クラリネット・音楽・その他好きなことの好きなところを書きます。

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  • クラリネットジャズ紹介

    好きなクラリネットアルバム・演奏などを紹介しています。ジャズと銘打っていますがジャズ・ラテン・ポップス・民族音楽などを聴いています。不定期更新。

最近の記事

クラリネットアンサンブルでフリージャズ- クラリネットジャズ紹介15

15回目はTHE CLARINET SUMMITのSouthern Bells。 ♪ John Carterが結成したグループ”THE CLARINET SUMMIT”による1987年の作品。エリントン楽団のクラリネット奏者でもあるJimmy Hamilton、ニューオーリンズ出身のフリージャズを得意とするAlvin Batiste、テナーサックスやバスクラリネットでフリージャズを演奏するDavid Murrayをフィーチャーしてクラリネットアンサンブルを繰り広げている。

    • メインストリーム・ジャズとクラリネット - クラリネットジャズ紹介14

      14回目は谷口英治のIn a Mellow Tone。 ♪ 現代の日本を代表するジャズクラリネット奏者、谷口英治さんの最新のリーダーアルバムである。このアルバムに見られるような谷口英治さんの演奏スタイルは、メインストリーム・ジャズ(モダン・スウィング)というらしい。ジャズクラリネット奏者としてBenny Goodmanのようなスウィング感と明るさ、そして北村英治さんのようなハッピーでとろけるような音色に色濃く影響を受けつつも、それだけでは説明のつかないような締まりのある音

      • 楽しいおしゃべりがむずかしい - クラリネットジャズ紹介13

        13回目はJoachim Kühn & Rolf KühnのLove Stories。 ♪ Rolf Kühnは、1929年にドイツ・ケルンでうまれたジャズクラリネット奏者である。戦間期のドイツで育ったこと、ユダヤ系のバックグラウンドを持っていること、そして戦後は住んでいた地域がそのまま東ドイツになったこと、そして西ドイツへの移住など、彼の過ごしてきた時代と地域には、彼のミュージシャンとしての人生を大きく翻弄するような要素がたくさんある。その中で彼はドイツ・ひいてはヨーロ

        • ニューオーリンズのルーツを探るクラリネット - クラリネットジャズ紹介12

          12回目はEvan ChristpherのAlmost Native。 ♪ まずジャケットを見て頭に大きな?を浮かべてしまう。そしてアルバムのタイトルに添えられるポップな絵文字。絵文字? そっけなくペタペタ並べられた画像には統一感が全くないように見える。凱旋門とマラカスとお城と椰子の木とを並べて「Almost Native」とはどういうことだろうか。ひととおり混乱したところで再生を始めると、不可解なジャケットとは対照的な親しみやすい音が流れ、もう一度頭を悩ませることになる

        • クラリネットアンサンブルでフリージャズ- クラリネットジャズ紹介15

        • メインストリーム・ジャズとクラリネット - クラリネットジャズ紹介14

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        • クラリネットジャズ紹介
          15本

        記事

          エリントン・クラリネットへの憧れ - クラリネットジャズ紹介11

          11回目はDuke Ellington and His Orchestra with Adelaide Hall から1曲、Creole Love Callをとりあげる。 ♪ デューク・エリントンといえば、名編曲家・バンドリーダーであるのはもちろんのこと、幾多のスタンダードナンバーをのこした名作曲家でもあり、セッションを中心にジャズをやっていても行き当たることが多かった。しかし一方では、エリントンはビバップにはじまるモダンジャズの流れとは一線を画したような場所にいる印象も

          エリントン・クラリネットへの憧れ - クラリネットジャズ紹介11

          音楽とのかかわり方が変わった話。

          音楽をすることにまつわる、とりとめもない話。 クラリネットを吹きはじめて、かれこれ13年になる。楽器が好きなだけ一本で13年過ごしてきたわけではない気がするし、練習をとてもしている時期ととてもしていない時期とのむらがあるけれど、わたしの人生の中で大事なもののかなりの部分を音楽が作ってくれていると思う。それがわかっているから、なんとしてもやめたくない。だからこそ、フルパワーで演奏している時もそうでない時も、人間としてどう音楽にかかわっているかはいつでもわたしの中で大切な問題だ

          音楽とのかかわり方が変わった話。

          トルコのクラリネットを吹きたい。

          トルコクラリネットを吹いてみたい、とここ1年ぐらいずっと思っている。 きっかけきっかけは一本の動画だった。 ギター・パーカッションとクラリネットのトリオで、クラリネットが明らかに「知っているやつと違う」。今までにどんなよくわからないフリージャズの音を聴いたときともちがう違和感を覚えて、この動画にめちゃくちゃはまった。初めて聴いたときは、耳慣れない音程の取り方をしている気がするので聞きづらかった(のちに微分音だと知ることになる…)が、クラリネットがこんなにゾーンにはいりこむ

          トルコのクラリネットを吹きたい。

          クラリネットでジャズをやること - クラリネットジャズ紹介10

          10回目は、Benny GoodmanのThe Famous 1938 Carnegie Hall Jazz Concert。 ♪ クラリネットでジャズをやろうとして結果的に避けて通れなかったBenny Goodmanから1枚かかげて、CDの紹介というよりかはクラリネットでジャズをやることについて考えていることを書こうと思う。 Benny Goodmanを知った頃スウィングの王様、ことBenny Goodmanを初めて聴いたのは中学生の頃だった。中学校の吹奏楽部で、持ち

