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RPGの元祖:ダンジョンズ&ドラゴンズとは?(The Bigbang Theory×経営学)

今日の題材はアメリカドラマのThe Bigbang Theoryでレナード・シェルドン・ハワード・ラージがいつも遊んでるダンジョンズ&ドラゴンズについて。

週末など時間さえあれば登場人物みんなが遊んでいるダンジョンズ&ドラゴンズ。少しテーマが異なる改変版が出たらスチュアートのお店から渋々買っちゃうほど熱中してるボードゲームって何だろうって思ったことないですか?

実はダンジョンズ&ドラゴンズは実在するボードゲームで、ダンジョンズ&ドラゴンズがなかったら現代のファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのロールプレイングゲーム(RPG)は存在しなかったかもしれないです。それくらい現在のゲームビジネスに大きな影響を残しました。

今回はゲーム業界におけるRPGの遷移とダンジョンズ&ドラゴンズに(D&D)ついて綴っていきます。

D&Dは1974年に制作・販売されたボードゲーム型RPGであり、世界で最初のRPGとして認知されています。

ゲームの内容としてはプレイヤーの一人がゲームマスターという審判役を担い、ゲームマスターが進行する物語の中で他のプレイヤーがキャラクターを操りながらドラゴンのようなモンスターを倒していくものになっています。

ビッグバンセオリーの中ではハワードがゲームマスターとして声真似とかを披露してシェルドンが鳥肌を立てているシーンなどありましたね。(シーズン6 / エピソード23)

D&Dの特筆すべき特徴はプレイヤーがキャラクターをどのように操るか選択できる点です。RPGにおいてどのように世界を探索し、どのモンスターをどういう武器で倒すかは、当たり前になっていますが、D&Dが発売された当時では新鮮でした。それまでのゲームはゲーム制作者側が用意した物語をプレイヤーが順当に進めるものしかなく、選択肢を与えられることはなかったのです。

ゲーム内でプレイヤーに選択肢を与えるということはゲームマスターが把握すべきルールが多くなることを指し、D&Dでは「ダンジョン探索のためのルール」「モンスターと戦うためのルール」「マジックアイテムなどの財宝のデータ」といった3つのシナリオ別に膨大なルールブックが用意されていました。これらを覚えておきながらゲームを進行しているハワード、レナードなどには驚きです。

複雑なゲームルールであったものの、D&Dはアメリカなどを中心に人気を博します。背景世界などが異なる新しいバージョンのD&Dがいくつも発売され、レナードたちのようなコアファンたちは夢中になっていきました。

また、このRPGというゲームスタイルは後のコンピューターゲームに大きな影響を与えます。

RPGをコンピューターゲームに持ち込んだ黎明期のゲームタイトルとしては「コロッサル・ケーブ・アドベンチャー」(1976年)があります。このゲームはD&Dから大きな影響を受け、その当時のコンピューターゲームには珍しい「選択肢」がプレイヤーには与えられていました。

1970年代当時のコンピューターは主に計算やデータベース作成を行うための機械でゲーム用ではなかったためグラフィック処理には向いていませんでした。そのため「コロッサル・ケーブ・アドベンチャー」は「テキスト・アドベンチャー」といってテキスト(文字)でゲームが進行しました。

「目の前にはモンスターがいます。どうしますか?」
→「倒す」or「逃げる」

といった具合です。

D&Dのゲームシステムを文字に書き起こしてコンピューターに移植したようなゲームでした。

ここからRPGはボードゲームからコンピューターゲームへと劇的な進化を遂げ始め、1980年にはアップル社のコンピューター、Apple II向けのグラフィック付きのRPG「ミステリーハウス」が発売されます。

実はこのRPGのコンピューターゲームへの進化はコンピューター自体のゲーム業界への進出を後押ししました。それまではゲームを遊ぶためには専用のゲーム機(ATARIなど)を手に入れる必要があったものの、コンピューターでもゲームが遊べるという新しい世界が開拓されます。

これ以後、「ミステリーハウス」のようなゲームによりアーティスティックなグラフィックを加えようという動きからプロのデザイナーがゲームグラフィックを担当するようになり、長く愛されている超大作「ファイナルファンタジー」などが生まれました。

RPGはD&Dの頃からゲーム内で自己表現ができるゲームスタイルのため、幅広い顧客層から支持され、ゲーム内でのコミュニティ形成も加速。現在のゲーム業界の中でも大きな存在感を持つゲームスタイルとなりました。

ビッグバンセオリー内でもゲームに無関心の妊娠中のバーナデットがシェルドンによるゲームマスターの元、D&Dで強い女性を表現することでD&Dの魅力に気づくエピソードもあったくらいです。(シーズン9 / エピソード22)

このようにD&Dがなければ現在のRPGは生まれていなかったかもしれません。レナードたちは、なぜあれほどD&Dが好きなのかなと思っていましたが、それは「選択肢」が与えられているRPGというゲームスタイルにあったというわけです。

RPGの歴史を含めてゲーム業界の遷移についてより詳しく知りたい方はNetflixの「ハイスコア:ゲーム黄金時代」というドキュメンタリーがおすすめです。


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