験を楽しめる。
令和の据え置き競馬ゲームでは唯一生きているといっても過言ではないシリーズである。
何しろ、対抗馬であり昔はNo.1だったダビスタは21世紀以降(レースシーンが3Dになってから)クソゲー連発でプレイヤーから呆れられ、スマホゲーであるダビマスのみが生き残っている状態なのだからこうなるのも仕方ない。(スイッチ版はアプデした後は悪くはなかったのだが)
という事で、現代の競馬ゲームをやりたいプレイヤーが10無印またはこの作品をプレイしているであろうが間違いなく今一番自分がやっている競馬ゲームであるため、一発目はこの作品の感想から述べていく事にします。
自分のこのシリーズに対する想い出
自分語りとなりますが、このシリーズはまあ歴史もあるので過去作との比較というのも必要になるため、シリーズプレイ歴を軽くお話しします。
まず、このシリーズに触れたのは7の2012年、アルフレードが朝日杯勝った翌年。
確かネット競馬の広告かなんかでこのシリーズの事を知ったはず。
当時自分は中学生だったため、アルフレードやローブティサージュがもうゲームになって出て来る!?(ダビスタは数年前の引退した馬しか出てこないため)と驚いたのを覚えております。
当時、PCもPS3も持っていなかったため、PSPを使って遊んでおりました。難易度ノーマルでプレイしてネオユニヴァースの年に3冠勝ったのとウィンザーノットでひたすら大逃げしていた記憶しか残っていないが。
その後8の無印がPCで出てそれを購入。当時の時点で3年ぐらい型落ちノーパソを使っており、その結果最低ラインまで落としてギリギリまともに動くといったありさまではあったが、PCが壊れるまでの5年間相当な時間プレイしたように思えた。
巷では有料未完成品と言われていた8無印ではあったが、自分としては自業自得であるパソコンのスペックが足りてないことに起因するグラフィックの物足りなさ以外は問題が無かったように思えた。
そして次は当然9へ・・・となるはずだがPVを見て愕然とした。
馬の動きが明らかにおかしいのである。全ての馬がタイキブリザードかというぐらいに首が下がる走りをしていたからだ。
9はシリーズ全部見送ることになった。(その間は7の2013版をPS3でだらだらプレイしていた。)
10に関しては馬の動きがよくなっていて、これなら問題なしとなって、購入を決意。
しかしながら、10無印は翌年にダート3冠が控えており、競馬カレンダーがガラッと変わってしまうし、どうせ無印は有料未完成品だろうなと思って、1年待って2024版を購入しようという事になった(結果的にこの判断のおかげで今年はスムーズにどの地方交流がこの時期にあるかと思い出せるようになったため正解だったと思う)
プレイ内容について
プレイ時間は210時間。難易度は一番上のUltimate。
1973年からスタートして2026年までプレイしている状態。
自分が知らない実在馬は所有しても良いという緩い縛りを化してプレイすることとした。
評価点
・ゲーム内の演出、グラフィック
グラフィック面に関しては文句なし。馬のモーションについても違和感がない。演出面についても今作から追加されたジョッキーカメラ、及び無印からあるダイナミックカメラもレースシーンでの迫力の強化に一役買っている。
・ゲームテンポの速さ
ロード時間が短いため、かなりのテンポでさくさく進める。長時間プレイするゲームなのでこの要素は間違いなく大事である。
ダイジェストでダメだと思ったら即座に飛ばせるようになったのも地味にありがたい。
・所有頭数について
これまでのシリーズの問題点の一つでもあった馬の所有数がかなり緩和されている。世代に日本、欧州、アメリカに各10頭というのに不満はない。これ以上増やしても微妙な馬が増えていくだけで使い分けも大変になっていくため、これぐらいの頭数で今後も進めていくのであろう。繁殖も日本20頭というぐらいで問題ない。
