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組織とボタン- 毎日押す組織
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「毎日押す組織」から考える規範の転換と行動の慣性
新入社員が「押すな」を無視して毎朝ボタンを押し続ける。次第に社員全員が日課としてボタンを押すようになり、土日まで出社するようになった結果、業績が爆上がりする。この物語は、規範が変化し、それが組織の行動や成果にどう影響を与えるかを考える題材となる。
組織論的には、この物語は「行動の規範化」について示唆を与える。最初は禁忌とされていた行動が、日常のルーティンに変わることで、組織全体に新しい行動様式が生まれる。組織は、一人の行動がきっかけで大きな変化を遂げる可能性を秘めており、それが文化として定着した場合、思わぬ成果を上げることもある。
行動経済学では、これは習慣化の力を描いている。繰り返される行動が新しい標準となり、最初は無視されたルールが逆に新しいルールへと置き換わる。個々の社員がボタンを押す行動に慣れることで、結果として生産性向上につながった例だ。
社会心理学的には、「規範転換」の一例として見ることができる。最初はリスクある行動が、時間の経過とともに新たな社会的規範となり、結果的に集団全体がその規範に従うようになる。これにより、組織内の価値観や行動が再定義される。
皆さんに問いたいのは、「行動の規範化が成果にどう影響するか」という点だ。一人の新入社員がきっかけとなり、ボタンを押す行動が組織全体の慣習に変わった。この慣習がもたらす成果はポジティブなものだったが、その背景には休みの喪失や個々の疲弊といったリスクも含まれる。あなたがこの組織の管理職なら、このような変化をどう受け止め、どのように調整するかを考えてほしい。
組織とボタン - PROLOGUE
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