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カタチになるまで 続

バタバタと制作と日常に追われる日々のなか
つくりかたについてしたためておく

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粘土ワーク

わたしの硝子の作品づくりは
粘土と石膏に向き合っている時間がほとんど
どちらの作業も好きです

Mellow Glass
森の記憶

粘土は
カタチづくりをするたび
粘土板のうえでこねて使います
年季が入っている粘土なので色が濃くなっています
粘土は何度も再生して使うことができます

粘土でつくった原型

木の板で叩いたり
ヘラで整えたり
机の上でパンをこねるような音がしています
パン職人気分でこねています

カタチができたら
濡れタオルをかけビニールに包んでおきます
こうすることで次の石膏取り作業まで保管することができます

この粘土づくりの工程は
毎日毎日行っています
粘土原型がある程度たまったらいよいよ石膏取り作業となります

この粘土の段階で
教会の十字架の根元や煙突などもつけておきます

石膏取り

原型ができたら石膏取りの準備に取り掛かります
石膏が流れ出ないように原型の周囲に壁をつくり
石膏の決壊を防ぐ作業をします
作品をいくつか並べ数個一緒に型取りします

石膏は鋳造用の耐火石膏をつかっていて
ある程度の高温に耐えられます
溶いてから15分ほどで硬化がはじまるのでテキパキと進めます
この作業中は電話鳴ってもお客さんが来ても対応しません
石膏を無駄にしたくないのです

もともと
耐火石膏を大切にしてきましたが
年々価格上昇をしていて今はうんと大切にしています
そしてこの石膏を再生して使わないので一度きりの利用となります

このときのわたしはケーキ職人の気分です
生クリーム状になった石膏をぬりぬりしていきます
感覚はクリームに似ていて
ゴムヘラ シリコンベラなどをつかって仕上げtりきます

石膏を流し固まったら粘土ヘラで取り出します

石膏から粘土を取り出す

黒いとこが粘土
白いところが固まった石膏

粘土原型写真の
右奥にあった粘土が石膏型手前のもの

こうして粘土を取り出すので
作った粘土原型は一回限りのものとなります

型洗い

粘土を取り出したら
水道で型を綺麗に洗います
筆やスポンジをつかって粘土を取り除きます
石膏にほんの少し粘土が残る時があるけれど気にしません

綺麗になった石膏型

いくつもの石膏型を一気につくり
型につめるガラスの量を計測します
粘土の重さから計算してもいいのですが
わたしは
石膏型に水をいれて計量します
計量したら鉛筆で水の重さを書いておきます

そして石膏を乾燥させます

色付け

乾かした石膏型に
窓や屋根の色を塗っていきます
陶芸の釉薬をつかっています

石膏型に直接塗る
乾いた石膏型は水分を一気に吸い取るため
筆先から吸い込むように色が石膏についていきます

お菓子づくりのアイシングの工程の気分です

石膏型へ釉薬を塗っているところ

黒い窓やドア
ここは石膏ではとび出ていますが
ガラスになると凹んでいるところになります

屋根にも塗り込みます

そしてまた乾燥させておきます
湿気の少ないこちらでは石膏型がよく乾きます

電気炉で焼成

ザラメ状のガラスを石膏型に詰めこむ
石膏の段階で計量した水に対してガラスの比重を掛け合わせて重さをだします
お菓子づくりと同じく
はかりと電子秤をつかいます

複数の石膏型にきっちり詰め込んだら
電気炉にいれます

電気炉は
陶芸用ガラス用とありますが
温度が900度まであがるものを使っています
電気炉にて900度近くまで温度をあげてガラスを溶かします
石膏型に塗られた釉薬も800度で定着します
最高温度まであがったら
常温になるまで数日かけ冷ましていきます

石膏割り出し作業

常温までガラスが冷えたら電気炉から取り出す
ゴム槌で石膏をトントン叩いて型を割ります
こうやって石膏を割らないとガラス作品を取り出せないので
石膏型は一度きりしか使えません

石膏から割り出した作品

石膏に塗った釉薬がどうなったかというと
割った石膏型にたっぷりついてたり
ガラス側の作品に思うように着いていたり
作品にちょっとしか残ってなかったり

こればかりは予想できない

そしてこの石膏割り出し作業は
ホコリまみれになるのであまり好きではない工程

粘土右奥がガラスになったもの

石膏からガラス作品を取り出したら終了ではないのです
カタチをみて
作品として採用になるか(わたしが決める)
またガラス原料に戻すかの選定を経て
いよいよ研磨作業へ

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