テディーベア
日本初の動物園が1882年に上野で開園して
今年で140年にもなるという。
戦後インドから来た象があまりにあばれるので、
鎖で繋いだところアメリカ人から動物虐待だと文句が出た。
園長は困って、どうすべきか問い返すと殺処分の方が
動物のためだと返事があった。
園長はとても殺すことはできず、工夫して保護し
その暴れん坊は上野動物園で天寿を全うした。
ノアは神からあらゆる動物を集めて保護するよう
言い付かったので、巨大な箱船を建造して大洪水から守った。
神から動物の生殺与奪の権利を与えられたといえる。
人は神に代わって動物を自由にできるという基本的な立場から、
不都合があれば殺処分すべきと結論を出すのだろう。
第26代大統領セオドア・ルーズベルトは、白人以外の移民が
どんどん増えて白人の立場が弱くなるのを怖れた。
そこで白人男性に森に入って狩りをすることを奨励した。
強さのアピールをしたかった。
あるときセオドアが熊狩りをしていると追い詰められ傷ついた
小熊がいて、一旦は銃を向けたが、可哀想で撃てなかった。
「傷ついた熊を撃つのはフェアプレーじゃない」と言い訳した。
これが美談となり、セオドアの愛称テディーの熊ということで
テディーベアが生まれた。
生き物の命を奪うスポーツはどうしても受け入れられないが、
アメリカの子供たちが長い夜を独り寝のベッドで過ごす時、
モコモコのテディーベアのぬいぐるみがどれだけ優しい
話し相手になったことか、それは確かなことだろう。