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※ネタバレあり#22映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想その1

スパイダーマンが先輩ダーマンや友人らと難局を乗り越え、ヒーローの精神(責任感)を獲得する物語。 神作品。スパイダーマンシリーズの集大成。今後もスパイダーマンシリーズは続いていくだろうが、一つの終止符を打ってくれた。 鑑賞前の期待値はかなり高かった。あんな予告を見せられたら、そりゃそうなるだろう。が、本作はその期待値を大きく上回るものを我々に見せつけた。おかげで、複数回鑑賞した今も余韻に浸れるし、まだまだ見に行きたいと思う。 この作品に関わった全てのクリエイター(スタッフ

    • #21 エンタメ雑記「2021年終了滑り込みでつづる」

      2021年がもう間も無く終わる。 筆者はnoteで映画や小説、マンガなどのレビューを展開してきた。が、更新は10月半ばで止まっている。情けない。せめて年内最後に何か更新したいと思い、とりあえず綴っている。 レビューは更新できていなかったが、映画や小説を鑑賞しなくなった訳ではない。 そこで、筆者が2021年に最もおもしろいと思ったコンテンツを紹介しようと思う。なお、詳しいレビューは2022年に頑張るとする。たぶん… 映えある2021年ナンバーワンコンテンツは、『アイの歌声

      • #20 映画「神在月のこども」感想

        母を亡くしたトラウマを抱える少女が冒険を通じてそれを克服していく物語。オリジナル長編アニメ。制作会社はライデンフィルム。原作・コミュニケーション監督に四戸俊成氏がクレジットされているが、「コミュニケーション監督」とは何なのだろうか?制作総指揮みたいな意味だろうか。 ジャンル:SF 要素:日本神話、走、家族 キャッチコピー:「出逢ったのは神と鬼――」「その島国の根に在る場所へ。駆ける少女のものがたり」 【脚本】 三宅隆太、瀧田哲郎、四戸俊成の3人による共同脚本。 面白くない

        • #19 映画「ヴェノム(邦題)」感想

          人間界の落ちこぼれと地球外生命体の落ちこぼれが合体し、その力を使って人間界を救う物語。 スパイダーマンシリーズに登場するヴェノムを主人公にすえた作品。いわゆる、ダークヒーローもの。 ジャンル▶︎アクション 要素▶︎ヒーロー キャッチコピー▶︎ 「マーベル史上、最も凶悪なダークヒーロー誕生。」 「『俺たち』はヴェノムだ。」 興行収入▶︎22.5億円? 【脚本】 スコット・ローゼンバーグ、ジェフ・ピンクナー、ケリー・マーセル、ウィル・ビールの4氏が担当。 普通。良かった点は特

        ※ネタバレあり#22映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想その1

          #18 映画「千年女優」感想

          隠遁生活を営むかつての名女優が少女時代からの恋に酔いしれている物語。 『パーフェクトブルー』に続く今敏監督の長編アニメ第二作目。2002年9月14日公開。制作会社はマッドハウスとジェンコ。 作品は現在・過去・未来の入れ子構造になっている。 ジャンル▶︎恋愛 要素▶︎芝居 キャッチコピー▶︎「その愛は狂気にも似ている」 【脚本】 村井さだゆき氏と今敏氏が担当。 ▶︎正直、普通だった。どちらかというと、面白くない。その原因は、視聴者を困惑させることができなかったからだと分析す

          #18 映画「千年女優」感想

          #17 映画「パーフェクトブルー」感想

          理想と現実の乖離に悩める2人の女性が過激な手段をとりながら自己を追求していく物語である。 今敏監督の処女作。今監督の作品は『パプリカ』が有名だが、本作もかなり今監督の作家性が発揮されている。気持ち悪いのに惹きつけられる。いや、気持ち悪すぎて見たくなる。昨今の綺麗すぎるアニメでは絶対に感じられない魅力があった。 ジャンル ▶︎ホラー 要素 ▶︎パーソナリティ、アイドル、芝居 キャッチコピー ▶︎「もう自分のことがわからない」 興行収入▶︎8000万くらい?(76.8万ドルらし

          #17 映画「パーフェクトブルー」感想

          #15 映画「劇場版 アーヤと魔女」感想

          人身掌握に長けた少女が魔女とよく分からない男を支配していく物語。ジャンルは「ファミリー」。要素に「魔法」「擬似家族」。 キャッチコピーは「わたしはダレの言いなりにもならない」と「私のどこが、ダメですか?」。前者のほうが圧倒的に良い。 つまらなかった。原作もので原作がつまらないのかどうかは不明。話が単純すぎる。その割にスッキリしない結末。 【ストーリー】 丹羽圭子、郡司絵美の両氏が担当。 致命的につまらない。一つ目に、主人公アーヤの動機がない。アーヤがこの物語の中で何を達成し

          #15 映画「劇場版 アーヤと魔女」感想

          #14 映画「スパイダーマン:スパイダーバース」感想

          “普通“を希求する少年が、クモに噛まれスパイダーマンの能力を得て、普通ではなくなってしまう物語である。キャッチコピーは「運命を受け入れろ。」 ジャンルは「アクション」「SF」「ヒーロー」。要素に「タイムパラドクス」「超能力」。 スパイダーマンシリーズでは初となるアニメ映画。第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞作。興行収入(日本国内)は9億円。 【脚本】 フィル・ロードとロドニー・ロスマンの2人による共同執筆。 脚本は超王道のスパイダーマン物語。パッとしない貧弱な主人公が

