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亡霊だったあの頃、小説『desire path』

●スランプについて

 何か制作などをされている方、あるいはお仕事においてスランプを感じたことはありますか? 私はいつも文章を書くとき、書けねえ書けねえって言いながら結局書いているんだけど、そんな私でも本当に煮詰まって書けなくなってしまったときがあって。そんな頃のことを思い出しながら書いてます。
 今から四年ほど前、私がまだ大学在学中でコロナ真っ盛り。大学には行けないから全部オンラインだし、期待して選択した講義の教員が最悪でそれをきっかけに精神科のお世話になったり、だからこそ交友関係も選べたはずなのに人生経験の浅かった蓼原ちゃん、定期的に人に振り回されていろいろと踏んだり蹴ったりな時期でした。特に人生で初めてあんなにも自分の書いた小説について(厳密に言うと小説よりも私を攻撃したいだけのような気がするけど)ボコボコに言われることってなくて、かなり自信を失くしてたんだけど、今考えると結構あのとき書いた作品って最高だったんじゃね??って思えるので、よかったら皆さん読んでみてください~!『サクソンブルウの街』っていう掌編小説です!(Twitterにあらすじアリ/現在gallery幻さんでの福袋にて販売中!)

 あとは私が書いた文章を勝手に改変されているとかも堪えたなあ、という記憶があります。どれも私がそれだけ文章とかことばを大切にしている証拠だなって今なら思えるのだけど。
 そんなこんなでスランプに陥りました私。病んでて文字が滑ってしまって、文章表現のインプットから始めようとしても全然進まず、だからと言って書けない。長い文が書けないから、方向性を変えて詩を書こうと思って書いていたけど、私の居た専攻は小説が書けないと結局はだめだったし、各課題に規定の文字数もある。そこで試して有用だったのが、【過去作の改変】
 もともと大学の講義の中で、「スランプに陥ったら、昔話とか筋道のわかりやすい話にとにかく描写で肉付けをしろ!」と習っていたので、それの応用に近いのかなと思います。ただ、私には作品数がそんなにあるわけでもないし、ある程度プライド持ってそこまで何回も推敲した作品を材料みたいに扱うのが当時の私は嫌だったんですよね。そこに面白い話が舞い込んできました。

【当時付き合っていた恋人のスランプ/課題提出のリミットは三日後】
この後出てくる小説のモデルにもなった男性なんですが、彼も同じ専攻で、前期に私が取っていた講義にチャレンジすると言ったものの、ほんっとに直前で音を上げたんです。一週間前にはだいぶ催促してたんだけど完全に戦意喪失。そこでなぜか私のスイッチが入りました。ゴーストライター、やってやろうじゃない! その先生の傾向もわかってるし、三日あればまだ間に合う。残りの字数を確認したら愕然したけど(六〇〇〇字以上で提出OKのラインなのに、そのとき未だ二五〇〇字。というか何年もやっててその字数でひいひい言うな)でもそんなときって無性に燃えるよね。負けず嫌いな私は彼に許可をもらって、彼の原稿に加筆とひたすら朱を入れ続けました。その間、誰かに阻止されるかのように三回データが飛び、泣きそうでしたが、もう構想は頭の中にあったので最後まで闘って無事に提出完了! ただ、蓼原、理由もなく目標に向かって頑張れない子、約束を守れない子が好きじゃないのでもう今は完全に絶縁ですけどね(笑)

 私のスランプ打開策は小説の中でもまったく別ジャンルで書いたことと、リミットに追われたことなのかなあ、と。どうしてもだめな時はだめだし、無理することはないけど、他人と一緒に何か作るとかえって自分が大切にしていることが見えてきたりするよね! おもしろい!ってお話。

 ということで、今回お話した経緯でできた作品をこの度改稿しまして、掌編小説『desire path』を以下に公開します!
 ただし、内容が「R18」であること、それから以上のような経緯があることからこのような形で限定公開とします!ごめんなさい!(※R18の度合いに関してはがっつりです。そのほかの蓼原作品を知っている方に関しては、これが最大レベルに近いと思ってください!)
 なので興味がある方だけ覗いてみてください!


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