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男女別定員は本当に"不平等"なの?

友人から質問がきた

先日友人からこんな質問をされました。
「男女別定員は本当に"不平等"なの?」

友人は以下のURLの記事を読んで疑問に思ったそうです。

記事要約

記事に書かれていた内容を要約すると、以下の通りです。
・現在、都立高校の全日制普通科は定員が男女別に設けられている。
・近年の合格最低点を見ると男女で差が生まれ、女性のほうが高くなる傾向がある。
・男女別定員制は、もともと女性の教育を保障するために生まれた仕組みで、戦後、男女共学制を導入するにあたって導入された。
・都立高校の校長らは、「男性が入学できる余地を残しておくためにも、男女別定員制は意味があるのではないか」などの理由から、男女別定員制について肯定的な立場をとる。
・男女の合格最低点に差が出る状況を是正するため、一部の学校では定員の9割までは男女別に合否を決め、残り1割は男女の区別なく得点順に決める「緩和」制度を設けている。

友人が疑問に思ったきっかけと、疑問の内容

友人が疑問に思ったきっかけは、上記の一連の記事についてSNS上で「男性に下駄を履かせている」という主張を見かけたことです。
友人は以下の疑問を持ち、質問してくれました。
1.そもそも男女別定員は女性の抱える教育格差を無くし"平等"になるために設定されたのに、なぜ女性が不平等という主張になるのか?
2. 1.の主張になるのは、これまで不利な立場だった女性が有利な立場だった男性の点数を上回ったから、結果的に点数の低い男性に下駄を履かせているように見えてしまっているのではないか。
3.そもそも男性、女性どちらかに下駄を履かせてはいけないからSNSで叩かれているのか?

男女別定員は本当に"不平等"なのか

回答としては、「過去に、平等を実現するために作った施策で、現在の観点から言えば不必要(不平等になる場合がある)」です。
男女別定員は元々は教育格差を無くし"平等"になるために、一時的に女性に下駄を履かせた施策でしたが、今回女性が男性の点数を上回ったことで、男女別定員に限って言えばもう下駄はいらなくなったと言えます。※男女格差全体はなくなったとはまだまだ言えません。。(2021年3月31日ジェンダーギャップ指数は120位/ 156か国中https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6062cdc4c5b65d1c2818ac86)ちなみに、基本的に下駄を履かせていいのは男女に限らず、例えば職場の上司と部下、黒人と白人など年齢、性別、人種間において社会的に不利な立場にある人に対してです。なぜ不利な立場にある人に下駄を履かせていいかというと、実力とは違う年齢、性別、人種の違いによる差別的な待遇があったり、そもそも有利な立場にある人にさらに下駄を履かせていたりする現状があるからです。そうした差別などを是正するためには、周囲の価値観を変えましょうとキャンペーンをするなどの対策が考えられますが、それだけでは効果が薄い場合があります。そういった場合に、仕組みや施策という目に見える形で、一時的に不利な立場にある人に下駄を履かせる必要があるのです。ただし、最終的なゴールは平等、差別の撤廃や格差の是正なので、平等になったと考えられる場合は、状況に応じて施策を撤廃していく必要があります。

記事の中で学校側の管理がしにくくなる、部活強豪校などの集客につながる要素がなくなる、文化が廃れるといった主張もありましたが、学校側には現行の制度に依存しない新たな制度や仕組みが求められているのではないでしょうか。繰り返しますが、平等を実現するために作った施策で、現在の観点から言えば不必要(不平等になる場合がある)な施策は取り下げていく必要があると私は思っています。

また、記事で村松さんが述べている内容と重複する部分もありますが、男女の分け方はLGBTQなどを排除しているし、男女別定員制はジェンダーの“意識”へ悪い影響を与える可能性があります。(このあたりの話は話すと長くなるのですが、大切な話だと思っているのでまた別の記事か何かで述べられたらうれしいです。😌)

今回は男女別定員に関する質問をいただきましたが、
友人、フォロワーの皆さんに質問いただけたらこんな感じでnoteなどで回答していきますので、気軽にコメントいただけたら嬉しいです。



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