帰り道 日ごと冷たくなっていく風に凍えたとき 君を感じた まるでこの体温のぬくもり半分が 君のぬくもりみたいに 冬が好きだと言っていた 君の言葉のせいだろうか
春のおわり頃 たんぽぽの綿毛を運ぶ透明な巨人は 僕のTシャツを柔らかくなびかせて 通り過ぎて行った どこまでも真っ青な空と 同じ色に見え隠れしている透明な巨人が 連れ去った時間を成層圏で逃してしまったから 消えかけていた記憶が 太陽にきらめきながら降りそそいだ 停滞する秋雨前線に なすすべもなく振り回され なぎ倒してしまったナナカマドの赤い実を 透明な巨人は悲しく見つめながら 鳥たちがやって来るまで 冷たい体で行ったり来たりしていた 凍りつきそうな夜 幾つもの星々が瞬い
一歩踏み出す 近づく きっと 君の行きたい場所へ 一歩下がる 見えてくる きっと 君に欠けているものや 君が持つべきもの そんなふうに 君は鍛えていく 君自身の実りのために
この感じ 僕は知っている 大好きなラの音が 景色の中でリズムを奏でる 気分がよくて 心地よくて 青空まで歩いて行けそうな ラララ