崖っぷち

アイデアは、思い切って簡単化し、崖っぷちの手前で止まる

カーネギーメロン大学ロボット研究所の金出武雄さんの著書。「独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則」をじっくり読んでいる。

創造は省略から始まる

将棋の名人である羽生善治さんと対談した時、彼は「創造は省略である」と言った。「1つの局面でだいたい一。100通りくらいの指し手の可能性があるのですが、その局面で二、三通りの手を直感によって選ぶんです。残り90パーセント以上は読まないで捨ててしまうわけです。思考を省略するわけです。そこからまた手が増えますよね。三つあった手に対して、また三つの候補手があれば、それでかっそれカ策に分かれていくから、300手、400手と読むことになります。どこで打ち切るかは人間の力じゃ分からないので、ある程度のところで省略しを決めていくということですね」

『簡単に、単純に考える』PHP研究所

思い切って簡単化

思い切って簡単化できるかどうか。これがよくできる人とできない人の差であると金出武雄さんは言う。

・よくできる人:簡単化・簡略化に踏み込める
・できない人は:こんなに単純化してしまって、いいんだろうか」と怖気づいて踏み出せない。

トリヴィアル(自明)の崖

理論はシンプルで抽象化した問題に対して立てるほど価値があるという話がある。

しかし、シンプルな方向に向かっていくと、その先にトリヴィアル(自明)の崖がある。つまり、そこから先にいくと自明の谷に落ちてしまって、そんなものは当たり前、理論ではないという状態に達する。

崖っぷちの手前

このトリヴィアル(自明)の崖っぷちの手前に止まる。

つまり元の問題の本質を最も昇華した形で残し、最もわかりやすい形に仕上げたものが、最もすばらしい理論であり説明なのである。

見通しをもつ

思考の過程を省略し、最も適切に単純化するためには、「見通し」をもつ。
「見通し」を使うことで、ものが見えてくる。

「羽生さんの言う、指す時の「美しい形」というのは、まさしく見通す力である。

アイデアとは?

金出武雄さんは、科学も工学も芸術だと考えている。

現実世界の現象や事象には一見、構造などはないように思える。しかし、ないいと思われるところに構造を見つけ出す。それが、アイデアなのである。

金出武雄著「独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則」

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Photo by Leio McLaren (@leiomclaren) on Unsplash

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