Windows11にApple Music v1.4をインストールして使用してみた。

続きを予告しておきながら、多忙すぎて前回記事からひと月も開いてしまいましたが、Windows版Apple Musicを使用して感じたことを書き残しておきたいと思います。

各論に入る前に

AppleがiTunes Matchというサービスを始めた頃からAppleのポリシーは「当社のエコシステムに乗っている限りはあなたの保有音源より最良の音を聴かせる」で今も一貫しているのでしょうが、独自で音源管理したい自分のようなユーザにとっては時にそれは、行き過ぎた介入と思えてしまう部分がありました。(そしてそれは、当初から「ライブラリが破壊される」というハレーションとしてSNSで広まっていました)
以下、違和感を感じた部分を列挙していきますが、これらはすべてAppleを使い続けるならユーザが受け入れざるを得ない変化であり、Appleとしては他アプリに流出させまい、旧アプリへの後戻りもさせまいという意図なのでしょう。

①マッチしたより良い音源で聴かせてくれる…けれど

これ自体は大歓迎。ただし、これは手持ち音源がダウンロードされていない端末においてのみ有効なのかもしれない。

Windowsアプリの挙動としては、Apple Music表示中は(ハイレゾ)ロスレス再生されるけれど、ライブラリ表示のときに同曲が(ハイレゾ)ロスレス再生されるかどうかは不明(手持ちのロッシー音源が再生されてしまう可能性がある)。また、(ハイレゾ)ロスレスのサンプリングレートをアプリ上で確認することができないため、ビットパーフェクト再生になるようにサウンドデバイス設定を合わせたりするのは非常に困難。そもそもASIOにもWASAPI排他にも対応してくれていない。

②アートワーク問題

意図しないアートワークの変更はしてほしくないとマッチの頃から反響があるのに頑ななApple。特にコンピレーションアルバムで顕著に発生しますが、1曲目のアートワークをアルバム全体のアートワークにされてしまうため、違和感がある。が、対策としてはコンピ全曲をばらしてそれぞれを単曲として登録しておくしかなさそうです。

③CDリッピングできなくなった

Windows版Apple MusicにはCD取り込み機能がない(iOS版にはあるらしいので何故削られているのか意味不明ではある)。
従来のiTunesもAudiobook/Podcast用として起動できるので、無理やりリッピングすることは可能だけれど、あくまでAudiobookとしてのリッピングになるのでAudiobooksフォルダ配下にアーティストごとのフォルダは作成されるけれどさらにその配下にアルバムごとのフォルダが作成されることはない。コンピレーションアルバムをリッピングすると歌唱アーティストごとにばらばらに楽曲ファイルが生成されてしまう訳の分からないことになる。
そしてリッピング結果は自分でApple Musicアプリに登録しないと自動で取り込まれたりはしない。非常に手間がかかることになってしまった。

④クラウドミュージックライブラリへの反映が遅い

これは自分のiTunesライブラリが2006年から15年以上かけて育成されているため楽曲数が5万曲ちかくあることが原因と思われるが、使用開始から1ヶ月以上たった今なお、Apple配信曲にマッチしなかった曲がほぼiCloudにアップロード済みにならない。
ただし、Apple Musicアプリ使用開始後に新曲として登録した楽曲のみ、すぐにiCloudにアップロードしてくれる。過去曲はいつまで待てば反映されるのかわからない。ピンポイントですぐ反映してほしい曲を個別指定できればいいのだけど、ライブラリ更新内容をライトニング経由ではなくクラウド経由でしか端末に反映できなくなったのがこれまた不便すぎる。

⑤ライブラリを更新してもiTunes Library.xmlが更新されない

Apple Musicアプリに対して追加した楽曲データがiTunes Library.xmlに反映されない。これは、Apple Musicを解約してiTunes for windowsに帰還することはできないよと言っているようなものか。解約したときにこれまで追加された楽曲データをiTunes Library.xmlに書き戻してくれるとは思えないし。
これも下位互換性が断たれているという意味でリスクではあります。

iTunes for windowsからApple Musicにアプリを乗り換えた時に、旧アプリでの再生回数が引き継がれていないような気もします。通年で再生回数を記録し続けたいユーザには、この断絶も受け入れられないように思えます。
(新旧アプリ間で再生1回の基準も変わっているようではありますが)

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