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【決算】利益は上期の公表計画を上回る着地。DX領域への転換を加速させ、成長率の引き上げに注力する|メンバーズのIR note

10月31日に2025年3月期 第2四半期決算を発表しました。

売上収益および付加価値売上高(※)は上期(4-9月)として過去最高を更新したものの成長率は鈍化しました。しかしながら利益重視マネジメントへの転換を進め、第2四半期単独で営業黒字となり、上期の営業利益は赤字ながら前年同期比で増益となり、公表計画を上回りました。

(※)売上収益から外注費等を除いた社内リソースによる売上高を示す独自指標

今回のnoteでは、決算のポイントについてご説明いたします。

・この記事は約5分で読めます・


上期の振り返り:コストコントロールにより利益は公表計画を上回る着地


上期の売上収益は10,384百万円(前年同期比8.0%増)、付加価値売上高は9,961百万円(前年同期比10.3%増)と、上期として過去最高を更新したものの計画は下回りました。

戦略的に、高い需要が見込まれるプロダクト・サービス開発やデータなどの専門カンパニーのサービスを中心にリソースを集中させ、人材育成ならびに営業体制を強化したことによりDX領域は高成長を遂げているものの、Web運用領域が伸び悩み、結果として全社の付加価値売上高の成長率は鈍化しました。

一方、売上総利益は第1四半期から第2四半期にかけてデジタルクリエイター(エンジニアやデザイナー、PMO、営業も含めたクライアントにサービスを提供する社員の総称)の稼働率が高まったことで回復傾向にあります。

また、中途採用費の適正化などコストコントロールを徹底的に行ったことで売上収益に対する販管費率が前年同期比で低下し、営業利益は▲479百万円と赤字ではあるものの前年同期比増益となり、上期の公表計画(▲550百万円)を上回りました。

〈営業赤字について〉当社の成長の源泉はデジタルクリエイターであることから大規模な新卒採用を継続しており、季節的な要因で第1四半期は営業赤字となる傾向にあります。2024年4月は411名の新卒社員が入社しましたが、来期は100名以下、再来期以降も成長率にあわせ適正な範囲内に新卒採用をコントロールし、現在在籍しているクリエイターの稼働率向上を最優先に取り組む方針です。

成長率の観点では、クリエイターの人材育成および営業強化が課題ではあるものの、収益性の観点では、コストコントロールを徹底的に行うことで継続的に利益を創出できる筋肉質な組織体制への転換が順調に進んでおり回復への道筋が見えてきています。

通期業績予想の達成に向けて、また、中期的な成長に向けた事業基盤の再構築のため、下記の取り組みにより成長率を引き上げてまいります。

Web運用からDX領域への転換を加速させ成長率の引き上げを目指す


PMO人材育成は順調に進んでいる

DX領域を担う人材育成の一環として、需要が高まっているPMO人材(※)育成を強化してまいりました。

(※)プロジェクトを統括するPM(プロジェクトマネージャー)に対し、部署を横断し、企業のDXプロジェクトの情報収集や関係各所との調整などを行いPMが円滑に本来の業務に集中できるよう支援するポジション。

その結果、PMO人材数は今期末までの目標であった120名に対し、上期末に152名(前期末比85名増)と、計画を上回るスピードで育成を進めております。

プロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を加速させる

PMO人材に加えて、DX領域への転換を大胆に加速させるため、UXデザインに強いプロジェクトマネジメント人材やデジタルマーケティングに強いDX人材などデジタルスキルに軸足を置きつつ、プロジェクトマネジメントやビジネス変革についても伴走支援できるDX人材の育成を一層進めてまいります。

そのために、職種ごとの社内コミュニティや、職種ごとに求められるスキルレベルを定義・認定する制度など、クリエイターが自ら学び、キャリアを形成できる環境を整備するとともに、クライアントの現場支援を通じて得たノウハウを蓄積、社内展開し、デジタルクリエイターの稼働を推進します。

これらの取組みを通じて、2027年3月期に全社のデジタルクリエイターの90%以上をDX人材として育成することを目指しています。

注力クライアントへの営業は着実に成果が出始めた

営業については、注力クライアントを定め、そのクライアントに対してDX領域のサービスを拡大する方針であり、順調に成果に結びついています。

全取引先企業のうち、3名以上のクリエイターが専任チーム(DGT:デジタルグロースチーム)を編成し継続的にサービスを提供する比較的規模の大きいクライアントを切り分け、DGTクライアント一社あたりの付加価値売上高をKPIとしています。

その中でも、取引規模上位50社の一社あたり付加価値売上高は6,330万円、前年同期比2.6%増と堅調に拡大しています(数値は第2四半期3か月の実績)。

加えて、年間売上収益1億円以上のクライアント数は第2四半期末において50社と、前期末実績46社から4社増加を見込んでおります(年間売上収益は上期実績を年換算して算出)。

早急にDX領域への転換を加速させる

一方で、大型Web運用領域を主な取引とするクライアントについては、当社が戦略的にDX領域にリソースを集中させ拡大していることから、取引規模が縮小傾向にあります。

これにより年間売上収益が3億円以上5億円未満のクライアント数は前期末実績7社に対し、今期は3社減少し4社を見込んでいます。

今後は、注力クライアントへの営業リソースを更に増強し、プロダクト・サービス開発やデータ関連などのサービスのクロスセルを進め、Web運用領域からDX領域への転換を加速させてまいります。

来期営業利益率5%目標は射程圏内。下期は成長率を引き上げる基盤を固めていく


今期は「中期的な成長に向けた戦略」の初年度として、利益重視の筋肉質な組織体制への転換を最優先に進めてまいりました。

業績数値に表れるには時間を要しているものの、その成果を実感しており、2026年3月期目標として掲げている営業利益率5%の水準は、仮に付加価値売上高の成長率が5%程度で推移したとしても達成可能な状況まで改善してまいりました。

一方、株主や投資家のみなさまのご期待に応え、長期的に持続する会社を創るためには成長率をもっと高めていかねばならないと考えております。

今下期以降は、人材育成を強化し、注力アカウントに対するDX領域のサービス拡大を一層推進することで、クライアントのパートナーとしてDX内製化を伴走支援するポジション確立を目指し、来期以降に本格的に成長率を引き上げていく基盤を固めてまいります。

編集後記


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株主、投資家のみなさまをはじめ当社を応援してくださっているみなさまにはご心配をおかけいたしております。しつこいようですが、下期以降は人材育成および営業体制を強化し、事業基盤を固め、成長率の引き上げに注力してまいります。

引き続きご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

今回の記事は「決算を知る」マガジンに格納しています。当社の目指す未来や事業概要、現在推進している「中期的な成長に向けた戦略」の背景や戦略の中身については、noteで3回にわたり詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

(担当:中島)


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