・競走馬のパラメータについて
ウイポは下限距離は多少違ってても何とかなるが上限距離は100mでも伸びるとピタッと止まってしまうという仕様がある。これにより3冠レベルの馬が産まれても距離がダメなら即終了となっていたが、この点が史実調教により改善されたことになった。
史実調教により今までのシリーズでは上限距離が設定された値以上に伸ばすというのは難しく精々言っても100m伸びる程度であったが、2歳時からその点を改善したり、当週調教で100mぐらいならその週限りで100mは伸ばせるようになったため、馬のローテ選択肢が増えるようになっていったのが評価点。
また、サブパラ及びスピード、適性距離が可視化されることにより、馬に合ったローテが最初から組めるようになるのはありがたい。
ダビスタのように手探りでやっていくのもいいが、見えるようにするならいっそのことこうやってがっつり見せていくのはありである。
・海外でのローテの多様性
これは昔からかなり充実していたが8から更に進化していて驚いた。
何しろ、ドイツの聞いたこともないG2だったり謎のオーストラリアG3(これはG1の前哨戦のような形で置いたのだろうが)があるなどオーストラリアや香港がG1しかないという点が改善され滅茶苦茶海外馬のローテに幅が
持たせられるようになった。
これにより海外に馬を入厩させて馬場適性が合わないとなっても現地のG3を勝てるようにさえなれば海外遠征をおこなう事で適性に合ったローテを組むことが出来るようになる。
・G1を勝てるような強い馬は比較的簡単に作りやすくなった点
過去作だと爆発力(馬の絶対能力であるスピードの強化)の必要な配合は最初から計画性をもってガチガチに血統を組まない場合ゲーム内にてかなりの年月をかけないと稼ぎにくい。現実ならともかく自分は競馬ゲームに関してはある程度脳死でプレイしてまあまあG1を勝てるようになるぐらいで丁度いいと思っているプレイヤーなのでプレイして10年ぐらいでまあまあG1で勝負になる馬が産まれてくれる点は凄い満足している。8はほんとに適当にやってたとはいえ架空馬オンリーでやってた際、G1を勝つまで30年かかってしまって途中のプレイがおざなりになっていた節があるのでこういった点が解消されたのは良い事だと思う。
ただし、このG1馬を容易に作りやすくなる環境は後述の問題点も発生することになった。
問題点
・低難易度化
難易度Ultimateだろうが過去作の難易度より遥かに簡単になっていると感じた。初期繁殖からでもG1馬が出て来るようなレベル。
その上史実馬は多少ゲームのシステム上現実より強くなってしまう場合があるが10になってから更に悪化したように思える。
具体例を挙げるとイーグルシャトーという馬。現役時代はスプリント重賞2着が2回あるのみではっきりいって微妙な馬なのだがこのゲームだと成長しきると相当手がつかない存在になる。具体的にはオグリキャップが出て来るマイルCS以外はその年の日本の短距離G1(ダート含む)で無双できてしまうのだ。
90年代以降はほとんど史実馬を使わなかった(要は知ってた)がそれ以外にもホッコータルマエが毎レース10馬身はぶっちぎる化け物になっていたりしていた(ぼこぼこにされていた馬は後にサウジカップやBCクラシック等を勝つ化け物)のであれもプレイヤーが介入すれば毎年BCクラシックなどを勝つ化け物になっていたことであろう。
・前哨戦のG2に登録する馬が多すぎて出走枠に入れない問題
ウイニングポストの世界には使いわけもなくぶっつけ本番という概念が史実馬以外には存在していない。
これがどういう事を表すかというと賞金持ちがばんばん前哨戦に出てきてそいつらが出走枠を取る→当然G1でも賞金持ちが出てきて重賞複数勝ってようが出走が難しくなる・・・といった感じ
