組織とボタン- 会議は続く
「会議は続く」から考える意思決定の課題
毎年行われる「ボタンを押すべきか」の会議。リスクや利益について議論するものの、結論は出ず、先送りが続く。この物語は、組織における意思決定プロセスの停滞を象徴している。
組織論では、これは「合意形成型文化」の弊害といえる。日本を含む多くの企業では、リスク回避と全員の合意を重視するあまり、結論が出せない状況が生じる。このようなプロセスは短期的には安全だが、長期的には変革を阻害するリスクを伴う。
行動経済学的に見ると、これは意思決定の遅延の問題だ。選択肢が多すぎると、人はどの選択肢が最適か判断できなくなり、最終的に「何もしない」を選ぶ傾向がある。この状況は、ボタンを押すリスクよりも、先延ばしのリスクが無視される典型例だ。
社会心理学の視点からは、「集団思考」の影響が見える。会議の場では「押すべき」という意見が出にくく、リスクを伴う発言が抑制されるため、結論が出ないまま時間が浪費される。
問いかけたいのは、「意思決定の本質は何か」ということだ。完璧な結論を求めすぎることが、行動を抑制していないだろうか。あなたがこの会議に参加していたら、どう議論をまとめるだろうか?時にリスクを受け入れる決断の重要性を考える必要がある。
組織とボタン - PROLOGUE
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