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僕はなぜ一生外国語を学ぶのか

言語学習の楽しさに気付き始めた
かも、しれない。

初めてのスペイン語

2023年の途中から、ラジオの『まいにちスペイン語』で勉強を始めた。旅の中でスペイン語圏の国で少しでも話せたらいいな、聞き取れたらいいなという思いで始めた勉強も、気付いたら半年以上経っていた。

英語以外の言語を学んだことがある人はどれくらいいるのだろうか?日本では当たり前のように中学生になると(今は小学校でも導入されているところがあるのかもしれないが)『英語』が学校のカリキュラムに含まれていた。

ここで、自分の英語学習体験を振り返ってほしい。何のために、何を動機に、何をモチベーションに英語を学んでいたのか。おそらくほとんどの人が、受験のために英語を学んでいたと思うし、試験に追われるように単語帳をこなし、点数と闘ってきたのではないかと思う。

自分もまた同じように、『英語』は試験科目でしかなかったし、話せるようになりたいという気持ちはあったものの、いつかは会話したいなという程度のぼんやりとした願望でしかなかった。

英語に非ずんば外国語に非ず、なのか。

大学では第2外国語が必修ではなかったので、”新しい言語を学ぶ”という体験がとても新鮮で、色々な気付きがあった。スペイン語は、「初めて能動的に学ぶことを決めた言語」といえるかもしれない。

英語とスペイン語は語順に近しいところがあるし、知覚動詞+不定詞のように文法表現にも似通った部分もある。しかし、動詞の活用種類が豊富だったり、再帰動詞があったり、すんなりと受け入れられない感覚も少なくない。gustarという「〜が好きです。」という表現も特徴的だ。

Me gusta Espana.
意味は、スペインが好きだ。
直訳は、スペインが私に好かれている。
なぜこうなるかは、謎だ。

ヨーロッパ言語は、ゲルマン系ラテン系スラブ系の3つに分類されている。英語、ドイツ語、オランダ語などはゲルマン系言語に分類され、フランス語、スペイン語、イタリア語はラテン系言語に分類される。ロシア語やウクライナ語などがスラブ系言語にあたる。そもそも英語とスペイン語は似ているようで語族的には異なっていることになる。ちなみに、日本語は、「不詳」もしくは「日本語族」らしい。日本語ってやっぱり特殊なんだね。

言語≒文化

言語を学ぶことは、その土地の文化を学ぶことでもあると思う。スペイン語はラテン系、喋っている人の勢いが違う。アツさを感じる。non-verbalも言語だという見方をすれば、話している時の身振り手振りが日本人のそれとは全く違う。

chatGPTが台頭して、会話しながらリアルタイムで翻訳してくれて、返答も勝手に翻訳して喋ってくれる器械が出来るのも時間の問題だろう。しかし、やっぱり相手を理解するためには実際に自分で喋って、なんとか伝えようとする、ナマの会話が必要だと思う。

오빠はoppaなのかbig brotherなのか

この本の中に例として挙げられていた。PSYのGANGNAM STYLEで、「オッパ・カンナムスタイル」という歌詞がある。韓国語で오빠(オッパ)は女性から見た親しい年上の男性、형(ヒョン)は男性から見た親しい年上の男性。このoppaの部分を英語でbig brotherと訳してしまうと、本当に韓国語で伝えたかったoppaのニュアンスが伝わらなくなってしまう。

言語を学び、現地の言葉でコミュニケーションをとることの醍醐味は、こういう些細なニュアンスを感じ取るところにあるんではないかと思った。そして、K-POPブームのおかげでoppaは英語でも市民権を得たようだ。

言語学習に終わりはない

日本人だけれども、日本語学習には終わりがない。とすれば、当たり前だけれど外国語学習に終わりはない。毎日コツコツ積み重ねること、多読をすること、語彙を出来る限り沢山覚えること、この本の中でも言語学習の王道が示されていた。

ぜひ、みなさんにもこれを機に、新しい言語を学び始めて欲しいと思う。試験に追われずに趣味のように楽しんで欲しい。始めたら、「思ったより面白いじゃん!」ってなるに違いない。もちろん、旅行を決めてモチベーションを維持するのもいいし、音楽をきっかけにしてもいい。学習方法に決まりなどないし、気楽に始めたらいいんじゃないかな。


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