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【戦略解説】新たな戦略を発表するに至った経緯とは?|メンバーズのIR note

先日、2024年3月期通期決算とともに「中期的な成長に向けた戦略(以下、中期戦略)」を発表しました。「収益性の改善」「高成長事業の確立」を実現させる戦略であり、今期より事業を再編し、採用やサービス戦略などを大きく転換しています。

そこで、中期戦略を解説するnoteを3回に分けて連載してまいります。

初回は、「中期戦略を発表するに至った経緯」についてです。当社の目指す姿や事業についても触れておりますが、すでに当社をご存じの方も、今期よりアップデートされた内容がございますので、このまま読み進めていただけますと幸いです。

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メンバーズは何をやっている会社?


「地球温暖化は確実に進行しており、21世紀末には、子供や孫の世代は夏に外で遊べなくなるかもしれない。どうすれば、現在の経済活動を維持しながら、持続可能な社会を将来世代に残すことができるのでしょうか。

これは当社コーポレートサイトのサステナビリティページに掲載している、代表取締役会長 剣持の言葉であり、当社の経営の根本となる考えです。

SDGsや脱炭素などが浸透する以前から、投資家面談や決算説明会など折に触れて、気候変動に対する危機意識や当社のミッションについてお伝えしてまいりました。

2023年、夏の平均気温が過去最高となり、東京では7月~9月にかけて64日間真夏日(最高気温が30℃以上)が続いたことは印象的であり、持続可能な社会の実現に向けて待ったなしの状況だと身が引き締まる思いです。

事業を通じて社会課題の解決に貢献したい

当社は、「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」をミッションとし、気候変動や人口減少など現代社会の本質的な課題の解決に事業を通じて貢献し、人々の心に豊かさを広げ、社会をより良くすることを目指しています。

そのためには、企業経営の在り方を「社会課題の解決と利益創出を同時に実現する“CSV経営”」へと転換し、損得勘定ばかりではなく、社会をより良くするために何が善いことかを軸に物事を判断する企業や人々を増やしていく必要があると考えています。

クライアント一社一社をCSV経営に転換するためには、企業のマーケティングや、製品およびサービスの在り方を転換する必要があり、そのためにはデジタルテクノロジーの活用が必須であると考えています。

当社は「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4事業領域において、様々な職種のデジタル専門人材(デジタルクリエイター)による専任チームを編成・アサインし、クライアントのDXプロジェクトの現場を支援するサービスを提供しています。

ビジネスモデルは、端的には人材をクライアントに提供する労働集約型であり、デジタルクリエイター数、単価、稼働率の掛け算で売上が算出できるシンプルなモデルです。

中期戦略を発表するに至った経緯


Web運用領域でポジションを築き成長してきた

2020年頃までは、主にWeb制作やデジタルマーケティングの運用支援を行っていました。運用とは、マーケティング施策において戦略立案・企画開発フェーズの後にある、Webサイトの更新や効果検証、コンテンツ追加などのフェーズを指します。

当社では運用をクライアントのビジネス成果向上の肝であると捉え、仮説検証型でPDCAサイクルを回し成果向上を目指す付加価値の高いサービスモデルを作り、クライアントを支援してまいりました。

収益性悪化の本質的な課題とは

2021年3月期以降は、ミッション実現のために2030年にありたい姿を「VISION2030」として定め、従来主力であったWeb運用から「デジタルビジネス運用へのサービス転換」、および「グループ1万名体制に向けた積極的な新卒採用」を推進しました。

CSV経営を推進するためには社会にインパクトを与えうる規模に成長する必要があると考え、積極的な新卒採用によるグループ1万名体制ならびに、人材拡充に伴うコスト増をカバーする付加価値売上高(※)25%成長の目標には特にこだわりをもっていました。

(※)売上収益から外注費等を除いた社内リソースによる売上を示す独自指標。成長率は特に言及がなければ付加価値売上高成長率を指す。

2020年3月期から2024年3月期にかけて年平均19.2%の成長を実現することができました。しかし、先行投資として採用を進めていたデジタルクリエイター数が成長率を上回ったことで、グループ全体の稼働率が大きく低下し、収益性が大幅に悪化する結果となりました。

収益性悪化の要因は、成長ペース以上に人員を拡充したことですが、その本質的な課題は、「運用」というポジショニングおよび新卒採用先行モデルの成功体験への過信と、グループ1万名目標に向けた過度な採用先行投資などの売上成長を重視した成長戦略にあったと捉えています。

これまでを徹底的に批判的に分析

「VISION2030」の反省・成果などを踏まえ、このままでは業績の回復には時間を要すると考え、前期下期より執行役員や本部長など現場を統括するメンバーを集めてプロジェクトを立ち上げ、これまでの経営戦略を徹底的に、批判的に分析しました。

戦略を検討する上では、株主や投資家のみなさまと対話する中でいただいた、採用・育成方針や成長戦略等に対する厳しいご意見も取り入れ、戦略を抜本的に見直し、収益性を回復させた上で成長率を引き上げられるよう、今回の中期戦略を作り上げました。

営業やクライアントの現場を統括するメンバーの意見も反映されていることから、戦略に対する全社の納得度・共感度は高く、大きな混乱なくメンバー一人ひとりが日々の業務に落とし込めています。また投資家様からも「わかりやすくなった」「戦略の妥当性を感じる」などと、ご評価いただいています。

あとは、この中期戦略を社員一丸となり愚直に推進し、業績としてお見せしていくだけだと考えています。

中期業績目標として、2027年3月期において営業利益率10%へ回復するとともに、付加価値売上高成長率20%以上を目指し成長率を引き上げ、高収益ならびに高成長事業を確立することを目指します。

それに向け、2025年3月期は先行投資から収益化フェーズへの転換の期と位置づけ、上記戦略により足場をしっかり固めてまいります。中期戦略の詳細については次回以降のnoteで解説します。

編集後記


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回(2回目)は、採用およびサービス戦略について深掘りし、営業利益率10%をいかに実現するか、戦略を筋道立ててご説明します。ご理解を深めていただければ幸いです。

引き続きご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

(担当:中島)

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