貴方のお気に入りのお店——譲れない一品はありますか？
こんばんは、夜分遅くに書いてます。
新卒で入った会社、営業職に属するポジションで勢いで突っ走ってがんばってきた結果、潰れて絶賛人生のモラトリアム第二弾中の蓼原ちゃん。絵描いたり文章書いたりで、何かを取り戻したい気持ちはあれど表現したいこと・その突き動かされるようなエネルギーがなくて、布団でへばってる。今あのときと似てて嫌だなあって思う時期が二つあって、そのうちの一つが今から書く初期。今日はもう3年以上前の話を少しだけ。
社会に出た今となれば大したことでもなかったんだけど、若干二十歳の私。学内の区分としてはハラスメントに当たるようなこと・発言が外部講師の先生から度々ございまして。何気ない発言だったのかもしれない、けれど、それが当時の私には恐くてしょうがなくて、それをぽろっと学科の先生に相談したらやや大事になった。大事にするつもりはなかった、というと無責任な話なんですが、後輩たちに同じ思いしてほしくないから報告だけしとこ〜みたいな気持ちだったので、事が大きくなると背負いきれなくなって、呼吸が苦しくなった。先生が当時自宅からわりと近くに住んでいるという情報が割れていたこともあって、なんかあったらお終いだな、みたいな思考は悪い方に悪い方に……。
この件以外にもね、幾つか要因が重なってのことではありますが、それらをきっかけに私は何をしていても後ろ指を刺されている感覚になって、夜も眠れず、外に出られなくなってしまった。コロナ禍真っ只中、始まったばかりだったという時勢も大分影響してたんだろうなあ、と思います。
そんな暗ーい話はさておき。家から出られなくなった私は泣きながらメンタル系の病院に電話かけたりもするんだけど、自分を奮い立たせてくれたもの、且つ癒されるものとして、このお菓子を思い出しました。
どうしてもあのキャロットケーキがたべたい！！！！！ にんじん＝キャロットケーキの図にはならないけど、どうしてあんなに美味しいのかわからないし、キャロットケーキを知ってからもほかのお店の食べたけど、結構そのお店のカラーが出るんだなって思って、私はtorinosさんにいかなきゃ、って思った。
だから、その想いだけで、メイクするために鏡を見るだけで泣き出すような状態から家を飛び出し、踏切のビートがずれていくことに耳を傾け、風に吹かれながらお店を目指す。たしかこの日は平日で、ほかにお客さんがいなかったからソファ席に通してもらった。店主のマリコさんに「今日はキャロットケーキがどうしてもいただきたくて、ずっと出られなかったんですけど、一週間ぶりに外に出たんです(泣)」なんて伝えてしまって、優しく笑ってくれたけど申し訳ないことをしたなと思います。やさしくしてくださってほんとうにありがとうございました。
そのとき行った写真がヘッダーに設定しているもの。「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」を読みながら紅茶とキャロットケーキをいただきました。
現在は台東区蔵前にありますが、移転前は墨田区の小村井／八広にあった「焼き菓子 torinos」さん。後に展示でお世話になるgallery hydrangeaさんから徒歩圏内で、展示を見た後、お菓子と紅茶をいただくのが早く講義が終わった日のルーティン。
初めてtorinosさんを訪れたときには、学内のコンテストで小説の奨励賞をとれたときの自分へのご褒美として。誰に自慢するわけでもない、そんな大それた賞ではないけれど、自分の中で書いた作品を誰かに審査・批評してもらった上で評価されたのなら、という心持ちでした。(選ばれたとはいえ、評はそんな甘いものではなかった、だからこそ次こそはという気持ちで大学4年間を学内の賞に費やすことになるのだが、それはまた別の話)
今回は、蔵前での用事の前に一時間強ほど時間が作れたので念願の来訪！！ 墨田長屋さん・torinosともに地域の立ち退きにより、移転を余儀なくされ、それから一年。現在torinosさんは花屋さんと共に営業をされており、それらと併せたギフトも作られているとのこと！ 以前のコンクリート打ちっぱなしのシックな印象よりも、木でできた店内は暖色のライトで全体的に明るく柔らかい印象に。
キャロットケーキは食べた瞬間に求めていたものはこれだ、となり、それまでの不安とか一旦飛んでいってしまう。このあまいけどしつこくないクリームと少しスパイスの効いたケーキ、顔を覗かせるレーズン。どれひとつ欠けちゃだめだ。ケーキなどお写真撮ってもいいけど、いちばん美味しいタイミングで提供しているので＆ほかのお客様のご迷惑にならんように、と但し書きしてあるのも私は個人的に好感持てるなあとより好きになるばかり。
◾️本日いただいたもの
・キャロットケーキ
・季節のタルト(キウイとパイナップルのタルト)
・烏龍ミルクティー
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