文化的ラーメン
家系ラーメンをひとりで食べた。その後、いつも、あのラーメン通りを歩く時は、ものすごく恥ずかしくなってしまう。突然、文化から弾き出された感じがしてしまう。必死にラーメンを啜ることが、あたしをカルチャーからものすごく遠ざけてしまう感じがする。このことを思いついてから、脳の底でラーメンをブルーカラーっぽいと思っている自分に気付いて酷く落ち込んだ。
だけど、だから、ひとりでラーメンを食べたあとは、何かを取り戻すかのように、本屋に行く。本屋に行って本を買うだけで、零れ落ちたカルチャーをまた取り返せた気になってしまう。浅ましいね。あなたたちみたいな、身に染みたカルチャーは、何を食べても何をしても外に溶け出さないだろうから、羨ましい。あたしの、とってつけたカルチャーは、麺の硬さとスープの濃さと油の量を選んだら、すぐにいなくなってしまう。
それでも、あたしはラーメンも食べたいし、カルチャー面も提げていたい。強欲!