マガジンのカバー画像

いろめがね(仮)

4
小説と呼んで良いものなのか、わからないもの
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

無題3

部屋はすっかり真っ黒になっていた。
部屋の圧迫感がさらに強くなった。
私は圧迫感から逃れるためにスマホの電源を入れた。漠然とした不安を検索ワードに打ち込み、インターネットの海に出かけた。不安の根本的な原因は分からないので同じ場所をぐるぐる回った。
真っ直ぐ泳いでいるつもりでも、気づいたら蛇行していたり、同じ場所に戻ってきてしまう。

無題-2

私は保育園に通っていた。
山から近く、園庭の真ん中にイチョウの木がそびえる自然豊かな保育園だった。
当時の記憶はほぼ思い出せないが、いくつか心に刻み込まれた記憶はある。

その園では給食がある。農業が盛んな地域性か、白米は各自持参して来ることになっていた。給食ではおかずのみを提供してくれるのだ。
しかし当時の不思議なルールとして、時間内に完食できなかった時、完食できるまでいつまでもテーブルに座らさ

もっとみる