「クレイジー・フォー・ユー」劇団四季の本気
ごきげんよう。ミュージカル大好きメリアです。
2023年の振り返りをしています。
今回は、劇団四季70周年記念公演「クレイジー・フォー・ユー」について。
初演時の記憶も織り交ぜながらの投稿です。
クレイジーフォーユー概要
初演は1992年2月 ブロードウェイ。
日本初演は1993年2月9日 日生劇場。
その後も再演を繰り返す劇団四季の人気作です。
これまでの公演回数は1950回を超えるそう。
今回は、2015年以来の8年ぶりの再演でした。
劇団四季の挑戦
・ラブコメに初挑戦
初演を振り返ると、当時の劇団四季で、ブロードウェイの作品は1979年初演の「コーラスライン」以来だったそうです。
そして、アメリカに継ぎ、世界で2番目に公演されたのが日本でした。
しかも、劇団四季では、いわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」なラブコメディを題材としたミュージカルは、初挑戦だったとか。
これらからも、この作品への劇団の力の入れようがわかります。
・洗練されたダンスシーン
ため息が出るほど圧巻なダンスシーンは、本作の最大の魅力です。
タップダンス、小道具を巧みに使った踊りと、ストローマンの振り付けには、
高度なダンス技術を要します。
1992年秋に、選抜メンバー6人が渡米し、全キャスト29人分の振りを4週間で覚えて帰国するという神技こそ、まさにクレイジー‼️でした。
あれから30年以上経っても、この作品のダンスシーンは息を呑むほどに素晴らしくて、ワクワクしちゃう。
初演メンバーの努力のおかげですね。
劇団の本気っぷりは、更に続きました。
初演から3年経った1996年に、振り付けのストローマンが来日。ダンスの見直しをし、ブラッシュアップをする徹底ぶり。
この作品で、同劇団のダンス力が飛躍的に向上したのは当然のことでしょう。
ボビー
初演を観劇した時、加藤敬二さんと、荒川務さんのボビーのダンスが素晴らしくて、
一挙手一投足を見逃すまいと目を凝らしたメリアでした。
今回、ベラ・ザングラー役で登場された荒川務さん。
軽やかで華のあるステップは健在でした。
ザングラーとボビーが、シンクロする振り付けのシーンでは、
まるで荒川ボビーが復活したかのようで、懐かしく嬉しい気持ちになりました。
ガーシュインの楽曲
ガーシュイン兄弟の楽曲抜きには、「クレイジー~」は語れません❗
ジョージは、「ラプソディ・イン・ブルー」、「パリのアメリカ人」、「ポーギーとベス」の作曲も手掛けています。
ガーシュイン兄弟の曲は、聞く人をハッピーにさせる魔法がかかってる。
1幕終わりの「I got rhythm 」は、その最たるもので、
幕間には、ハッピーな気分で鼻唄を歌う観客たち(笑)がいる。
ほかにも、「Sall we dance?」「But not for me 」など、名曲がたくさん。
明るい曲も、悲しい曲も、ジャズのリズムが心地よい。
工夫がいっぱい
プロジェクションマッピングなど、先進技術は使われない。
だからこそ、工夫をこらした温もりある舞台演出が実現しています。
車、電話、トレー、ロープ、椅子などを小道具にみたてたりと、楽しませてくれる。
難易度の高いダンスと名曲揃いと聞くと、
何か堅苦しくなるところ。
そんなイメージを打破するのが、アナログな創意工夫された演出なのかもしれません。
お写真、動画は劇団四季HPからお借りしました