伝統とは革新の連続
こんにちは、明善の中谷です。
会社noteでは主に月報やプレスリリース関係を扱っているので、私個人として感じた事を書くために、新しくアカウントを作りました。
ちょうど32歳になったキリの良いタイミングでもあるので、、、(書こうと思い始めて半年以上経ってます笑)
今後定期的に記事にしていこうと思ってます!
何らかのノウハウを話すというよりは、仕事をして感じている事を率直に書いていくような形になります。読み物として楽しんで頂けたら嬉しいです。
今回は、「伝統は革新の連続」というテーマで書いていきます。
肥前吉田焼とのはじまり
「有田やきもの市」という企画をされている会社があります。
企画を担当されている方が無類の猫好きで、「猫のための最高級お椀」を作るために、彼は佐賀の窯元へ通った事が物語のはじまりです。
彼は佐賀に単身で乗り込んで問屋さんを相談して周り、肥前吉田焼※の窯元である辻与製陶所さんに辿り着きます。
事業転換も見越したお話だったので、事業再構築補助金の相談で昨年2月に私も一緒に同行する事になりました。
辻与製陶所さんを訪問
肥前吉田焼は、佐賀県嬉野市で焼かれる磁器でして、創業はなんと1650年代と言われてます。400年近い時間を連綿と受け継いできて、今がある事を考えると本当に凄い。
僕は伝統・芸術にとても疎く、家の食器は無印良品(波佐見焼)を使ったりする文化度の低い人間ですが、辻与製陶所さんを訪問した時に感動しました。
絵付けが手書きなんです!
想像するだけで卒倒しそうになるくらい、繊細なタッチで描かれてますし、絵付け師はフリーハンドで書きます。技術力が半端じゃない。
そして焼き物には、「江戸時代の粋」が沢山隠されている事も知ります。江戸時代においては歌舞伎が皆の娯楽であり、歌舞伎の名場面をそば猪口の絵付けで隠喩的に表現していたりします。
焼き物の奥深さ、文化度の高さを辻社長に教えて頂きました。
下の本、面白いのでぜひ読んでみてください。辻社長に推薦頂いた本です。
事業承継の問題
400年という歴史がある窯元地域でありながら、事業承継の問題は深刻です。肥前吉田地区では、後継者がいる窯元はごくわずかです。
有田商工会議所が調査した結果も悲しいもので、発表会では出席者が涙するような場面もあったと聞いてます。
http://www.marugotoarita.jp/data/houkokukai.pdf
それでも辻与製陶所の辻社長は、「肥前吉田焼を産地として残せるような仕事をしたい」という強い想いがあります。産地として残すという言葉も安いものでなく、日本、日本の伝統文化、日本人の心という領域まで掘り下げて産地を捉えた上での言葉なので、とても重たく、僕の心に深く刺さる出来事でした。
産地をどう残すのが良いのか?
初訪問以降、「産地を残すとはどういう事なのか?」について考え始めるようになりました。もちろん自分の中に明確な答えはないですが、ヒントは沢山転がっているなと思えるようになりました。
自分の中で衝撃的かつしっくり来たのが、「ストリート盆栽」というムーブメントです。
伝統文化って敷居を上げるのでなく、下げる事が残っていく事の秘訣
他の人が言っていた事の受け売りですが、芯を食った言葉だなと思いました。実際に動画を見て頂けると、言っている意味が分かると思います。
盆栽という職人的アートを若者や海外の方々が、親しみやすいアートとして提供している「ストリート盆栽」は革命的です。
「敷居を下げる事」
「伝統は革新の連続で成り立っている事」
これが自分なりの答えなのかなと思い始めてます。
自らも当事者へ
コンサルみたいな都合の良い立場でなく、当事者でありたい。
辻社長の想いに感銘を受け、僕を辻与製陶所さんに連れて行って下さった和泉田さんと一緒に、嬉野で窯元の会社を作る事にしました。
何故と言われたら分かりませんが、良いもの・良い事を次に繋げる仕事が僕は好きです。内から情熱がめちゃくちゃ湧きます!(だから、「明善」という会社名であり、事業承継や再生をやってます)
会社は2月に設立予定なので、お楽しみに!
仲間募集
新会社を本当に意味のある、良い会社にしていきたので、焼き物・アート好きな方、色々とアイディアを下さい!!
メール頂けると嬉しいです!
unique.piece.japan@gmail.com