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グロリアと三人のセラピスト
だいぶ前のことだが、大学の講義で紹介された資料「グロリアと三人のセラピスト」をやっと観ることができた。この資料は、立場の異なる三人のセラピストが、それぞれの立場を述べた後、クライエント(来談者)のグロリアという女性と三十分程度面接し、その後面接の感想を述べるといった流れである。
まず一人目は、来談者中心療法のロジャース博士である。終始クライエントの気持ちを、言葉を変えて表現し、クライエントは自分の気持ちを理解してもらえたと感じていたようで、穏やかな面接だった。
二人目は、ゲシュタルト療法のパールズ博士である。彼は面談前、「彼女(グロリア)と対戦する」と話した。言葉通り、クライエントは博士に怖い、尊大だという印象を持ち、博士の指摘に対して言葉を荒げる場面もあった。前回とはまた違うクライエントの一面が引き出されたようだった。
三人目は、論理療法のエリス博士である。彼はクライエントに対して具体的な指標を提示し、また、自分の物事に対する見方(信念)が、自分を不快にさせているのだ、つまり、自分の物事に対する見方を変えれば状態は変わるということを力説していたようだ。クライエントは、博士の話がうまく理解できず腑に落ちていないようにも見えた。
私個人では、ロジャース博士の面接が一番お気に入りで、自分がクライエントだったら、喜ぶだろうと感じた。
逆にパールズ博士は、一見クライエントを攻撃するような物言いによって場が荒波立っているような印象で、個人的には自分がクライエントだったらやりづらいというか激昂してしまうだろうなと感じた。恐らくそれも博士の予想通りになるのだろうけれど。
エリス博士の考えは私もよく理解することが出来るので、納得しながら面接を観ていたが、私自身の経験で「分かるとできるは違う」ということをよく感じているので、「自分のものの見方を簡単に変えられるなら、面談にくるほど苦労はしないよ」とも思った。
いずれにしても、クライエントは自分の性質にあった治療方法を選ぶのが吉と言える。実際のカウンセリングの場面を観るのは初めてだったので、とても勉強になった。
それでは。