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フェルミ推定をやってみた②

こんばんは、ぱんと申します。

*これは昨日の記事「フェルミ推定をやってみた①」の続編ですが、フェルミ推定について既にご存じの方は、この記事から読まれてもなにも問題ありません。

さて、それでは、早速自分で行ったフェルミ推定のやり方についてお話しします。今回求めたのは「病院の1年間の外来患者数」です。
方針としては

①日本にいる医師の人数を求める
②医師が1日に何人の患者を診るかを求める
③(解答) = (①) × (②) × (1年間の診察日数)

のような感じでやりました。では、①から求めていきましょう。

①日本にいる医師の人数を求める

2015年の日本の生産年齢人口(15~64歳)は7,592万人(出典)だと分かっていれば、このうち「何分の1が医師か」が判明すれば医師の人数が計算できることになります(今回は歯科医師、薬剤師は除いて考えました)。

たとえば、

東大理Ⅲ(ほぼ医学科に進学)の毎年の人数は約100人で東大の入学人数は約3000人
東大生の中に占める「将来医師になる可能性の高い人」は1人/30人

という計算になります。でもこれはそもそも、東京大学の学生という狭い範囲で見たときの話です。さらに、理Ⅲを卒業した人全員が臨床の医師になるというわけでもありません(ここは友人に指摘されて気が付いた)。

よってここから推測して、日本人の中に占める医師の割合は1/1000としてみました(これはあくまでも予想であって、人によって数値が異なってくる部分です)。

つまり、日本にいる医師の人数は

7,592万人 / 1000 = 約7.6万人

と予測できるわけです。
ちなみに、医師の人数は実際は327210人(2018年, 出典)なので、この時点で4倍以上のずれが生じています。お医者さん、意外と多い。

②医師が1日に何人の患者を診るかを求める

この項目も完全に推測で考えていくしかありません。医療関係者でなければ、このようなデータについての知識を持っている可能性は高くないだろうと考えられるためです。

医師が1人を診るのに平均15分かかるとすると(推測)、1時間あたり4人
よって、1日(8 - 1) = 7時間に診られる患者の数は4 × 7 = 28人

「医師が1人を診るのに平均15分かかる」の部分も私の個人的な想像です。

これについても実際のデータを「答え合わせ」してみると、診察時間の平均は10分程度のようです(出典)

③(解答) = (①) × (②) × (1年間の診察日数)

①と②が自分なりに算出できたので、解答を求めていきます。一年で診察を行う日数を平均200日とすると(推測)、

76000 × 28人/日 × 200日/年 = 約4.3億人/年

という値が計算できます。……多くね?

以上で私のよわよわフェルミ推定が終わったわけですが、実際の病院の1年間の外来患者数は何人なのでしょうか?

正解は約720万人(2017年)。全然違ってもはや笑えてきますね(出典)。

問題点

全然計算が合っていなかったので、その原因について考えてみたいと思います。原因としては

・①医師の人数が全然違う
・②1日の診察人数も若干違う
・正しい値で③の計算をしても実測値と合わない

の3つが挙げられそうです。1番目と2番目は私の知識力不足/常識不足な面があったとして、重大なのは3番目の問題点です。

1番目と2番目の数字の予測がどれだけ完璧でも、3番目の計算式が間違っていたのでは本末転倒ですよね。

3番目の計算式についての考察

思い当たる間違いの理由としては、医師/患者をその専門によって分けなかったというものがあります。
病気の種類によって診察時間の長さが大きく異なるため、内科の医者/内科系の病気にかかる患者は〇〇%いて平均診察時間は何分で……と細かく分解して考える必要があったのではないか、ということですね。

フェルミ推定ではよく顧客や企業(今回の例でいえば患者や医者)を細かく分類し、それぞれの存在比に応じた重みをつけて計算していくことがよくあるようです。今回はとくに分類をせず適当に計算したため、このような結果になりました。面倒がらずに分類することは大事だということですね(当たり前)。

以上、私のはじめてのフェルミ推定でした。
これから本などで演習を積んで、正確な値が出せるようになりたいと思います。その過程はまた記事にしていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。またどうぞ。

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