メルボルンの片隅で

詩/写真日記/ショートストーリー

メルボルンの片隅で

詩/写真日記/ショートストーリー

マガジン

  • 【自作詩集】 霧の森〜記憶を彷徨いながら〜

    オーストラリアに来てからの風景や心情を綴った詩 心から消し去ることのできない想いなどの書き殴りの詩

  • 写真日記/写真

    メルボルン周辺(ダンデノン丘陵/ヤラ・バレー/モーニントン・ペニンシュラ)のスナップ写真と呟き

  • 11月なのに何故か9月なUSAの旅

    2022年11月に行ったアリゾナ、ニューメキシコ、ユタの旅を写真を添えて詩、エッセイで綴ってます。

最近の記事

【クロアチア】スプリト

またバスに揺られながら南下してスプリトへ。 スプリトに到着してバスから降りると南国的な温かな風を感じた。 活気があるというか… スプリトはアドリア海に面するクロアチア第二の都市で、ディオクレティアヌスが築いた宮殿を基盤にして時代ごとに増築されたエキゾチックな建物が並ぶユネスコ世界遺産の街。個人的には『洗練された街』という印象だった。 またもちろん、スプリトもドブロブニクに次ぐゲーム・オブ・スローンズの撮影地。 ディオクレティアヌス宮殿中庭には常時中世の兵士の格好をしたパ

    • 【クロアチア】シベニク

      ザグレブからバスで4時間ほど南にある小さな港町シベニク。ここの旧市街の石畳の細い路地の写真をネットで見た瞬間「行きたい!」と思った。ヨーロッパ中世を感じる異国情緒がある。 バスターミナルに到着して重いスーツケースを引きずりながら予約を入れておいたアパートメントに向かった。海沿いだから眺め良いかも…なんて思いながら。 前日にオーナーさんから届いたメッセージには、アパートメントに辿り着くまでの複数の目印やら暗号めいたものが書かれていて、まるでRPGプレイしているみたいでかなり

      • 【クロアチア】グロジュニャン/モトヴン/ロヴィニ

        クロアチア3日目は、グロジュニャン、モトヴン、ロヴィニと3つの小さなヴィレッジを訪ねるツアー。元々はモトヴン、ロヴィニの2つだけのツアーだったのを友人の意向でグロジュニャンも追加してもらうことになった。かなりの強行ツアー。まだ薄暗い朝6時にニコラ・テスラ通り(かの有名なニコラ・テスラはクロアチア出身なのだ)近くにある公園の百葉箱の前で待ち合わせ。 グロジュニャン かつてヴェチア共和国だったイストラ半島の北西部に位置するイタリア系の小さな村。到着して辺りを見回した時は見慣れ

        • 【クロアチア】プリトヴィッチェ湖群国立公園

          ヨーロッパでも屈指の美しさを誇るクロアチアにある国立公園。 クロアチアの首都ザグレブからツアーのバンに乗って3時間程度だっただろうか。途中ラストークという小さな村に立ち寄り散歩。 大雨の影響で滝の水も潤い、緑もみずみずしく生い茂っていた。 (基本写真中心です。) プリトヴィッチェ湖群国立公園に到着。 雨が降ったり止んだりで、その中でカメラを出したりしまったりは面倒だったけど、空気の美しいイオンいっぱいの自然に囲まれて清々しかった。普段はこの辺りの自然水は飲めるらしいのだが

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        • 【自作詩集】 霧の森〜記憶を彷徨いながら〜
          35本
        • 写真日記/写真
          11本
        • 11月なのに何故か9月なUSAの旅
          11本

        記事

          【クロアチア】ザグレブ(首都)

          9月にクロアチアとオーストリアのウイーンに行ってきたので、その時の写真をアップしていきたいと思う。 何故クロアチア? 出発前に数名の友人に「クロアチアに行ってくるね。」と言うと「クロアチアってどこ?」と言われてしまった。イタリア、フランス、イギリスなどに比べたらかなり控えめな国だから仕方ないのだけど。 クロアチアは、コマーシャルや映画、ドラマなどのロケ地としてよく使われていて、私もオーストラリアでオランダ産インスタントコーヒー『Moccona(モコーナ)』のコマーシャルを

          【クロアチア】ザグレブ(首都)

          ご無沙汰しております。 メルボルンは秋🍂 今年は結構寒いのですが、その分紅葉は綺麗です🍁

          ご無沙汰しております。 メルボルンは秋🍂 今年は結構寒いのですが、その分紅葉は綺麗です🍁

          【詩】漂う

          夢を越え 宇宙を越え 時空を越え あてもなく漂う どこに行きたいのか わからなくて 空気や 水や エネルギーのように 引き寄せられるままに 彷徨い続ける 「何処に行きたい?」 僅かな記憶の欠片から 悲しい音色だけが流れる 安らかに留まれる場所が 見つかるまで…

          【詩】祈り

          全ての経験は 祈りに代わる 楽しかった経験 嬉しかった経験 『素晴らしい経験をありがとう』と 笑顔で魂に語りかける 美しい記憶は 内なる世界を 愛に満ちた 優しい場所にしてゆく 悲しかった経験 怖かった経験 『大丈夫安心して』と 手をひき 愛に満ちた 内なる世界に 連れていく 私とわたしが出逢う場所 何人も何事も 評価する事なく 素直な心情を 受け入れ抱きしめる 魂に微かな光が宿り 悲しみと恐怖の 輪郭が薄れ 暗闇を照らし 平穏が蘇る 要らなくなった過去の

