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2005 インドネシア・ロンボク島を折りたたみ自転車(Birdy)で旅した話
旅の前半、バリ島の内陸部を走ったり飲んだり食べたりしたわたしとBirdyであった。そのくだりの旅日記は以下にまとめるところである。
然るのちフェリーに乗ってバリ島を後にし、所用3時間のはずが6時間かけて隣のロンボク島に流れ着く。ダイナミック延着で夜も更けて小さな港に放り出されたわたしは、なすすべもなく手近な安宿に転がり込んだ。
ここからこの小さなムスリムの島を二泊三日で旅しようというのがここからのお話。
朝5時、近くのモスクのスピーカーから流れるバカデカ爆音詠唱で目覚める。ヒンズーのバリ島と違ってここはムスリムの地、朝寝坊は許されず全員早起きしてお祈りしなければいけないのだ。旅に来てるんだなあと感慨もひとしおだ。
安宿ぽい朝食を出してもらって荷造りし、出発する。その間、宿の北島三郎似のおやじはピックアップトラックの洗車に余念がない。自慢の愛車なのだろう。ピカピカに磨き上げた頃にわたしも出発しようとしたが、ピカピカにしたのにエンジンが掛からない。なんという片手落ちだ。妻子に加えてなぜか客であるわたしまで動員されてみんなで押しがけして無事エンジンが始動したのだった。サブ似のおやじとわたしのそれぞれの1日が始まる。
レンバルから島の下半分を斜めに突っ切って南岸のクタビーチまで行こうというのが今日の行程だ。
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いみじくもインドネシアの一地方であるから、もちろんクルマも原チャリも多く走っているが、この島の主な公共交通は馬車である。チドモという。観光用とかでなくガチのローカルトランスポートだ。
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街の中心にはチドモステーションがあり近郷各地への便が出ている。
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速度はわたしの漕ぐ自転車よりも遅い。いきなり長閑だ。持続可能だしCO2も出さない(うんこは出す)。わが国もチドモを導入してはどうだろう。仙台市営馬車。
主要道はまだしも、田舎道に入ると路面は舗装が荒れている箇所が多い。自転車としてはこんな舗装ならしてくれないほうがいい。チドモもたぶんすごい揺れる。
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乾いた風景が続く沿道はタイ東北部を、また緑のなか至る所にモスクがある風景はタイ南部を思い出させた。
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ロンボクというのは「唐辛子」の意だそうだ。唐辛子アイランド。途中の村の食堂でバクソを食べたらピリ辛唐辛子ソースが備え付けてあって、これはおいしい。
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クタに到着する。バリ島にも同名のビーチがあって、あっちは一大観光地でドンドンパンパン状態だが、こちらのクタはツーリストより牛が幅を利かすのどかな地である。
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ビーチも人が少なくまったりした空気が流れる。
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「コンニチハ、波乗りニキタノ?」投宿したホテルのスタッフ兄ちゃんにいきなり妙に流暢なタメ口日本語で話しかけられ面食らう。ここクタはサーフィンの名所として名高く、日本人サーファーもあまた訪れるとのこと。現地スタッフはタメ口以外の日本語に接したことがないのだろうと推察した。
昔わたしもサーフィンをやっていたので興味があって尋ねてみたが、ここらは上級者向けのリーフブレイク(ボートで沖に出て乗る)で、わたしのような下手が軽い気持ちで楽しめるものではないのだった。
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宿の周辺をポタリングする。乾き切った無人の荒野が広がる。
小さな村を通り抜けると「コンニチハトモダチ!」とか声がかかる。こんなところまでサーファーが来るのだろうか。
ところどころに特徴的な藁葺きの家が連なる村を見かける。ロンボクの先住民族ササク人の集落だ。野外で炊飯し、ヤギを多く飼っている。
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ばんめしだ。宿のレストランで「ササク風アヤムゴレン」「ササク風サテ」などのササク定食を頼んでみる。要はピリ辛ソースがササク風というわけらしい。
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pt2につづく…