          クラリネットでジャズをやること - クラリネットジャズ紹介10

          ピアノを弾くだけのニーチェに淡々と思いを馳せる

          木田元先生のお名前を初めて知ったのは、大学でドゥルーズの『経験論と主体性』を読んでいたときだった。この本は大事なことが書いてある気がする、でも何を言っているんだか読めば読むほど分からん、彼はいったい何を考えていたんだろう……とぐるぐる回りながら、へたくそなレジュメを毎月つくっていた。分からないながらもドゥルーズ思想は研究に居すわりつづけたので、したがって参考文献一覧から訳者名も消えることがなかった。そんな経緯があり、直接の著書を読んだことがないにもかかわらず、木田先生のお名前

          ピアノを弾くだけのニーチェに淡々と思いを馳せる

          ブラジルとアメリカ、本来は出会わなかった曲たち - クラリネットジャズ紹介9

          9回目はPaulo MouraのMood Ingenuo (Pixinguinha Meets Duke Ellington)。 ♪ もともと独自の文化を持っていた地域に西洋文化が侵入してきて、加えてアフリカの文化も入り混じり……という歴史の混沌からも予想されるように、ブラジルは独自の音楽の渦を持っている地域である。それは、ジャズを生んだアメリカと似ているが非なる渦であり、その二つの渦は相互に影響を与え合ってきた。Paulo Mouraは、そんなブラジルにおいて様々な音楽

          ブラジルとアメリカ、本来は出会わなかった曲たち - クラリネットジャズ紹介9

          いつの間にか、『もものかんづめ』のまる子に追い付いてしまった。

          さくらももこさんのエッセイを初めて読んだのは、小学校1年生の頃だった。おばあちゃんの家に遊びに行ってタイミング悪く中耳炎になり寝込んでいたわたしに、叔母さんが「子ども用の本がうちにはないんだけど・・・」となんとか読めそうなものを自分の本棚から見繕ってきてくれた。それが、『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』の三部作だった。久しぶりに読み返して、自分が『もものかんづめ』時のさくらももこさんの歳に追い付いてしまったことに気がついた。はじめて読んでから20年間、わた

          いつの間にか、『もものかんづめ』のまる子に追い付いてしまった。

          悪い芝居vol.23 『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』を観た。

          『メロメロたち』を観てから、”悪い芝居”から目を離せない。 現在サブスクやYouTubeで作品を公開されているのと、それぞれのインタビューなどでかなりの量のテキストを公開されているのとで、どこまでも掘る情報がある状態だ。好きだと思ったことについて情報が一瞬で手に入るのは大変良い時代ではあるが、そのまま好きを消費してしまいそうになってぞくっとすることもある。今回は2019年に上演された、vol.23 『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』の感想を残す。 二本立て公演こ

          悪い芝居vol.23 『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』を観た。

          やっぱりクレズマー・クラリネットが無敵 - クラリネットジャズ紹介8

          8回目はDon ByronのPlays the Music of Mickey Katz。 ♪ アルバムの表題にあるMickey Katzとは、イディッシュ語とクレズマー(ユダヤ系民族の伝統音楽)の要素をふんだんに盛り込んだ編曲のコミック・ミュージック(訳すと、冗談音楽?)を提げて1950年代に活躍した、クラリネット奏者でありコメディアン兼バンドリーダーである。そして今回紹介するのは、現代アメリカのクラリネット奏者であるDon ByronがMickey Katzの曲をリメ

          やっぱりクレズマー・クラリネットが無敵 - クラリネットジャズ紹介8

          クラリネットジャズの葛藤 - クラリネットジャズ紹介7

          7回目は、Tony ScottのComplete Brunswick Sessions。同時期に録音されたMusic After MidnightというLPの内容と合わせたアルバムとなっている。 ♪ Tony Scottは、戦後すぐから活躍したイタリア系アメリカ人のジャズクラリネット奏者だ。1921に生まれた彼は、Artie ShawやBenny Goodmanといった煌びやかなスウィング時代を駆け抜けたジャズクラリネット奏者に影響され、10代からクラリネットを始める。ジ

          クラリネットジャズの葛藤 - クラリネットジャズ紹介7

          a la mode音遊び - クラリネットジャズ紹介6

          6回目はDave BrubeckのBRUBECK a la mode。 ピアニストDave Brubeckの名を冠したアルバムで、クラリネットはBill Smithが担当している。 ♪ Bill Smithは戦後すぐから演奏活動を開始したクラリネット奏者・作曲家である。Dave Brubeck Octetのメンバーでもあり、また音楽院や大学で作曲を修め、教鞭も取っていたことがあるそうだ。ジャズに加えてクラシックとの融合的な演奏・作曲の作品も数多く残している。 そんな彼

          a la mode音遊び - クラリネットジャズ紹介6

          悪い芝居vol.18『メロメロたち』初演を観た。

          コロナ禍で暇を持て余している中でたまたま存在を知り、悪い芝居「メロメロたち」初演をサブスクで観て、がっちり心を掴まれてしまった。音楽のことを書くのとは別の人が書いたみたいな文章になりそうだけれど、残しておこうと思う。 メロメロたち悪い芝居vol.18『メロメロたち』は、2016年に上演された作品だ。 現在は、演劇作品のサブスクリプションサービス「観劇三昧」で全編を見ることができる。 (心を掴まれすぎたのでDVDとパンフレットを買ってしまった…) ロックバンド”メロメロ

          悪い芝居vol.18『メロメロたち』初演を観た。