二度のコロナ感染で判った事
初戦は正面からパンチを受けて、完全に鼻が潰れた。
第2戦は喉をやられてダウンした。
対戦相手は他でもない強敵コロナである。
初戦は2021年1月、強毒アルファー株時代。
前年に同い年の志村けんさんが
コロナ肺炎で亡くなったので怖かった。
感染陽性になって、保健所に報告しても、
対応はただオロオロするばかりで、一切の診療の機会が得られず、
「急変の際は救急車」という合い言葉だけを頼りに、
後は自前の免疫力だけで戦わざるを得なかった。
嗅覚が完全に喪失、回復に2ヶ月を要した。
第2戦は2023年4月オミクロン株、
幾つもの大波を越えてさざ波になり、
桜も咲いたしやっと終息か、マスク是非論が出始めている中で感染。
無料PCR検査所に行く。
若者たちが受付のためのスマホの指導をしてくれた。
この子たちは本当に老人たちに優しい。
陽性が判明して、保健所に連絡すると高齢者ということで
懇切丁寧にゆっくりと言葉を選びながら、
不安がらないように優しい声のトーンで適切な対応の仕方を述べた。
嬉しくなって、直ったらご飯でもご馳走したい気分だった。
治療出来る医院を紹介してくれたので行ってみると、処置が早い。
高齢者には重篤にならないように
高額なコロナ専用の新薬を処方してくれた。
この薬は凄い、ひと汗かいたら、嘘のように熱が引いて直っていった。
ただ、今回は喉の激しい痛みと2日間戦った。1週間で完治した。
綱引きのようにウイルスと自己免疫が全力で一進一退を
繰り返したのが初戦で
第2戦は自分の側にお相撲さんが加勢してくれて
あっさり勝ったという感じだ。
今回は夫婦で同時感染なので、自宅療養支援食料品が届いた。有り難い。
2年間で行政がこんなに素晴らしい高齢者支援体制を敷いた。
老人の安楽死を扱った映画「PLAN 75」が上映されたり、
老人集団自決論がネット上で踊っていたり、老人として長生きすることに
後ろめたさを感じてきたが、今回の事でわが国は高齢者が生を全うするよう
手を尽くす姿勢が見えたことがとても嬉しい。
高校時代の仲間とのLINEのやり取りの中で、
食糧支援の写真を載せたら、
皮肉屋の友人の書き込みで「税金の無駄使いだ」とあった。
自分は年金生活で税金なんか払ってないくせに偉そうに、
と返して笑い合った。