【ボカロで学ぶ】ドラムってどんな音? ~シンバル編~
ドラムの音解説シリーズ、第4弾!続きました!
前回まででドラムの中でも重要な"3点セット"の解説が終わりました。どんな音だったっけ?という人はぜひ上のリンクから読み直してみてください。
さて、今回お話するのはシンバル。さっそくいきましょー!
シンバルってどんな見た目?
さて、いつものドラムセットを用意しましょう。
この中で今回取り上げるシンバルは・・・
これです!!
ハイハットの後ろに隠れていますので、全体像をお見せします。
これがシンバル、正式名称クラッシュシンバルです。
ハイハットも正式名称はハイハットシンバルなので、実はシンバルの仲間になります。ドラムセットにおいてはハイハット、クラッシュもしくはシンバルと言って差別化することがほとんどですね。
シンバルってどんな音?
さっそくシンバルの音を聴いてみましょう。
Garagebandくん、出番だよ!
めっちゃ大きいですね。さすが「クラッシュ」と銘打たれているだけあります。
スネア、バスドラ、ハイハットの3点セットからは漏れますが、このクラッシュシンバルもかなり使用頻度が高く、ポピュラー音楽のドラムを語る上で欠かせないものです。
できるだけわかりやすい例を挙げてみます。
これの一番最初に鳴る音を聴いてください。「ジャーン!!」と元気よく、それでいてしばらく残響音が続いている音があるのがわかりますか?これがクラッシュシンバルです!
このように、クラッシュシンバルは拍の頭で使われることが非常に多いです。この曲の中でも1度だけでなく本当にいろんな場面の拍の頭で使用されています。主張の強い音でどんな音かわかっていれば十分聴き取れると思うので、この曲の中でもどこに使われているのかぜひ確かめてみてください。どこで鳴るのか、なんとなくのパターンが見えてくるかと思います。
さて、次は違うパターンを。
こちらは最初の「こんな」の「な」の部分でクラッシュシンバルが鳴っていますね。「彗星ハネムーン」と同じく、拍の頭で使われています。
こう書くと、「さっきのパターンと違ってこっちは歌声が先に始まってない??」と思う方がいるかもしれません。「じゃあ、拍の頭ってどういうことなの?頭じゃないじゃん!」と思う方もいるかもしれません。
その通り、この曲で一番最初の音を鳴らしているのはボーカルです。じゃあさっき説明した拍の頭ってどこだよという話になりますが、ラジオ体操や準備運動を思い浮かべてください。この時って「1,2,3,4・・・」ってカウントとって体を動かしますよね。これの「1」が頭になります。ここでクラッシュシンバルを使う場面が多いですよってことです。こう言えばなんとなく伝わるかな・・・?
じゃあボーカルの「こんな」は何なんだというと、アウフタクト、あるいは弱起と呼ばれるものになります。こちらはクラッシュシンバルの話から外れるので詳細は書きませんが、興味のある方はぜひ調べてみてください。
クラッシュシンバルは2枚ある
こんな書き出しの項目ですが、実際に演奏で使う一般的なドラムセットを見てみるとわかります。
上の方に貼ったGaragebandのドラムセットと見比べると何かが違うことがわかりませんか?
そう、この赤枠!Garagebandにはこのシンバルが存在しません。
これが「2枚目のクラッシュシンバル」になります。特殊な形態ももちろんありますが、基本的にクラッシュシンバルは2枚使うこのパターンが多いです。
なんで2枚使うのかというと、単純に左右に置いておけばドラムのどっち側を叩いているところからでもクラッシュシンバルを叩きやすいからですね。逆に、打ち込みにおいては実際に叩かない、つまり叩きやすさを考慮する必要がないのでクラッシュシンバルが1枚のみとなっています。
ちなみに2枚のシンバルは大体左の方が低く、右の方が高い音になるように配置されていることが多いです。ただ明確なルールがあるわけではないです。
ということは、生演奏に近いドラムを打ち込むぞ!と考えている場合は、クラッシュシンバルの音を2種類用意しておくとより実際の演奏に近い音が出せるというわけです。以上、マメ知識でした。
いろいろなシンバル
ここまでクラッシュシンバルの話をしましたが、今回はシンバル編。ハイハットは中でも重要なものだとして別記事に分けましたが、クラッシュシンバル以外の特筆すべきシンバルをご紹介しようと思います。
スプラッシュシンバル
略称はスプラッシュ。ちっちゃいシンバルです!簡単。
比較画像を貼りましょう。
左下がハイハット、左上がクラッシュシンバルです。めっちゃ小さいですね!