重賞に出るにも最低限OPを一つ勝たなければいけない それだけならまだいいのだが京都大賞典やオールカマーなんかは秋のG1の叩きにどいつもこいつも登録してくるため重賞勝ちがある馬でも余裕で除外されてしまう 現実ではフルゲートになったことすらもう何年もないというのにだ
古馬G1に関しては出走はきついにはきついがまあG1相応の馬を出さないといけないという点ではおかしくないダート3冠もなかなか前哨戦及び本番に出しにくいがこれはそもそもの制度に問題がある
・種牡馬や幼駒を見ている際に決定ボタン2回押すだけで売却になる
種牡馬や幼駒を見ている際に決定ボタンを2回押すと売却してしまうという点。幼駒は買い戻すにしても成長ゲージが無くなるし種牡馬に至っては買い戻し不可能。オートセーブがなかったら3時間のプレイがパーになる所だったので改善してほしい。
・最強クラスの馬を止める手段がない
前述のホッコータルマエ等の歴代の名馬を止める手段が本当に存在しない。
2週前から乱数いじくって探せば可能なのだろうがそうするとテンポが著しく悪くなっていく。かといって当週からだと止める手段が本当に存在しない。
何しろ、どんなに前壁をやろうと結果を捻じ曲げまいとする謎の力によって上り1F8秒みたいな末脚で突っ込んでくるわ、過去作だと大逃げを行う事で差し馬に抗う事が出来たがそれすらできず、結果として相手に勝たれその上成長していき、さらに手がつかなくなる・・・といった負のスパイラルができる。
競馬というのはどんなに強い馬だろうと展開次第でいくらでも抗えるのが魅力の一つであるのだがそれを潰してしまっているのだ。
NPCがアホ
一線級の馬は賞金を持っているので選び放題なのだが前述のとおり重賞はかなり賞金ボーダーが高く、OPを1つか2つ勝ってから重賞へ行く・・・というのが通常の流れとなるのだがNPCはそのあたりを一切考慮せずOP未勝利馬を重賞へ登録して除外されて結果1年以上開く・・・なんていうのはざら。
クラブ馬がOPに行った際は一切放置できず、賞金を稼ぐまではひたすらこっちでOP戦に登録してやらなければならないというのがめんどくさい。
他の馬にしてもウシュバテソーロなんかがOPに出させてもらえずG1路線に出てきたのは7歳の既に全盛期が過ぎてから。この辺りは自分の馬ではないとはいえ萎えるので次から改善してもらいたいところ。
また、所有馬で騎手被りや新馬で騎手をNPCで選ばせた際にとんでもない騎手を選んでくる事がたまにある。今やってる2026年で言うととにかく高田潤が想定騎手として入ってくるのだ。それを直していくのがめんどくさい。
普通にリーディング上位から選んでくれよと思わざるを得ない。
・最優秀生産者を取るのが年を重ねるにつれて絶望的
これは要は現実(ノーザンファーム)のせいである。
ノーザンが持っている史実馬が多すぎる上に強いせいで年180億も稼がれてしまうため、プレイヤーが作れる頭数(年20頭)では当然限界がある。
一度だけ最優秀生産者を1990年代に取れたのでノーザンファームが本格始動する1999年ぐらいまでに取れないと最優秀生産者は二度と取れないと思ったほうがいい。社台ファームこそいるもののこっちは80億程度しか稼がないのでぎりぎりなんとかなる。
総評
おすすめ度 80点
過去作の競馬を微妙に浅いところで舐めていると思った点は大分解消されている。やる事そのものは多いが、競馬の事をしっかりと理解していればそのあたりはすんなりと入ってくるであろう。
従来通り、時間泥棒であるのは変わらないが、かなりさくさく進めるため長時間のプレイが苦にならないのは評価点。
しかしながら、とんでもなく強い馬がいるとその路線のG1はほぼ諦めがついてしまい、最強クラスの馬がそろう2013年度あたりは大変つまらない思いをしながらプレイしていたため、ムラッ気のある馬が上振れた際にとてつもない力を発揮するなどの調整を施してほしかったところ。
ただ、現行で唯一生き残っている競馬ゲームという事もあるにせよ1万で買っても損はしない。そう感じさせたゲームであった。