ある協力にまつわる幾つかの思い出話
気圧と共に少し重くなっていたkeyを押し込む。
珍しく依頼を受けたので、是非とも!と思い書かせて頂く事にした。
このコロナ禍で、多くのエンターテイメント業界が打撃を受けている中、ご多分に漏れず、自分が出演していたライブハウスもクラウドファンディング等を始め、長期戦の様相を呈している。
memento森だけに止まらず、多種多様な形で世話になり、更には酒癖の悪い自分を、いつも動物界最強の母性で受け入れてくれる
神戸Event-hall RAT
https://camp-fire.jp/projects/view/293884
こちらでは支援用グッズのデザイン協力をさせてもらっている。
STILL ROAR FROM KOBE
まだ神戸から轟音が鳴り響いてる。
まだ、まだここからやぞ。という思いを込めてこの言葉を充てさせてもらった。
見た事のあるネズミが傘をギターに持ち替えて。
雨曝しなら濡れるがいいさ。
しかし、向かい続ける事は、ぶっ刺し続ける事は止めてはいけない。
自分が生まれて初めてライブをしたのがRATの前店舗(場所が同じというだけで経営元や作りも全然違うが)という事もあり、元来思い入れの強い場所だった。
しかし、出演させてもらう度にRATとしての良さを感じ、今ではRAT"が"大事な場所になっている。
西日本一寝やすいコンクリートの床だと思う。
今回のnoteは次に紹介する案件の為、RATの文面が短くなってしまっているが、その分、喋り倒させてもらったツイキャスのアーカイブがあるので、RATに関してはこちらを是非ご覧頂きたい。
そして今回依頼を頂いたのは、バンドらしくコンピレーションを絡ませた企画にも参加させてもらっている
ヒカリノミナモト(支援先は大阪福島LIVE SQUARE 2nd LINE)
https://hikarinominamotoshop.stores.jp/
企画自体非常に面白く、Tシャツもしくはトートバッグを購入するとダウンロード形式のコンピレーション音源がゲットできるというもの。
そもそも、このヒカリノミナモトとはイベント名で、
神戸VARIT.や件のライブハウス大阪福島2nd LINE、果ては大阪BIGCATまで、多種多様な場所で開催されてきた。
ようは、このイベントの首謀者(酒暴者)『高垣PxOxN紀宏』という人間が率いる移動型サーカスのような音楽イベントだと思ってもらえればいい。
この高垣PxOxN紀宏(以降 ガキさん)とは付き合いが長く、それこそヒカリノミナモトにはmemento森、ALL ITEM 10 TIMESのみならず特別編性のユニットやDELICATE SPORTSでも出演させてもらった。
ガキさんと夜を共にしたことも多く(断じて卑猥な意味ではない)、3.11後の東北に支援に行くつもりが、逆にハチャメチャにもてなされて帰って来てしまったり、飲みに行ってバイバイしたかと思ったその後、財布をチェーンごとイかれてたり...
当然イベントでもお世話になる事が多く、以前のアーカイブシリーズにも記載したが、memento森が6人編成を解体する際、ラストライブの大阪編として出演させてもらったのが、ヒカリノミナモトなのである。
関係者の間ではちょっとした伝説として語り継がれているが、酒狂者達が集まったこの日、ライブハウスとしては異例のイベント中に生ビール樽が売切れてしまう事態に。
それでも酒を求め続けたフロアは更なる地獄の深淵と堕ちていき、初期memento森に相応しい関西ラストとなった事を記憶している。
それこそ、ALL ITEM 10 TIMESもこのヒカリノミナモトから誕生したと言っても過言では無い。
当時、楽器を持たない立ちボーカルに慣れ過ぎていた自分は、演奏中ギターを放棄してハチャメチャにフリースタイルをかますという、高校生の頃に起きたとしても赤面するであろう、"ブッカマし"を20歳越えてから披露したのもこのイベントである。
それこそ初期のこのMVも大阪福島2nd LINEのライブの日に撮影されたものである。
見た事のない人が沢山映っているけれど...高架下や音の鳴っているところには霊が集まるというがそれだろうか。
そして、BIG CATでライブをさせてもらったのも、(オオキナ)ヒカリノミナモト。
「今は小さな猫だけどいつかでっかい虎になる。」
の気持ちは今も忘れていない。
振り返れば振り返るほど数々の思い出が星のように瞬いている。
その中でも忘れられない事件が起こる。
ここで詳細を述べる事は控えるが、所謂お酒の失敗である。
そこから長きに渡りガキさんは本当にお酒を断ち、それはもう「通り過ぎて貫通ちゃいますか?」というぐらい筋を通した。
お酒を断っている期間中も、お酒は飲みたいらしく、ガハガハと騒ぐ阿呆のテンプレートのように酔払った我々の姿をノンアルコールビールで流し込んでいた。
そして、長い月日が流れようやくガキさんもお酒を飲むようになった。
自分がその事件のきっかけを作ってしまったと自責の念にかられた時期もあった。
あの日自分さえいなければと...
しかし、目の前で酩酊するガキさんを見てその考えは露と消えた。
とどめをさしておけばよかった。
人はいくら反省しても、後悔してもまたやってしまうのだ。
それが人間の美しさでもあるのだ。
生きるうえで、効率的に考えた時、
壊れかけた露天風呂から眺めた気仙沼の景色も、酒樽が売り切れるようなあんな馬鹿な夜も、けれど確かに涙を流しながらステージを見つめてくれていた眼差しも、環状線からの景色も、高架下の焼き鳥やの打ち上げも、
それこそ思い出の一つ一つも、
別に必要ない。なくたって生きていける。
けれど。
たとえ無駄でも、遠回りでも、馬鹿の一つ覚えでも、
自分にとってそれはかけがえがなく、人生において絶対に必要な無駄なのである。
誰かにとっては、別に必要のない、とるに足らないものであっても、そこを通過していった日々と人々の記憶や温度が残っている。
それは暮らしであり、それこそが人が生きるという事である。
縁起でもない事を言うが、もしライブハウスが潰れてしまったとしても、思い出まで消えて無くなるわけではない。
それは同様に「何かできたのでは...」という後悔も消えないという事なのだと思う。
思った以上にあなたのワンクリック(当然その先の支払いも含めて)はデカい。
最後に...財布とか自転車とか無くすのは本当に生きていくうえで無駄どころか避けたいY・O・N・E。
(大いに自戒を含みながら)
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各クラウドファンディングページ
神戸Event-hall RAT
https://camp-fire.jp/projects/view/293884
ヒカリノミナモト(支援先は大阪福島LIVE SQUARE 2nd LINE)
https://hikarinominamotoshop.stores.jp/