テンサイの道
日々の散歩道の脇で育っている野菜は
ずっと、ダイコンだと思っていた。
ところが、ある日突然、畑に山盛りのガイコツらしきものの山が現れ、不気味以外の何物でもなく、なんじゃこりゃ!と思いつつも、怖いもの見たさで近寄って見ると
え?ダイコンみたいけどダイコンじゃない!
この畑はダイコン畑ではなかったのか!と
ビックリしてしまうと同時に、よく観察もせずに勝手にダイコンだと思い込んでいたから、ダイコンにしか見えなかったけど、よく見たら葉っぱが大根の葉とは全く違うわけで。。その場でスマホ片手に調べたら、テンサイと言う野菜、てんさい糖の原料だとわかった。こんなに長く生きてるのに、テンサイと言う野菜を今まで見たことなかったなあと言う、ある種の感動と、先入観というか思い込みというやつは真実を見逃してしまうもんだなあと、山積みのテンサイを目の前に、しばし呆然としてしまった。
天才と呼ばれる人は、きっと先入観とか周りの人の意見に捉われず、目の前の真実だけをみているのだろうなあと、てんさいの散歩道を歩きながら天才について考える自分は、チープな発想の人間だなあと、自分で自分に呆れつつも、新しい発見の興奮で、なんとなく幸せな気分だった。