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"デザインの大量消費"に疑問を感じたデザイナーがつくった、「同じものをつくり続ける」スタンスの毛布ブランド

エシカルブランドのストーリーと共に商品を紹介するショップ「メルとモノサシ」。ショップに掲載しているブランドについて、裏話を交えながらnoteでも紹介していきます。(商品は、noteのクリエイター画面「ストア」からもご覧いただけます。)

さて、2020年12月のプレオープンの際、最初に掲載させてもらったブランドがこちら、LOOM&SPOOLという毛布ブランド。

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代表商品は写真の綿毛布。染めものみたいな洗練されたデザインで、国内屈指の毛布産地・大阪府泉大津市で生産されている。隅っこのネームタグに名前やつかい始めた日を記入すれば、愛着を持って長年つかいたくなる、というもの。

このブランドをつくった、デザイナーの廣瀬友子さんは、私が会社員時代にとてつもなくお世話になった方。商品プランナーとして毎シーズン何百という数の商品を企画し、そのデザインを外注していた私が、頼りにしまくっていたデザイナーの1人が廣瀬さん。

仕事は速いしセンスも素晴らしいし人柄も気さくだし、困ったことがあったらすぐに廣瀬さんに電話していた気がする。ここには書けないような、いろんなピンチを救ってくれた。

私が会社を退職し、チャリティーショップだソーシャルライターだ出産だ子育てだなんやかんやと生活を更新する間に、廣瀬さんのSNSがおしゃれな毛布で埋め尽くされるようになってきた。「自主ブランドを立ち上げたんだ、すごいな〜」と思って見ていたのだけど、実はここからの記憶が曖昧で、気付いたら私は廣瀬さんから直接、「このブランドは、ソーシャルとかサスティナブルとか、そういう考えでつくったの」という話を聞いていた。

あんなに柔軟にデザインをつくってくれて、協力してくれて…そんな廣瀬さんは、当然なのだけど、デザインを毎シーズンのように大量生産して、また次の年に同じようなデザインをつくって、つかって、つくって、つかって…というサイクルに少し疲れていた。だから、「このブランドは働き方改革だ」とも話していた。

一度商品開発したら、デザインを変えずにつくり続ける。

このことがポリシーであり、何よりもいとおしい、と話す廣瀬さん。その裏には、「シーズンごとに新しいものにつくり替えなきゃ」と忙しなく走り続けるメーカーと、その注文にこたえるために色々な思いを飲み込んで協力している、デザイナーや工場など、商品のつかい手には見えない、でもものづくりに必要不可欠な人たちへの愛が感じられる。

今もデザイナーとしてたくさんのデザインをつくっているそうだけど、こういったスタンスで自分の事業を持っているから、今の廣瀬さんはデザイナーとしても、きっと前とは違うんだろうなって思う。一度つくったデザインを大事にしなきゃ、って思えるようなことを言ってくれるんじゃないかな。

そんな気づきが大企業の担当者に浸透して、世のものづくり全体がちょっとスロースピードになってくれたら、つくり替えを続けることに疲れているいろんな立場のひとが救われるんじゃないかなって思う。


↓LOOM&SPOOLのストーリーおよび商品一覧はこちらから

and more...詳細はnoteプロフィール「ストア」または、上記ショップよりご確認いただけます


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