井の中の(もがく)蛙は大海を渡れるのか
下関で質屋をやっている。じいちゃんが下関の端っこの方にある村から市内に出てきて質屋を始めて今年で64年になる。僕が実家に戻って21年になる。大学を卒業して山一證券に就職した。質屋をやるのが嫌だったというより、父親と一緒の仕事をすること(気取って言えば、レールに乗りたくなかった)が嫌で(恥ずかしくて)山一證券に入社した。1年も経たずに自主廃業となった。山一證券最期の新卒である。その話や、質屋を継いだ21年間の話はおいおいしていきたいと思う。
今月北京に行ってきました。現地のIT企業との面談、そして北京の質屋の視察のために。
出発前にfacebookの秘密のグループでいろんな質問をいただいていたので、それに答えるnoteを書きます。
北京で一番歴史の古い質屋さん
facebookでいただいた質問
吉田:日本では100人がLVを持って歩いているとして、感覚的には10人がコピーを持っているイメージですが、中国ではどうですか?
中国の質屋さん:その逆です!90人がコピーを持っているイメージです。
吉田:大黒屋さん、コメ兵さんはどんな感じですか?
中国の質屋さん:うーーーん。組んでる質屋さんと色々やってるみたいだけど、私たちには全然情報が入ってこないので、よくわかりません
(吉田の心の声)日本からやってきてクローズドで提携した大手とやっているので、地元の質屋さん達の印象は悪そう。。。。。。。
「中国の質屋さんのIT活用について」
かなり広がっています。全土に8千店舗質屋があるそうですが、そのうち6千店舗がIT活用しています。質問の通り、国との繋がりが非常に深いのでITを活用して国とのやり取り(税金の支払い、許可申請など)をやっています。余談ですが、中国では質札を発行した時点で税金がかかるそうです。そして、質流れ品を売却して得た利益は質置主(借りて)に支払わなければいけないそうです。
「中国の質屋さんの取り扱いについて」
・年間貸付高:2千8百億元(日本円で4兆6千億円!!!)
凄すぎる。ぶったまげました。。。。。
・上記のうちほとんどが不動産と車です。
(以下速記なので間違いあったらすみません)
金地金 122億元
宝石 159億元
ダイヤモンド 27億元
デジタル商品 1億6千万元
家具 2億6千元
骨董 7千万元
ブランドバッグ 1千5百万
時計 3億7千元
不動産メインだけあって、動産は少ないですよね(と言っても桁が違いますが。。。。。)
ちなみに金の取り扱いだけで年間43トンあるそうです(意味わからん。。。)
・金利は不動産3%前後 / 動産4%前後
利息制限法のような法律があるようです。
・古物商のような明確なルールがまだ無いようで、質屋さんたちはグレーゾーンで買取営業をしているようです。
「そもそも庶民金融的な立ち位置では無い」
上記のように取り扱いのほとんどが不動産や車ということもあって、庶民金融という立ち位置ではなく、スピード感を持ってお金を借りられる場所と言った立ち位置です。近年は動産の取り扱いにも力を入れ始めているので、今後はそのように変わっていくのかもしれませんが、現時点では庶民金融と言った日本の質屋イメージとはかけ離れています。中国にも個人経営的な質屋はありましたが、規模が個人経営というレベルではありませんでした。
この質問に関しては後半戦アルコール度数50%の白酒一気大会に巻き込まれ、聞けずじまいでした。。。。。。6月に再度北京にいくので、その時こそは聞いてきます!!
総括
国は違えど、同じ質屋を経営する身として現地の質屋さんとの会話はとても楽しく、エキサイティングでした。
「父親の代は、貸してやってる感が強くて、僕たちは変わりたいと思っている!」という思いは僕自身が20年前に思ったことで、すごく共感しましたし、僕なりにアドバイスをさせてもらったりしました。
また、現在中国では日本で言うところの消費者金融が台頭し年々貸付残高が減っているようです。これも20年前の日本と同じような状況ですよね!
そんな中で意識改革を行いながら不動産中心の貸付から目利きを磨いて動産をやっていこうとしている思いが強くありました。今後も文化交流含めて頻繁に行き来しながら意見交換を行っていきたいと思います。6月には北京老舗質屋さん達が来日する予定です。