「暇アノン懺悔録」とロマン優光氏のすごい主張
いやいやいや、と驚いてしまいました。
よくは知らないけれどもこんな人だったっけ?という感じ。
1.その「インタビュー」は大丈夫なの?
まず「暇アノン懺悔録」に対するロマン優光氏の評価から。
いやいやいや。
そういう狙いを持って複数人(弁護士2名含む)でやってしまったならば、その時点で”インタビュー”の価値は無いでしょうに。
ロシアの捕虜となったウクライナ兵が「ゼレンスキーに従った私はただただ意志が弱く…」と自己批判する動画が出てもウクライナ批判の材料に出来ないのと同じです。
そういう狙いを持ってなされていることなら、捕虜だって「これこれこういう風に私はだらしない人格で~」「私が銃を向けた国には何の落ち度もなく~」などとインタビュアーの方向性に沿いそうなことを言うでしょう。
その状況で何をどれほど正直に語るのか。語らないでしょう良くも悪くも。インタビューってそんな簡単なものではありません。
つまりロマン優光氏が理解するところの「懺悔録」はインタビューとしては破綻していて、あくまで氏が看破した通り
を狙った、その目的で機能する宣伝物ということになってしまいます。
2.ロマン優光氏の目的は何か
しかしたとえ氏の指摘するような狙いであっても、インタビューとは自発的かつ正直なところを述べてい(る風に見え)なければ狙いは達成できないと思うのですが。
和解の条件にインタビューが含まれていて、Colabo側に用意されたジャーナリスト2名とColabo側弁護士2名とに”インタビュー”されて、「暇空は完全な悪です!」と叫んでいる、どうなんですかこれは。
これをやってしまうとむしろ懺悔録の中のインタビュイーの人格や言動が全く信用できなくなるというか、本当に「しょうもない人間」なのかすらわからなくなってしまうでしょう。
(もしも編集権もインタビュアー側が持っているなら更に価値が低下してしまう気がしますが、その辺の価値低下を担保するための仕組はあるのでしょうか。)
これらのことは釈迦に説法であって、ベテランライターであるロマン優光氏ならば当然全て分かっていることでしょうが、その上でこの”インタビュー”を大真面目に読み、インタビュイーの人格分析をしている。ぱっと見ではまるまる間抜けな行為なのですが、この記事の目的は一体なんでしょうか?
3.ロマン優光氏のすごい主張
で、意図がわからないままつらつらと読んでいくと、記事のまとめのような最後の段は凄まじいものでした。
私がツッコミたいのはここです。
いやいやいやいや。
何故唐突に、嫌がらせをした人達と無関係な人達を殴りにいっているんですか?
「今回Colaboと和解したような人たち」は、嫌がらせなどの具体的な不法行為があったからそれについて和解に至ったのですよね。
嫌がらせはもちろんダメです。それは広くコンセンサスの取れたことでしょう。捕虜兵士インタビューで確認できることも「嫌がらせはよくないし訴えられるよね」ということです。
逆に言えば「暇空氏の告発内容に関心を持つ」とか「フェミニズムに疑問を持つ」とかまでは全くの自由です。(こんな当たり前のことを書かなければいけないのが嫌ですが……)
不法行為でも嫌がらせでもないそれらのことを「不法行為で訴えられた人たちよりもタチが悪い」とは一体どういうことでしょうか?
つまり、ここでロマン優光氏が示唆するのは「特定団体の会計に関心を持つこと自体が許せん」「アンチフェミニズムであることは容認できぬ」「もへもへをRTすることは言語道断」ということです。
驚きです。
一体どういう立場でこんなすごいことを言い出しているのでしょうか?
