#1 映画「ファーザー」感想
「認知症の老人からその周囲の人間が消えていく」話である。ジャンルは、「ヒューマンドラマ」っぽいが、「サスペンス」とも言える。不気味な作品である。
【良かった点】テーマが“認知症”となると、介護する側の視点の作品を想像してしまうが、本作は患者側の視点で語られている。そのため、見ていて飽きない。また、主演アンソニーホプキンスの演技は確かに凄かった。
【微妙な点】伏線が見つけられなかったため、理解が最後まで追いつかない。認知症患者視点の脚本・演出が本作の醍醐味であることは百も承知なのだが、結の部分になるまで先が読めないのは頭の悪い自分にとっては苦痛。あと、劇伴が地味。物語の性質上、過度な音楽は世界観を壊しかねないのだが、もう少し印象的な音楽があれば良かった。
【満足度】85点