ワイルドライフ
ピューマが小鹿を追い掛け
喉元に食らいつくシーンをテレビで観る時
辛くてチャンネルを変えたくなる。
食われる小鹿の恐怖感、小鹿の親の無念な思いに引きずられる。
ピューマに罪はない。ピューマは獲物を引きずり、
我が子に与え夢中で空腹を満たす様子を穏やかな眼差しで眺める。
大自然の法則、善悪のない世界。
梅の木に咲き始めた二輪の花。そのすぐ脇には千両の赤い実が
生って、良い取り合わせで風情を成し、目を細めて眺めていると
ツグミがやってきて、あろうことか赤い実を食べ始めた。
あれよあれよという間に半分も平らげてしまった。
ガラス戸を開けて追い払おうと取っ手に手を掛けて、ふっと思った。
あの呑み込まれた実はどこかの森に糞として運ばれ
そこで芽を出し自然を豊かにするのだ。
山川草木悉皆成仏という言葉のように、自然はあるがまま
良い悪いを超えた神仏の働きそのものということ、許そうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?