新規顧客の離脱を防ぐ!旅行予約サイトでのKARTE活用パターンとPDCAサイクル
旅行予約サイトでは、複数のプランや価格、口コミを比較検討するため、ユーザーの離脱率が高くなりがちです。特に新規訪問者にとっては、サイト自体の使いやすさや料金比較のしやすさが決め手となり、最初の体験が予約完了に大きく影響します。
こうした課題に対して、リアルタイムの行動データをもとに一人ひとり異なる施策を打ち出せる「KARTE」の活用が注目されています。本記事では、新規顧客が抱える代表的な課題を整理しつつ、KARTEを使った具体的なアプローチと改善のポイントを紹介します。
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KARTEの概要と旅行予約サイトでの活用ポイント
KARTEの基本機能
KARTEは、サイトを訪れるユーザーの行動データをリアルタイムで解析し、その情報をもとに最適なメッセージやコンテンツを表示するプラットフォームです。
たとえば「初回訪問なのか、すでに複数回訪れているのか」「閲覧したページや離脱しそうなタイミングはどこか」などを瞬時に把握し、必要に応じてポップアップやバナーなどの形でアプローチできます。
従来の一律的な接客とは異なり、ユーザーごとに最適化された体験を提供できる点が大きな特徴です。
旅行予約サイト特有の利用シーン
旅行予約サイトは「何度も比較検討を重ねる」ユーザーが多く、あらゆる接点で離脱のリスクを抱えています。そのため、リアルタイムでユーザーの行動をキャッチし、適切な情報を提示することが重要です。
たとえば、検索結果ページを何度も行き来しているユーザーには同種のプランをわかりやすくまとめたおすすめ枠を提示したり、検討中と思われるユーザーには「今なら○○円オフ」などの限定感を出すなどのアプローチが効果的です。
また、新規ユーザーとリピーターでは期待する情報が異なるため、KARTEを活用して「どの段階のユーザーか」を細かく区別できるようにしておくと、一人ひとりの検討フェーズに合わせた施策を実現しやすくなります。こうした工夫により、離脱率を下げるだけでなく、満足度の高いユーザー体験を生み出すことが可能です。
新規顧客に対するアプローチ最適化:ニーズ別の具体施策
新規顧客とひとくちに言っても、旅行先がまったく決まっていない状態から、すでに比較検討段階に入っているケースまで、そのニーズや行動パターンはさまざまです。こうした違いを把握せずに一律のアプローチを行うと、ユーザーにとっては不要な情報ばかりが表示されてしまい、結果として離脱を招きやすくなります。
そこで有効なのが、KARTEを用いてリアルタイムの行動データをもとにニーズを見極め、それに合わせたコンテンツを提供する方法です。以下では、新規顧客を大きく3つのフェーズに分け、それぞれの特徴と具体的なアプローチ例を紹介します。
1. 目的地検討前のユーザー
◆特徴・課題
• 「どこに行こうか」と漠然と考えている段階。
• 豊富な情報に圧倒されて離脱しやすい。
◆対象ユーザー
セッション内に異なる目的地に関するページを5回以上閲覧。(目的地によってパスやクエリパラメータが異なる場合可能)
◆アプローチ例
①クイズ・診断コンテンツの提示
好みの旅行スタイルや予算、時期などを簡単に選ぶだけでおすすめの場所を提案。ユーザーは遊び感覚で参加できるため、興味を持ちやすい。
②トップページでの季節特集やキャンペーン案内
「春のおすすめ旅行先」「早割キャンペーン」などを目立つ位置に配置し、具体的なイメージを掴んでもらう。
③会員登録やメルマガの誘導
「季節ごとのおすすめプランをメールで配信」など、今すぐ予約しなくても再訪してもらえるきっかけをつくる。
2. 既に目的地を検討しているユーザー
◆特徴・課題
• 旅行先はおおよそ決まっているが、詳細プランや料金の比較検討を行うフェーズ。
• 競合サイトとの比較が活発で、少しでも魅力を感じなければ離脱につながる。
◆対象ユーザー
セッション内にプランページを5回以上閲覧。
◆アプローチ例
①関連プランの動的レコメンド
「○○方面へ行くならこのホテルもおすすめ」「近隣地域の別プランはこちら」など、興味を持ちそうなプランをKARTEでリアルタイムに表示。
②割引やポイント付与による限定オファー
今見ているプランを予約すると○○ポイント進呈など、限定感やお得感を打ち出す。
③ 口コミ・レビューの強調
検討中のプランに対する他ユーザーの評価を、関連ページにピックアップ表示。第三者の声が大きな後押しになる。
3. 予約直前のユーザー
◆特徴・課題
• 予約フォームや支払い画面に進んではいるが、最終確認で迷いがち
