転職しない選択肢を提案する転職エージェント
こんにちは!マッキンゼー出身者中心に構成されたハイクラス向け人材紹介事業「MELIUS(メリウス)」創業者の田中直道です。
前回の記事では、なぜ20~30代のハイクラス層に特化したキャリア支援を行っているのか、についてお話ししました。
今回は、MELIUSがエージェントとして皆さまのご支援を行う上で大切にしていることについてお話しできたらと思います。
履歴書の経歴だけでは分からない真の想い
私達は、エージェントとしての信頼をまず得るには、プロファームや事業会社とのコネクションの強さだけではなく、あらゆる業界や企業に対して幅広い知識を持っていることが大前提として必要だと感じています。そこから、更に候補者の方の中長期的なキャリアゴールを一緒に明確にしていき、そこから逆算した今あるべきキャリア設計に寄り添っていくことが最も重要だと考えます。これは、候補者の方とエージェントの双方への理解が深まって初めて、その方にとって最適なキャリアの選択肢ができると思うからです。
候補者の方との初回面談では、求人紹介をあまり行うことがありません。これは、候補者の方の経歴書からだけでは想像できない今までされてきた進路の選択の裏に隠された想いや、描いている将来像の本当の意味する真意を紐解く、「キャリアの棚卸し」が今後のキャリアの選択肢を決定するにあたって非常に重要だと考えるからです。
年収が低いから転職したい?
実際に、私が過去にご支援したエンジニアのAさんの初回面談では、「現職に明確な不満があるわけでもないが、モチベーションがないため一度環境を変えてみたい」といって、ご相談に来てくださいました。
確かにその時のAさんの表情は暗く、笑顔があまり見られなかったことに私も違和感を覚えました。上手く表現できないのですが、おそらく現職であまり生き生きと仕事をすることが難しくなってしまっているのだろうなと感じました。そこから、「なぜモチベーションが上がらないのか」を聞くと、最初は「年収が低いから。」との回答でした。しかし、年収が上がったAさんは生き生きとした表情を取り戻せるのか?と考えた際に、おそらく私としては答えはNOだろうと感じました。
それはおそらく、私自身何百人もの方のご支援をしてきた中で、「年収」という定量的なものが解消されただけで、一時的にモチベーションは上がったとしても、おそらくまた同じ問題で悩まれるのではないかと感じたからです。
そこからは、Aさんという方の人生を振り返り、一緒にヒントを探しにいきました。Aさんとは3回に及ぶ面談でしっかりと時間をかけ、経歴書からだけでは分からない、Aさんのご思考や何かを決断する際の癖など、ご自身がうまく言語化できない部分に何度も向き合って考えていただくということを繰り返しました。候補者の方の中で、本音と建前のように、心の奥底で感じていることと、実際に言葉として出てくるものに違和感があるならば、その根本を突き止めてすっきりした状態で一歩踏み出して欲しいと考えるからです。
Aさんは、経歴だけを見ると学生時代から一貫して理系の道を歩まれ、エンジニア職に就かれています。しかし、幼少期からいろんなポイントをたどっていくと、学生時代の販売員のアルバイトで厳しい指導を受けながらも、トップクラスの売上をつくり、結果を残すことにやりがいを見出していたようでした。また、現職ではリモート環境やメンバーの少なさによって、他者との関わりが生み出せず「孤独」であることもわかりました。これは経歴書の文字からだけでは気づくことができない、Aさんが価値を感じている部分でした。
そこから、アルバイト時代のように例え厳しくてもいいから、周囲からのフィードバックがあり、成果を残すことに貪欲な環境がいいのでは?と話すと、非常に納得した様子で、今のままでは外の世界に出た時にどの程度通用するのかの価値基準がわからず不安だ、と生き生き仕事が出来ていなかった根本の理由を見出すことができました。
という言葉のように、この人がどういう人なのか、自信をもって語れないようであれば、紹介できないという気持ちで、候補者の方と徹底的に向き合う気持ちで臨んでいます。
そして、ここがきちんとできていれば、企業の方にお繋ぎする際も、企業の組織づくりの一端を担っているという意識で、各社が求めている人材をしっかりと見極め、強くフィットする候補者をご紹介できます。
実際に、
などの嬉しいご評価をいただけたことが、立ち上げ間もないMELIUSチーム全体の自信につながっています。
一度きりの転職支援では、成功とは言えない
人材紹介は、一見、候補者を転職させるのみの短期的なスポット事業だと思われがちですが、MELIUSでは数年・数十年と続くべき積み上げビジネスだと考えています。
これは、直近の転職だけでなく、その後の社内での小さなキャリアチェンジや、2回目以降の転職なども含め、最後のキャリアを終えるまで、しっかりと伴走していきたいという想いがあるからです。
候補者の方からは、実際に「転職ありきの営業的なコミュニケーションではなく、長期的なキャリアを意識した上でフラットな目線で選択肢を提案してくれた」とMELIUSスタイルに共感を多くいただいています。
実際に、その方にとってのキャリアの最善策が何かを考えた時に、それが現職に残ることであった場合は、「転職をしない」という提案も正直にお伝えします。転職だけが正解と決めつけず、広い視野で向き合う姿勢は、MELIUSらしさだと自負しています。
「徳を積んでいきましょう」という奇妙なワード
前回の記事で、私自身の大きなモチベーションが「感謝」であることをお話しました。しかし、これはどのように実感していくものでしょうか?
本当の意味での感謝が形づくるものは、MELIUSを通じて出会った皆さまが長きにわたってお付き合いを継続して下さる、という良好な関係そのものだと、私は信じています。
実際に、初回面談時には転職を検討していなかった方が、しばらくして転職を考え始めた時に再度ご相談しに来ていただける、更にはご本人だけでなく周りのご友人をご紹介していただける、といったありがたい連鎖が起こっています。
何かきっかけがあるたびに「またMELIUSにお願いしよう」と思い起こしていただけるかどうかが、我々の腕の見せ所とも言えるでしょう。
そんなMELIUSのチーム内において、よく「徳を積んでいきましょう」といった表現が自然とでてきます。一人ひとりとの出会いを大切に、日々できることを一歩ずつ、どんなに小さくても着実に積み重ねることで、今後も私たちのビジョンである「リーダー人材の巡り」をより大きなうねりへと昇華させていきたいと思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
【キャリア相談をお考えの方】
ネクストリーダーのための転職エージェント「MELIUS」では、次世代の変革をリードする若手ハイクラスの方へ、中長期的なキャリア設計から具体的な求人に至るまで幅広くご相談いただいております。
ぜひ、転職ありきではなくお気軽にこちらの「キャリア相談」よりご相談ください。
【メンバー募集】
現在、「MELIUS」では、私たちと一緒に「世の中のリーダー人材の巡りを良くする」を事業ビジョンに掲げ、一緒に働いてくださる方を募集しています。私たちとまずは、カジュアルにお話しさせていただければと思いますので、下記の「メンバー募集」よりぜひお気軽にお問い合わせください。
皆さまのご連絡を心よりお待ちしております!