よりみち

　変な時間に起きた。2時半に寝て4時すぎに起きた。あんまり記憶はなくて、ずっと瞼の裏を見てたみたいだ。でも起きたら体はスッキリ。なんだろう。回復魔法を喰らったらこんな気分になるのであろうか。それかドラゴンボールのデンデみたいな感じで手から回復光線的なのを出されて、それで回復したのだろうか。でも、おそらくうなされていたみたいだ。涼しくなったのに少し汗をかいて起きた。これは、うなされてたみたいだ。

　最近考え事が増えた。といっても大人になるにつれ悩み事の幅が増えた。昔はなんで足が速くならないんだろう、なんで宿題をやらないといけないんだろうくらいの悩みだったものが、大人になるにつれて人間関係・将来・恋愛・人生観と悩みの幅もだけど深さも密度もグンと高まっている。あーあ、変に賢くなるから人間は悩むんだよ。ああ、それだから猿になりたいなんて思ってしまうんだろうな。

　昔から悩むと色んなものを切り捨てて、最適解を選ぼうとする人間だった。自分の感情よりは客観的にどれが正しいか、どれが1番迷惑をかけないか、どれが1番スマートか、で選択を決めてきた。だから数学や物理が得意だったし、自分を育てるのは非常に楽だったと両親に言われてきたのかもしれない。

　最近少し大人になった。というか、変な時間にふと起きて、ハッと大人になったなという感じがした。褒めて欲しい。思考の寄り道ができるようになったんだ。思考の寄り道というか、これは絶対に違うでしょ？だって実際〇〇だもん、と結論が正直わかっていても、一旦寄り添って考える気持ちを持つことができた。実際できてるかとかは知らないけど、個人的には、昔よりできてる気がする。なんかすごい受け皿の大きな大人みたいだ。嬉しい。

　昔は、自分の中で客観的に事情を並べて、明らかにありえないこと•起こらないことに関しては、時間の無駄と言わんばかりに、すぐ思考から切り捨てていた。最近は、まぁ、自分なりには違うけど、違う世界が見えるかもしれないから、一旦真剣に考えてみるか。という心持ちが持てるようになった。前よりはね。あくまで自分の主観だけども。

　もしかしたら、明らかにその結果が出るのわかってますよね？っていうくだらない研究のために1年費やした卒業論文が関係してるんじゃないかなぁなんて思った。自分の卒業論文は全く好きじゃないけど悪くないもんだ。多分関係ないけど。

　昔は、すぐ答え答え！と必死に答えだけに渇望して、解法には興味なかった人間が、色んな解法を試してみてどれが自分にフィットする答えなのかを探し求めることに楽しみを覚えた。考えることの寄り道が楽しい。寄り道じゃないかもしれないからだ。いつも歩いている登下校。ふと一本隣の道には豊かな金木犀の香る美しい情景が待っているかもしれない。寄り道を寄り道だと思うのは本人次第なのかもしれないな。

　自分の悩み事に関して、自分の主観を極力減らして、最適解を求めていた人間が、少しだけ寄り道を楽しめた。金木犀の香る道を歩けば、少し遠回りだけど、遅刻しちゃうかもだけど、いつもより笑顔で学校へ向かえるかもしれない。

　だから、これを読んだ皆様も自分に色々話しかけてみて欲しい。どんな話題でも悩みでもいいよ。少しだけ解法を色々試してみたりするのが楽しいんだ。色んな寄り道をしたり、途中で立ち止まったり、時には道を戻ったり、君だけの秘密の抜け道を知ってみたり、色んな人と浅くじゃなくて、深く話すことで、自分の周りにある道をどんどん増やして、自分が笑顔で渡れる道を見つけたいなと思いました。いえい！