4.「嫌がらせよりタチが悪い行い」の検討
改めてロマン優光氏が厳しく非難する、嫌がらせよりタチが悪い悪行について一つ一つ見ていきましょう。
自由主義国ではフェミニズムもアンチフェミニズムも自由です。
それらをお気に入り・RTすることが嫌がらせ犯よりタチが悪いとはどういうことでしょうか。
まず「もへもへ」とはそういう名前のアカウントを指すようです。
https://twitter.com/gerogeroR
もへもへRT罪が成立するほどのとんでもない誹謗中傷アカウントなのかと確認したところ、誹謗中傷や侮辱どころか特定の人への攻撃を繰り返すようなところも見られず、言葉遣いも発言内容もキツくはない。毛量アピールがややしつこい程度のアカウントです。仁藤氏に対する批判がありつつ暇空氏を批判してブロックされているようです。
この人物をRTすることが嫌がらせ犯よりタチが悪いとはどういうことでしょうか。
非常に違和感の強い言い草です。
不正の疑惑と告発に関心を持ってRTし、便乗した者達による嫌がらせ行為などからは距離を置く。
それの何が問題なのでしょうか。
それが嫌がらせ犯よりタチが悪いとはどういうことでしょうか。
5.ロマン優光氏の発言の謎
ここでロマン優光氏は「嫌がらせの有無は問題としない(それどころか嫌がらせをする人間の方がタチの良い正直者である)」という趣旨のことをはっきり言っているので、彼が問題にしているのは明確に「関心を持つこと」「何らかの考えを持つこと」です。
つまり彼の中には正しい思想・正しいフォロイー・正しい関心が確立されており、そこから外れる者はそれだけで嫌がらせなどの不法行為を行う者よりタチが悪いと明言しているわけです。
このように丸出しにされた統制志向を踏まえて、「嫌がらせをしない者こそタチが悪い」とする不思議な主張に含まれる意図は何なのでしょうか。
「正しくない思想・正しくないフォロイー・正しくない関心を持つ者は、いっそ嫌がらせなどの不法行為を働く者の方が望ましく、嫌がらせをしない者の方がタチが悪い。」…。
まさか、不法行為をしてくれれば法的措置によってそれらの「正しくなさ」総括して懺悔させることが出来るから、と言っているんじゃあないですよね?
プロのライターたるもの誤読の余地のある文章で読者を震え上がらせるべきではないと思います。
6.懺悔録と例の戦いの今後について
ところで根本的に気になるのは、いくら懺悔録で「こんなしょーもないやつら」と宣伝したところで、そもそも暇空氏のTLに屯すような連中の人格がいつ評価されていたのかという点です。
あれが立派な人達だとか聡明な人達だとかいうイメージがいったいどの巷で共有されていたのでしょうか。個人的には肯定的評価を見た記憶がありません。
私自身、興味本位で覗いた二次裏暇空スレで、ごく穏便に「最近どうなってるのか教えて?」と言っただけでColaboの回し者扱いされて閉口したものです。
だいたい人格面となれば首魁たる暇空氏からしてまるで褒められていないわけでしょう。
暇空氏の独特な人格と異様な雰囲気がある程度看過されてきたのは、氏の対峙する相手側にも何かを感じる人が結構いたからではないでしょうか。
双方の世論上の求心力の根は「好感度」などにはなく「強さ」にあるように見えます。戦国武将みたいです。
懺悔録は、畑を荒らすカラスを数匹吊っておくみたいな感じに、しょうもない人達による嫌がらせへの抑止としては機能するでしょう。
しかしロマン優光氏が唱えようとしているような、「特定の思想・特定のフォロイー・特定の関心自体が間違っている」なんていう風潮を生むようには機能しないと思います。
というか、機能すべきでもありませんよね。
7.まとめ
私は暇空氏をミュートしていますが(相手方弁護士等もまとめて)、誰かが暇空氏をフォロー・RTしているだけでその人のことを「タチが悪い」「嫌がらせ犯より悪い」などとは言えません。
個人的には「連載完結したら教えて」という気分です。Twitterはどうもうるさすぎるし、彼と各団体との裁判は法廷で決着がつくのでしょうし。
強いて私から双方に提案出来るのは「裁判総まとめタイムテーブルを提供するのはどうでしょうか」です。
だってあのあたりを眺める感じ、もう熱心なフォロワーの中にすら裁判スケジュールや各論点を把握しきれていない人が多数居るのではないでしょうか。
フォロワー同士の喧嘩にしても「いま何を争っているのか」当人達が本当に整理ついているものか怪しみます。
ロマン優光氏について。
あまりにも唐突に出てくるもへもへ氏の個人名なので、ひょっとして二人の間に何か遺恨でもあるのかなと調べましたがよくわかりませんでした。
仮にロマン優光氏がもへもへ氏の過去の言動において何か許しがたく思った点があるのだとしても、それはきちんと具体的に取り上げて「これこれこう間違っている!」と論じ付けるべきものでしょう。
問題点をはっきりと指摘せず、嫌がらせ行為したような人達と絡めて「それよりタチが悪い」などとしてRT罪を提唱するのは、もへもへ氏に対するかなりアンフェアな攻撃になっているだけではないでしょうか。アンチフェミニズム批判においても同様です。
シャーマンならばカラスの首で呪詛をするのもいいでしょうが、ライターがやるべきことはきちんとした引用と批判であるはずです。
正面からのもへもへ批判記事、アンチフェミニズム批判記事を期待しております。
終わり。
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