美術予備校の選び方や、ポイントなど
大手美術予備校にも通い、中小美術予備校で教えていた経験から、どういう基準で、美術予備校を選ぶべきか、という内容。画塾とか呼び方は色々あるけれど、課外で絵を描き美大受験対策ができる教室を予備校と呼ぶことにします。
こういう人向け
国公立4芸大(東京芸大、金沢美術工芸、愛知県芸、京都市芸)、武蔵美、多摩美など、難関美芸大の「一般受験」を目指している
大手美術予備校か、中小美術予備校で悩むような、立地や資金の問題を抱えている
基本の優先順位
基本は大手予備校を薦める
大事なのは「合格者実績」と「通う学生数」だから。
※講師単体の指導力は、大手と中小ではそこまで大差ない
決め方
以下の観点、優先度で決めると良い。
希望する大学専攻の合格者がここ数年安定して輩出されているか(大前提)
毎日通えるか
学生数の多い方
雰囲気
それぞれの詳しい理由
希望する大学専攻の合格者がここ数年安定して輩出されているか(大前提)
大前提。
合格者を定期的に出せるノウハウを持っている美術予備校に通ってください。
画塾、絵画教室、予備校、呼び方は色々あるが、中には趣味や教養レベルの絵画を教えることが目的の教室も沢山ある。これらは、美術の入門としてはとてもいいし、大事な存在である。
しかし、当然、難関美芸大受験のノウハウはない。早く受かりたいなら、早めにそういうところは卒業して、受験指導がメインの教室に行った方が良い。
毎日通えるか
どんなに素晴らしい予備校でも、まとまった期間毎日通えないようでは伸びるものも伸びない。
だから、一定期間、可能な限り通年で、まとめて通えることが大事だ。
ここで問題になるのは、お金と場所。
資金は難しいことだが、集めてこられればどうにかなる。親に借りるなり、奨学金でどうにかするなりして用意ができる。
しかし、立地はどうにもならない。特に高校生はね。他の家族の生活もあるし、引っ越すのは難しい。
立地の条件としては、学校、ないしは家から、片道トータル1時間半くらいまでを見よう。
大きな予備校に通うことが難しければ、うまく講習会などを使って、下宿するなりして、通おう。
この時点で、合格実績があり、毎日通える立地である予備校、そんなにないと思う。
学生数の多い方
周りの学生の絵からどれだけ学べるか
いろんな価値観の人による講評を受けられるか
最近の受験の情報を掴んでいるか
これらが、合格に直結する。その差を生むのは、学生数だ。
じつは、美術予備校講師単体で見れば、正直な話、大手と中小予備校で、講師のレベルに大した差はない。
なぜなら、実技をメインで教えるのは、「非常勤講師」であるから。
非常勤講師は、メイン志望校に通う学生アルバイトであることがほとんど。
実技の上手かった元学生に、教えさせるというのが美術予備校である。
指導力は、多少の高低はあれど、大学生の域を超えない。
指導力のある学生でも、2−3年もすれば、大学を卒業していなくなってしまう。
どこも講師自体の力量はそこまで差がない。
ではどこで指導に差が出るかというと、以下3点。
「他の生徒の絵から何を学べるか」
「いろいろな価値観の講評を受けられるか
「試験に近い観点の講評が受けられるか」
1.「他の生徒から何を学べるか」
一般的に美術予備校は、「制作→講評」という流れで授業を行う。
みんなで個人作品を制作して、締め切りが来たら、生徒の前に並べて、講評、つまり、講師が良いところ悪いところを指摘するわけだ。
ここで、以下4点を考えながら好評を受けることが大事だ。
・どういう作品だと「試験で良い点になるか」
・どういう作品は「試験で悪い点になるか」。
・上手な作品に対して、「自分なら同じ思考に至れたか」ダメなら、何故か。
・下手な作品に対して、「自分だったらどうしたか」
志望校が藝大だとして、一般的な郊外の中型予備校(総生徒数200人未満)だと、藝大を受けようなんて子は、現役、浪人合わせて10人くらいだ。
つまり、こういう予備校だと、「試験で点が取れるケース」「ダメなケース」「自分だったらどう持ち直すかという仮想のケース」が毎回10ケースずつ自分の中でストックされる。
都内の大手予備校だと、同じ専攻を受ける生徒だけで、裕に100人を超える。文字通り、桁違いの「試験で点が取れるケース」「ダメなケース」「自分だったらどう持ち直すかという仮想のケース」がストックされる。
五美大のような私立なら、首都圏の大都市でもよい。
2.「色々な価値観の講評を受けられるか」
中小予備校で指導に携わる講師は、1人〜5人ほど。生徒数の確保できない予備校だと、人件費の観点から、何人も講師を用意できない。
対して、大手は10人とか、15人。
指導力は変わらないけれど、講評時の講師の視点が倍の数ストックできる。
また、指導も偏りが生じにくい。
美大受験の指導は、講師の経験則によるところが多く、その指導の仕方も「自分が何を補完してきたか」に焦点が当たることが多い。
人間とは個人差があるものだ。
描写がなぜか初めからできる人、構成のセンスが初めからある人、それぞれできることできないことが、まずある。
美大に受かる過程では、個人個人足りない点を補完して、合格レベルまで能力を上げていくわけだが、足りない点は人によって違う。
すると、講師が1人しかいないというのはリスクが高い。
3.「試験に近い観点の講評が受けられるか」
美大の試験はすぐに傾向が変わる。
こんな中、1-3年前に受験を終えた生徒は、貴重な情報源である。
美大の試験はすぐに傾向が変わる。
また、文面は変わらないが運用で対応が変わることも多いのが、美大の試験の特徴でもある
その上で、美大は試験情報を公にしないことも多い。
すると、10年前の常識が全く通じなかったりする。どんなに調べてもぶっちゃけ、試験で生の情報を得ている受験生が1番、試験について詳しい。
10年と聞くと長いように感じるかもしれないが、18,19で試験を受けたとして、10年後は28,29歳。
基礎的なところや心構えを教えたり、予備校の雰囲気やカリキュラムは作れても、合否の要になるような最後の詰めは、ベテラン講師には難しい。
だから、学生数の多い大手予備校は強い。
中小予備校に通うしかないのなら、この「学生数」でのデメリットを意識して、自発的に作品例を集め、季節講習など、長期休みの時期に、大手予備校への遠征を考えよう。
雰囲気
いくら学生数が多くとも、予備校の雰囲気が悪いのは最悪だ。
とはいえ、ちゃんと実績のある予備校は、雰囲気づくりにも苦心している。
雰囲気で見るべきは以下6点。
・講師が良い人であること(前提)
・課題は、定時に始めて、定時にしっかり終わらせること
・制作物は必ず講評するという雰囲気ができていること
・制作中の私語がないこと
・欠席率・遅刻率が少ないこと
・なるべくなら、生徒間の仲が良いこと
つまり、制作中とそれ以外で、オンオフがしっかりしている予備校は、良い予備校だと思う。
生徒間の仲の良さに関しては、人によっては不要と考える人も多い。
しかし、やっぱり毎日通うのに仲間がいないのは辛いし、なんだかんだ長く付き合いが続くこともある。
制作中に仲間意識でルーズになってしまうのはいけない。しかし、余暇の時間に友達を作ることすらできない雰囲気の予備校は、それはそれで問題である。
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