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くらやみ祭り見物

府中でくらやみ祭りの山車行列を見る。山車はすごい迫力、交通規制のかかった道路は大勢の見物人でごった返している。ひょっとこ、おかめ、狐、獅子舞が山車の上で踊る。祭囃子も合わさって幻想的な雰囲気を醸し出している。ひょっとこやおかめの面を着けて踊っている中には小学生くらいの小さな子どももいる。
小さな子どもが踊っているのをかわいいなーと思いながら見ていたら、段々不思議なものに見えてくる。面を被った子どもでは無く、ひょっとこ、おかめそのもののように見える。子どもにしかない神秘性みたいなものを目の当たりにした気がする。面というものは面白い。異形の存在になる。子どもたちを見ていると、面を外した下から面と同じ顔が出てくるんじゃないかと想像をしてしまって恐ろしい。
山車の上で踊っている一人のおかめに心を奪われる。青い振袖に白金の帯。袖と裾には赤白の花が描かれている。彼女の両の手の、ひらひら、くるくると舞う所作を見ていると、幻術にでもかけられているようで、いつまでも見ていたくなる。背格好からして中学生くらいかと思うけれど、意識する前はもっと大人の印象を抱いていた気がする。結局のところ面を被っているので分からない。それがまた不思議な気持ちにさせる。

おかめの面が好きなことに気付いた。今度どこかで出会ったら一つ欲しい。


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