• 少しの手間や不明点で離脱してしまうことが多い
◆対象ユーザー
• 予約フォームページ滞在時間が30秒以上。
・支払い画面閲覧後、予約完了画面閲覧していない。
◆アプローチ例
①在庫数や割引期限のリアルタイム表示
「残り○室」「キャンペーン適用は本日まで」などを、ポップアップでタイミングよく案内。
<KARTEの実装方法>
• 各プランの最大予約可能枠数をDatahubに連携(予約がKARTE計測タグが設置されたサイトのみで実施できる場合)
→最大予約可能枠数の内、予約完了イベント発火数で残室数を算出。
• カウントダウン訴求については、KARTEの接客テンプレートがあるため、訴求イメージに合わせて作成可能。
②支払い方法や特典の再強調
「このカードで支払えば○%ポイント還元」「キャンセルポリシー」などをわかりやすく提示し、不安を解消する。
③カート放棄防止のリマインド
一度離脱したユーザーが再訪した際に、KARTEを通して「前回検討していたプランを再表示」「○円OFFクーポンの案内」などを実施する。
<KARTEの実装方法>
• 「プラン」データ:KARTEのイベント発火時に取得
→プランページ閲覧時の「プラン詳細」データを閲覧イベントのフィールドとして持たせる。
新規顧客をこのようにフェーズごとに捉えることで、漠然としたアプローチではなく、ユーザーが必要としている情報をピンポイントで提示することが可能になります。
KARTEの強みである「リアルタイム解析」と「パーソナライズ配信」を活用すれば、ユーザーの離脱リスクが高いタイミングを逃さず最適なコンテンツを提供し、新規顧客でもスムーズに予約完了へと導きやすくなるでしょう。
実装・検証・改善サイクルのポイント
KARTEを活用しながら効果的な施策を打ち出していくためには、データに基づく継続的な検証と改善が欠かせません。新規顧客向けの施策を立てっぱなしにするのではなく、「どのタイミングでどんなアクションをとったのか」「それによってどんな成果が得られたのか」を常に追いかけ、成果を最大化するPDCAサイクルを回していきましょう。
データドリブンな施策立案
• 重要指標の洗い出し
離脱率、CVR、滞在時間、コンバージョン完了までのページ遷移など、注目すべき指標をあらかじめ定義します。新規顧客の行動パターンを把握しやすくなるため、対策を打つべきポイントを明確化しやすくなります。
• 優先度の設定
全てのページや施策を一度に最適化するのは難しいため、まずは離脱率の高いページや遷移が多いページから施策を実行すると、改善効果が得られやすくなります。
A/Bテストの徹底
• テスト項目の絞り込み
ポップアップのタイミングや表示デザイン、文言など、一度に複数要素を変更してしまうと、どの要素が効果に繋がったのか分かりにくくなります。一つずつテストしていくことで、成果を正確に測定可能です。
• 定量/定性両面での評価
A/Bテスト後は数値的な変化だけでなく、ユーザーの行動ログや問い合わせ状況なども確認しましょう。例えば離脱は減ったが問い合わせが増えたというケースでは、別の問題が顕在化しているかもしれません。
PDCAサイクルで継続的に最適化
• Plan(計画): 目標値や施策内容を具体的に設定し、改善の仮説を立てる
• Do(実行): KARTE上でターゲットの条件や配信内容を設定し、実際に施策をスタート
• Check(検証): A/Bテスト結果や主要指標をモニタリングし、仮説との乖離を分析
• Act(改善): 結果を踏まえて次の施策に反映し、成功パターンは横展開、改善点は再度Planへフィードバック
このように、細かいPDCAを回し続けることで、KARTEの強みであるリアルタイム解析も一層活きてきます。数値だけでなくユーザーの反応を総合的に捉えながら、「いつ、どこで、どの施策を打つか」を常にアップデートしていくことが、新規顧客の離脱を防ぎ、予約完了に繋げる近道となるでしょう。
まとめ
旅行予約サイトには、新規顧客が「目的地を決めていない」「比較検討中」「予約直前」など様々なフェーズで存在し、それぞれ課題やニーズが異なります。KARTEを使い、リアルタイム解析とパーソナライズ配信を活用すれば、こうしたフェーズごとの離脱を防ぎやすくなります。
ただし、一度施策を設定して終わりではなく、A/BテストやPDCAサイクルを回して継続的に見直すことが重要です。こうした取り組みを繰り返すことでユーザー体験を高め、新規顧客の予約完了率向上やリピーター獲得へとつなげられるでしょう。
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