その115 五年三割の生存率 めかわぶんこ下北沢病院物語 20241119
その109 五年三割の生存率 めかわぶんこ下北沢病院物語 20241119
足を切断した糖尿病患者の生存率は五年三割であると下北沢病院の私の主治医が自分の本に書いていた。先生に直接聞くと切断の部位の大きさや透析をしているかどうかのいくつかの条件を満たすことでそうなるという。私の場合は初めて右足の親指を切断してからすでに両足で3本の指を失っているが透析はしていないので、もう少し
今のところ長生きできそうだという。
昨日で転院してからちょうど一周間になり、担当医師からこの1週間での様々な検査の結果が出たからと説明を受けた。私の一番の問題は37歳の時から糖尿病の
治療を行っているので全身の血管がぼろぼろなのだそうだ。特に膝のしたから足の先に向かう血管の損傷が著しいようだ。左の足の主な二つの血管はほぼ詰まっていて、
そのため新しい血管が生まれかなり機能しているらしい。気をつけないといけないのは、心臓に血を送る血管や脳に血を送る血管もつまりかけているので注意が必要であるらしい。足の血管が詰まっているということは全身の血管が同じようにつまりかけていると考えないといけないらしい。脳の血管がつまれば、脳梗塞、心臓の血管がつまれば心筋梗塞、足の血管がつまれば足の壊疽が生ずる。目の血管がつまれば網膜剥離から失明に至る。私の場合足の壊疽は両足で生じているので特に足が弱いと言える。目の血管の破裂しそうなところは7年前にレーザー治療で焼き切ったので、
目が本当は一番弱いのだと思う。今回の検査の結果、本来100前後でないといけない血糖値は167。 4.8から6.2でないといけないHBA1Cが6.7と高い。
血液検査の結果2種類の細菌が左足にいることが分かった。MRSAのような抗生物質が効かない恐ろしい菌ではなかった。この菌が2年間で3本の足の指を失わせた。医者は今実施している酸素カプセル治療で時間をかけて治療していきたいという。
だが医者も自分の本で五年三割の生存と書いている以上そんなに私も長くないに違いない。だから家族には大反対されたが仕事は早期退職した。体が一番。まず健康を取り戻すことにした。最初に足の指を切断してからほぼ一年半で4回の入院で5回の手術を受けた。現在に至るまでほとんど病院にいた。入院してから毎月の血液検査の結果はファイルにして閉じているが、最初は標準値を上回るHの表記ばかりだったが、今ではHBA1Cと血糖値以外はHはない。これまで大学生時代からひどく悪かった肝臓の機能値も標準になった。これまで基準に達しませんと何度献血しても廃棄されていた血液が最近やっと献血可能になった。ところが献血は60歳までらしい。ぎりぎりで献血が一回できた。つまり私は生涯で今が一番健康状態が良い。長期入院によるストレスのない暮らしと管理された食事と運動が効いている。
最近やっとわかったのだが、最近は回復しているみたいだが、脳の血管も一部細くなっていて脳梗塞寸前だった。心臓までの血管もかなり詰まっている。
10年ほど前医者に90歳の血管年齢といわれたのはこういう意味だったのだとやっとわかった。現在の節制した暮らしを続けたいと未来はないのである。今では考えられないが大好きなミントのアイスクリームを5本同時に食べるような無茶はもうできないのである。今回心臓や足のMRIやレントゲンやCTも撮影して何とか機能していることはわかった。絶対これより悪化させられない。医者はもう少しいけそうだと慰めてくれるが五年三割の生存率を意識して日々を過ごさないといけないと思う。
切断からまもなく2年。毎日を懸命に生きて悔いのない人生を送りたいと思う。