          【ショートストーリー】クリスマス・プレゼント

          <登場人物> 彩(5歳ぐらい) 彩のお母さん (美咲:彩の妹) エリ(5歳ぐらい) おばさん(エリちゃんのお母さん) おじさん(エリちゃんのお父さん) エリ: 彩ちゃん、もうサンタさんにプレゼントのお願いした? 彩: サンタさんって? エリ: 彩ちゃん、サンタさん知らないの? サンタさんはね、クリスマスにプレゼントを持ってきてくれるんだよ。 だから、欲しいものを紙に書いてサンタさんへのおやつと一緒にクリスマスの靴下に入れておくんだ。 彩: そうなんだ… エリちゃん

          【ショートストーリー】クリスマス・プレゼント

          【写真日記】スローシャッターで撮る波

          朝から夏らしいお天気になると前日の予報で言っていたので、朝からモーニントン・ペニンシュラのフリンダースに気分転換を兼ねて行ってきた。フリンダースは、夏の夜(と言っても条件が調った時のみ)にオーロラが観測できる場所として、また潜水すれば竜の落とし子に出会える場所としても有名である。 今朝の海辺までのショートウォークで、夏恒例のフレンドリーな小蝿達に遭遇してしまった。いきなり口の中に入ろうとしてきたので、「ふぅー!!」と吹き出したが、あれよあれよという間に小蝿に囲まれ、抵抗もで

          【写真日記】スローシャッターで撮る波

          【詩】願望

          大脳辺縁系が正しく機能していません 扁桃体が急激な負の感情を放出したため 海馬にダメージを齎したようです 取り出せるだけのデータをバックアップして 大脳辺縁系を削除できますか それとも トラウマになっている過去の悍ましい記憶を 大脳皮質から取り出して 書き換えることは可能ですか どちらでも構いません やって頂けたらと 半分AIになっても良いんです 感情はもう必要ありませんから AIが人間の感情を持ったら…という記事はネット上でよく見かけますが、人間から感情を取り除い

          【ショートストーリー】小さいおじさん

          重い雰囲気のストーリーが続いたので、今回はめちゃくちゃ軽いノリで。 意識が戻った時には、サンドストーンでできたアーチ型の凱旋門に張り付けられていた。詳細は覚えていないが、不当な理由で捕まったのだ。納得がいかない私は泣きじゃくりながら、 「フェアじゃない!」 「フェアじゃない!!」 「絶対にフェアじゃない!!!」 と徐々に声を大きくしながら叫んでいた。 すると突然 バシッ! 隣から誰かが私を叩いた。 「あれ?」 意識がふと現実に戻った私は、 隣で寝ている颯太に叩

          【ショートストーリー】小さいおじさん

          【詩】霧雨の降る街

          鉄の扉を両手で開くと 霧雨に包まれた街が 視界に広がっていた 小高い丘の上に建つこの家からは 街全体を見下ろすことができる あの頃は 雨に濡れたグレーの街が 湿り気を含んだ黴臭さが 私を陰鬱の果てへと押しやった 変わらぬ信念と祈りを大空に掲げ 見知らぬ敵から身を護り 傷つきながら森を彷徨い戦い続けた 希望に向けて最後の光の矢を放つ 悲しみの果てに築き上げた 魂のディストピアは 燃え上がる炎と化し崩壊した 霧雨の降る街は 静寂な潤おいに包まれた 何物にも変え難い 安

          【詩】霧雨の降る街

          【短編】シャーブルックの森①〜木彫り人形の想い〜

          <登場人物> 私(ナキア) 風(カイル) 木彫りの人形 (アーティスト) 今日もまた、いつものようにカメラを持ってシャーブルックの森に出かけた。最近は自分の心の投影というより、森の皆んなと会ってお喋りすることが楽しみとなっている。 「最近声を出さずに会話することに慣れてきたみたいだね。」 「そうね。声を発せなくても大分自然の声が聞こえてくるようになってきたわ。もちろん、森から出て君と別れると、何も聞こえなくなっちゃうんだけどね。」 「うん…」 「あ、君も私がつけ

          【短編】シャーブルックの森①〜木彫り人形の想い〜

          【詩】自己愛

          いつもと同じように 鏡の前に立ち 指でゆっくりと 唇をなぞりながら 口紅をつける 長年愛用している ピンク色の口紅 初めて買ったのは いつだっただろう あの頃の私と今の私 ふふっと笑みが溢れた 目尻と口元にできる笑い皺 祖母譲りの頬骨 悪戯に知識と知恵を 詰め込んだけど 瞳の奥に棲む私は あの頃と変わらない 今にも壊れそうな 脆いガラス細工 自信がなくて不安で いつも「これで良いのかな?」と 緊張している 何も変わらない なにも ラジオから ビリー・ジョエルの J

          【ショートストーリー】獣コブ

          これは、どこにでもある普通のお噺 鏡に映るある美しい少女の左の頬には 獣の形をした大きなコブができていた。 母に訊いた。 「どうして私の頬には獣の形をしたコブがあるの?」 「そんなのないわよ。気のせいよ。 いつもあなたは美しいわ。」 友達に言った。 「私の頬にくっついている獣の形をしたコブが怖い。」 「そんなの見えないよ。きっと夢で見たのよ。」 鏡を見ないでコブに触ろうとしたけど コブが見つからない。 ある日森に流れる小川で水面に顔を映すと、 獣はまだ少女の頬に

          【ショートストーリー】獣コブ