【編集後記】夢野久作:きのこ会議
こんにちは、こんばんは、お久しぶりです。めれんげと申します。
これは、動画「きのこ会議」の編集後記です。もしよろしければ、動画を先に視聴して頂けると嬉しいです。
さて。前作にあたる「猿蟹合戦」の反省として、今回の動画では、以下の点に意識しました。
①原作を大きく改変しない ②視聴者が「誰に感情移入するか」を意識する ③自分のひねくれた思考は、物語と切り離して語る ④後味をマシにする
これらの成果でしょうか。「きのこ会議」はマイルドで、癖の強すぎない動画に仕上がったと感じます。(改善点はまだまだありますが…)
個人的に、このお話で最も注目したいのが、蝿取り茸(れみりあ)です。解釈パートをご覧になった方は、お気づきかもしれません。
「食べられるきのこ」に感情移入をしていると、蝿取り茸の言葉は、いかにも“悪の道に手招きしている“ように感じます。
しかし、もしも“人間を信じることが善である“ことが、間違いであればどうでしょう。人間が、小さいきのこも根こそぎ喰らい尽くすような、非道な存在であったなら?
毒を持ち、食べられないよう身を守らなければ、きのこは絶滅してしまいます。蝿取り茸の言葉は、「未来ある若者を救おうとする、不器用な説得」となるのです。
私は、この動画をつくる中で、「異なる価値観・考え方を、悪ととらえることの危うさ」を感じるようになりました。深く物語を読み込むと、思わぬ学びを得られるものですね。
とはいえ、これはあくまで、私の感想にすぎません。物語から受け取るモノは、十人十色、違った形になって然るべきです。視聴者様一人一人に、それぞれの感想・意見が宿っていったら、嬉しいなあと思います。
言いたいことを言ったので、第2作「きのこ会議」これにて〆とさせていただきます。動画、編集後記へのお付き合い、誠にありがとうございました!