          #14 映画「スパイダーマン:スパイダーバース」感想

          #11 小説「今夜、すべてのバーで」感想

          アルコール中毒の中年男性・小島容(こじまいるる)が入院生活を送る中でアル中とそれによる生死について向き合う物語である。ジャンルは「ヒューマン」。要素に「酒」。著者は中島らも。1994年に講談社より刊行。 とても読みやすくおもしろい。中島らもの体験に基づいているそう。プロットもおもしろいが、コミカルな表現も本書の魅力だと思う。お気に入りはP33,l3~5である。淡々とした語りから繰り出される強烈なたとえ表現に声を出して笑ってしまった。 本作には主要な登場人物が4人いる。主人公

          #11 小説「今夜、すべてのバーで」感想

          #10 漫画「BEASTARS(全22巻)」感想

          草食系肉食獣であるレゴシが、肉食獣としての本能に抗いながら、草食獣のハルに恋をする物語である。ジャンルは「ヒューマンドラマ」「恋愛」。要素に「擬人化」、「学園物」。 最初はイマイチかと思ったが、徐々に面白くなっていき、読後はかなりの満足感が得られた。作者は板垣巴流先生。調べてみたら女性の先生で、ビックリ。差別とかではなく、父である板垣恵介先生の作品のイメージで勝手に息子さんかと思っていた。 【ストーリー】 本当に面白い。 特に、葛藤の描き方が絶妙である。本作の葛藤は肉食と草

          #10 漫画「BEASTARS(全22巻)」感想

          #9 映画「東京リベンジャーズ」感想

          元ヤンのニートが、死んでしまった元彼女を救うために、ヤンキー時代にタイムリープして、現実を変えていく話である。ジャンルは、「SF」「ヒューマンドラマ」。要素に「不良」と「タイムリープ」。漫画原作であり、漫画を読破した上で鑑賞した。 【脚本】高橋泉氏が担当。漫画の巻数で言うと、4巻の第32話までを映画では描いている。正直なところ、可もなく不可もない。良かった点は、冒頭に現代マイキーを描いたところ。闇堕ちしたマイキーと稀咲が人を轢き殺すシーンが冒頭にあり、原作読者はびっくりした

          #9 映画「東京リベンジャーズ」感想

          #8 映画「竜とそばかすの姫」感想

          田舎に住む目立たない少女が、インターネット世界で有名人となる。そして、インターネット上で嫌われている者を救う、物語である。ジャンルは、「ミュージカル」と「ヒューマン」。現実世界と仮想世界(本作ではUと呼ぶ)の両世界が対比されている。特に、匿名での誹謗中傷に対する細田の見解が脚本に如実に現れていた。 【脚本】  正直イマイチだと思った。前半はテンポが遅く、後半はテンポが早すぎで、調子が狂う。まず、気になったのは冒頭。映画は最初の10分が超重要だと言われる。10分以内に観客が面

          #8 映画「竜とそばかすの姫」感想

          #7 映画「キャラクター」感想

          魅力のある主人公を描けない漫画家が、殺人鬼と出会い、それを主人公とした作品で売れっ子漫画家になる話である。ジャンルは、「サスペンス」と「ホラー」。特筆すべきは、実写映画でオリジナル脚本である点。大手シネコンで上映している作品は、多くがメディアミックス展開の産物かアニメ映画なので、当作品は珍しいと言える。 本作品の良かった点は大きく2点。まず、シナリオが面白かった。正直、漫画家と殺人鬼が出会い、それを漫画にした時点で、漫画家が最終的に殺人鬼に狙われるというのは予想の範囲内だっ

          #7 映画「キャラクター」感想

          #5 映画「夏への扉-キミのいる未来へ-」感想

          「悲劇の研究者が自分で仕組んだ未来を紐解いていく」話である。ジャンルは、SF。予備知識なしで鑑賞。原作ありなのかオリジナルなのかも知らなかった。冒頭に、主人公の不幸が描写されたため、感動系、ラブロマンス系の物語かと思った。結果、ラブ要素もあったがSF要素の方が強い。 【良かった点】①相棒(人型ロボット)がいる点。本作はこのバディとともに謎を紐解いていく、というのが大まかなストーリーである。実は、このロボットに秘密が隠されており、ストーリーに大きく関わっている。また、作中では

          #5 映画「夏への扉-キミのいる未来へ-」感想

          #4 映画「トゥルーノース」感想

          「北朝鮮の収容所で一人の少年とその家族、友人が生きるための選択をする」話である。ジャンルは「社会派」。アニメでこのジャンルを扱うというのは珍しい。良くも悪くも映像の3D表現がぎこちない(ディズニーと比較すると)。しかし、これが作品全体のシリアスさに深みを持たせていると感じた。 【良かった点】①生々しく収容所の実態が表現されている点。②音楽(サウンドトラック)が印象的だった点。③オチというか、最後にちょっとしたどんでん返しがある点。鑑賞者は「あ、そっちか」となったはず。 社

          #4 映画「トゥルーノース」感想

          #3 映画「きみと、波にのれたら」感想

          「最愛の彼氏を海難事故で失った彼女が、彼氏というトラウマから決別する」話である。ジャンルは、「ラブロマンス」と「ファンタジー」のミックスと言える。割と王道的な展開だが、鑑賞中決して飽きることはなく、切なさも味わい、予想以上に楽しめた。 【良かった点】                           「愛する人を失う」というショッキングな出来事に対して、丁寧に描写されている点。好き嫌いが分かれるだろうが、水中に故人である彼氏を召喚するという描写は、私は好きだ。特に、召喚の

          #3 映画「きみと、波にのれたら」感想