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コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務 vol.8『投資判断の方程式』
【即戦力となる実践的な考え方とテクニックが学べるnote】
(⚠有料化を検討中の記事)
『足を引っ張る大企業』『ベンチャーを支える大企業』どちらになるかはCVC担当の腕次第。
〚投資判断の方程式〛
=①市場成長性
×②経営者の魅力度
×③ビジネスモデルの優位性
②経営者の魅力度
〚投資検討(意思決定プロセス)で起こりうる失敗〛
失敗の代表例
①起業家の想いが伝わらない
②正しい財務状態の理解
③既存株主への印象
前回記事vol.7はこちらから。
③既存株主への印象
経営者の魅力は既存株主の性質にも表れてきます。『既存株主がどういう目的で投資をしているのか?』『起業家に対してどういう印象を持っているのか?』そして『どんな内容で契約を結んでいるのか?』は事前に調査したいところです。
CVCの投資検討では、投資に慣れていない、経験がないメンバーも参加してしまっていることも少なくありません。本来はそうした人間に投資権限を持たせるべきではないのは百も承知で、事業会社のCVCでは実際にそうしたことが起きてしまっています。
それを前提として前向きに考えていきます。
投資検討をより良くするために必要な情報の一つとして既存株主の情報があると考えています。
つまり『他の投資家、株主はなんて言ってるの?どう評価してるの?』という質問への回答を持っておくことで議論がスムーズに進められるということです。
• 各株主の会社概要
• 各社のベンチャー投資界隈でのファクトベースでの評価
• 各社の投資目的とスタンス
• 投資契約書の内容とポイント
ここでのポイントは『当社の投資スタンスを他の株主と比較して相対的に評価できるようにする』ことです。ベンチャー投資経験が豊富であれば己の経験則や持論、投資ポリシーを持っていて然るべきですが、CVC運営ではなかなかそこまでのメンバーを揃えることも難しいでしょう。このポイントを意識してファシリテーションが投資検討を円滑にすることは私の経験からも間違えないと考えます。
以上、経営者の魅力度の評価を議論する際のつまずくポイントを説明しました。
〚まとめると、こう〛
①起業家の想いが伝わらない
投資検討の過程で投資検討メンバーとベンチャー経営陣との関係性を築き、経営者の魅力度を正しく評価できる環境を整えておく。
②正しい財務状態の理解
財務諸表上の単なる数字ではなく、課目ごとの背景や性質まで踏み込んで調査をし、経営の実態を把握しておく。
③既存株主への印象
各株主に対して共通の印象を持った上で自社の投資スタンスを他の株主と比較して相対評価できる状態を作っておく。
続いて、『ビジネスモデルの優位性』に話を進めていきます。
↓続きの記事
コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務 vol.9『投資判断の方程式』 https://note.com/mem_yu/n/n66d7873d089d
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コーポレートベンチャーキャピタルCVCの実務
『投資判断の方程式』
vol.1
https://note.com/mem_yu/n/ncf37cb4ada05
vol.2
https://note.com/mem_yu/n/nbbd472dec8bc
vol.3
https://note.com/mem_yu/n/n32aa50231a8a
vol.4
https://note.com/mem_yu/n/nd86d604f9842
vol.5 https://note.com/mem_yu/n/n639780b736b2
vol.6 https://note.com/mem_yu/n/nb5c8c15a0164
vol.7
https://note.com/mem_yu/n/n9570146d37a5
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vol.41