特徴としては音がハイハットやシンバルより音が高くてサステインが短い(長く響かない)というのがあります。余韻が短めなのでクラッシュシンバルほどのインパクトはありませんが、叩いた瞬間の高い音が印象的なので静かな展開などあまりうるさくしない時のちょっとしたアクセントとして使われます。
実際に叩いている動画を参考までに貼っておきますね。
ボカロ曲だと、使われているのはこのへん。
(0:45、1:14、1:33、1:37、1:45、2:07、2:15、2:56、2:24あたりで鳴ってる)
チャイナシンバル
次にチャイナシンバル。略称はチャイナです。
こちらは独特な形状をしているシンバルです。
見てわかりますか?真ん中あたりがへこんでいて、波打ったような形状をしています。
ちなみに、こちらが裏向きです。表はこんな感じ。
こちらの向きだと逆に真ん中は盛り上がっていて、端が反り返っています。
このような形状なので、表と裏どちらでセッティングしてもよくて、どっち向きで叩くかで音色が変化します。一粒で二度美味しいってやつですね。
なんで裏向きの画像を先に貼ったのかというと、単純に裏向きで設置する人が多いからです。
音の特徴は、クラッシュシンバルが「シャーン」だとしたらチャイナシンバルは「グワーン」ですね。クラッシュよりもさらにインパクトの強い音で、曲中で使用するとかなりの存在感を放ちます。メタルなどジャンルによってはかなり多用するケースもありますが、一般的にはクラッシュシンバル以上にここぞ!という場面で使用することが多いですね。
こちらも実際に演奏されている動画を貼っておきます。
使われている楽曲は、たとえばこれ。
(3:53~3:56あたりがわかりやすいかも。ジャンファンファンジャンファンファンみたいなところ)
ライドシンバル
最後にライドシンバルですが、これは別の記事で説明しようかと思っているので、今回は省略させていただきます。
理由は、これまでのクラッシュ、スプラッシュ、チャイナのようなインパクトの強いシンバルとは少し違った役割の側面が強いからです。ハイハット寄りの立ち位置って感じです。
ですので、ライドシンバルの説明については、しばしお待ちいただければ・・・!もし別記事を書くのに頓挫したらここにソッと追記されてるかもしれないですw
どんな楽器かだけは先にお見せしておきます。
ドラムセットだとここにあるやつです!ざっくり言うとめちゃめちゃでかいシンバルですね!
まとめ
シンバル編の解説、ひとまずは以上となります。
今回話したクラッシュシンバル、スプラッシュシンバル、チャイナシンバルはいずれも音を強調するためにアクセントとして使われることの多い楽器です。別の記事で解説したハイハットは常に使うと言っても過言ではないので、そういう意味で用途の異なる点があります。
このシンバル類がいい感じに使われていると途端に曲のこなれ感が上がるというか、雰囲気がめちゃくちゃ良くなるんです。特にスプラッシュシンバルやチャイナシンバルはクラッシュシンバルよりも曲の表情に幅をつけられるので、使われている楽曲を聴くと個人的にニッコリしてしまいます。
例によってできるだけ初心者にもわかりやすい解説を心がけていますので、もし「ここがわからなかった」とか「この説明したほうがいいと思う」とか、もしくは「こんな解説がほしい」とかがあれば、ぜひ教えてください!
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