20代最後の日に
最初に
20代最後に、なんて全然考えていなかったけれど
終わるんだな、明日から30歳なんだなあと思ったら
最後に何か、29歳としてここに書き残しておこうと思って。
ただ、長いだけの文章になるかもしれないけれど
もし、立ち止まってくれる人がいたら。
留学と英語と音楽と、
2011年2月9日、
オーストラリア留学中に、オーストラリアで迎えた二十歳。
オーストラリアは季節が逆で、2月は私の大好きな夏。
日本人で写真を勉強している友達と、ゴールドコーストのサーファーズパラダイスへ遊びに行った。
思えば、2年前から始めたカメラも、原点はここだったかもしれない。
思えば、今大好きでたまらないBUMP OF CHICKENも、この留学があったおかげかもしれない。
日本より広く蒼い、あの青空とあの海を残したいと思うようになって、
あの頃はまだ、デジカメでピントも合ってない写真を撮っていた。
夜、サザンクロス(南十字星)を見上げながら、BUMPを聴いて思いを馳せていた。
ちょうどその頃、BUMPが「サザンクロス」を制作していたことを後のインタビューで知ったときはすごくびっくりして嬉しかった。
まだあの頃は、BUMPのライブに行ったことがないどころか、
BUMP自体もよく知らなかった。
余談になってしまうが留学から帰国して1か月経った時、東日本大震災が起きた。
すごく怖かった、やっと日本に帰って落ち着いたのに、気持ち的にそれどころではなくなってしまった。
帰国して逆ホームシックに苛まれながら、いつしか大好きだった英語に対して気持ちが薄れていった。
いや違う。
あの時は、「英語=私」みたいに思われるのが
すごく嫌だった。
あんなに大好きだったのに、あんなに得意だったのに。
唯一の、取り柄だったのに。
それまではすごく嬉しい図式だったのに
帰国して自分に何もなくなってしまったとき、それがただの荷物になっていった。
だから逃げたんだ、音楽に。
自分のことをほとんど知らない誰かと、SNSを通して大好きな音楽で繋がっていく。
音楽の前で、ライブで音を吸収しているだけで、それ以上を望まれることはない。
「英語得意でしょ」なんて言われることも思われることもない。
そうなったらもう、どんどん音楽に依存していった。
BUMPはもちろん、邦ロックを片っ端から聴き漁って
毎日音楽とライブのことばかり考えていた。
それしかなかった。
毎日、仕事と家の事で疲弊した自分を支えてくれる唯一のものだった。
BUMP OF CHICKENとTHE BAWDIESはその頃から、破格に大好きな存在だった。
チケットが取れなくて泣いた日もあったし、
同じバンドの繋がりで知り合っても、優しくできなくて、
縁が切れて絶縁した人もいた。
真っ暗にした毛布の中で、泣きながら優しい音と声を聴いて寝た日も何度もある。
大丈夫じゃない、と言えるのが、音楽だけだった。
音楽がなかったら、存在すらしていなかっただろう。
こんなに依存して大丈夫なのか?と自問自答する日もあった。
10年前、帰国したばかりの自分はもっと、
英語が上手くなっているんだろうなと漠然と信じていた。
その頃の自分が今の自分を見たら、英語力の低さに失望するだろう。
それでも、後悔はしていない。
音楽という逃げ道が、10年たった今、居場所に変わったのだから。
こんなにも音楽の力を信じられるようになったのは、
生の音を、あんなにもたくさん浴びて吸収していったから。
世界がこんな状況になった今、
ライブに行くという事が、どれほどの奇跡だったか知れない。
カメラとの出逢い
28歳の春、オーストラリアで撮っていた頃からずっと念願だった、ミラーレスカメラを買った。
運命の出逢い、と言うと大げさかもしれないけれど、
そう思えるほど、カメラのおかげで毎日が激変した。
まだ持ち始めて1か月経った時、初めて撮影会に参加した。
そこで声をかけてくれて、みんなでいろんなところへ撮影に行った。
なんで自分なんかに、と思ったけれど、本当はすごく、すごく嬉しかった。
10年前にカメラを始めていたら、きっと出会うことのなかった、初めてのカメラ仲間。
彼らのおかげで、ポートレートの撮影にどんどんはまっていった自分に驚いた。
大して上手くもない、センスもない。
趣味なのにどうしてこんなに悩んでしまうんだろう、
もっと気軽に撮ればいいのにと悩みながら撮ってしまう、
それでも、喜んでくれる人がいる、評価してくれる人がいる。
撮影の機会を頂く度に、それがどんなにうれしくて幸せなことか知れない。
音楽にしても、カメラにしても、
今まで出会ってきてくれた人、
これから出会える人、
ひとつひとつの縁に感謝して、大切にしていきたい。
さよなら、20代。
20代、大人になってから、こんなにも好きだと思える事があるのは、
それこそ稀有だと思う。
これからも、迷いながら、間違いながら、
音楽と、カメラと、周りの人たちと生きていきたい。
30代がいよいよやってくる。
周りの年上の友達や仲間を見ていて、30代っていいなあと憧れがあったから、
逆にこんな自分が30歳で大丈夫なのかと心配になるけれど、、
でも、大人か子供か、ではなく、
人として、誰かに信頼される人間になりたい。
それから、20代に置いてきた、大好きだった英語。
今年はちゃんと向き合うって決めている。
カメラを初めていろんな知識が増えていくたびに、
英語を勉強していた時も、こんな風に楽しくてたまらなかった事を思い出した。
カメラは趣味の範囲だけど、
英語は絶対仕事にこれからも生かして、ステップアップしていきたい。
さよなら20代、
たくさん悩んで迷ったけれど、
今までありがとう。
たくさん遊んで、たくさん笑って、たくさん迷って、たくさん泣いた
あの日々のこと、忘れても、消しはしないよ。
まだまだ不十分な自分だけど、ちゃんと糧にして、
出会った人たちを大切にしながら、生きていくね。
そして、
こんにちは、30歳。
これからよろしくね。
Special thanks to
BUMP OF CHICKEN
THE BAWDIES
My mirrorless camera LUMIX GF10
... and you, who have joined into my life.